今年で5年目を迎えた秋ヶ瀬の森バイクロアにあの男が帰ってきた。そう、昨年にシクロクロスデビューを果たしたヘタレこと藤原である。1年ぶりとなる今回は、編集部チームでチームラリーに出場。1年分の成長を仲間たちに見せることができるのだろうか?



昨年、念願のCXデビューを果たした私、「ヘタレ藤原」昨年、念願のCXデビューを果たした私、「ヘタレ藤原」
土手のうねりを利用したテクニカルなアップダウンがある茨城CX土手のうねりを利用したテクニカルなアップダウンがある茨城CX photo:Makoto.AYANO昨年、晴れて(?)シクロクロスデビューを果たした私、「ヘタレ」こと藤原岳人(24才、独身 ※ジャージを洗ってくれる素敵な女性を募集中!)。マスターズで活躍する編集長や、C1への昇格を虎視眈々と狙う磯部教官(※この記事を書いている間に野辺山CXで昇格してしまいました。)がソワソワしだすシーズンが今年もやってきた。

僕が今シーズンの初戦に選んだのは茨城クロス。自分自身のデビューレースを走ることで、どれだけ自分が成長できたのか確認できると思ったのだ。結果はと言えば、昨年の成績は完全なるビリッケツだったのだけど、今年は出走者のほぼ真ん中という成績。ドヤっ!と磯部教官に報告したら、「いや、今年はC4でしょ?」という一言。そう、去年はC3までしか茨城クロスは無かったのでした。なので、正確なことは分からず。

しかし、フィジカルは置いとくとして、テクニックはだいぶ上達してきたはず。そう考えた僕は、クロスレースを走ったことが無い安岡先輩と現在バイクを注文中のシステム技術者の細田さんを誘い、秋ヶ瀬の森バイクロアのチーム種目へとエントリーしたのである。

この人選の理由は一つ。編集長や磯部教官は、既に他のチームで出走が決まっていたから。決して、二人と一緒のチームで走ったら、プレッシャーが半端ないとか、いつも僕をイジめてくる安岡先輩を経験の差でリードして見返してやりたいとか、そう言った邪な理由では、断じてない。




大にぎわいの秋ヶ瀬公園。しかしこの中にいない男が一人。大にぎわいの秋ヶ瀬公園。しかしこの中にいない男が一人。
さて、迎えた大会当日。秋ヶ瀬公園へと自走で来た僕は、早速細田さんと合流。磯部教官の走る多摩湖朝練部チームのみなさんに挨拶して、いっしょのピットで走らせてもらうことになった。だんだん僕も知り合いが増えてきて、クロッサーとして成長しているんだなあ、としんみりしてみたりする。

しかし、一向に現れない男が一人。そう、安岡先輩である。チームラリーAは数あるバイクロアのカテゴリーのなかでも、バージンクラスにつづいて、2番目に行われるレース。9時50分に開始なのだが、今時計は9時を回ったところである。ちなみに約束していた集合時間は8時だ。

「ハルオ、遅刻ペナルティで出走停止処分な」「え?マジっすか!?」「ハルオ、遅刻ペナルティで出走停止処分な」「え?マジっすか!?」 いそいそと待機列に並ぶ磯部教官いそいそと待機列に並ぶ磯部教官 連絡が無いのでこちらから一度連絡してみようと思い、スマホを見ると、一件の通知があることに気付く。安岡先輩の退勤スカイプが夜中に入っていたようだ。しかし、何かがおかしい。なぜタイムスタンプが今日の5時になっているのだろう。ひとりブラック編集部である。いろいろな意味で寒気を感じながら、とるもとりあえず電話をかける。

1コール、2コール……10コールめを過ぎたあたりから(きっと今頃自転車で走っているから出られないんだよ!)というリベラリズムと(いや、絶対寝てるだろ。)というリアリズムが内心でせめぎあい始めた時、「ごめん!今起きた!」と、無慈悲な現実を突きつける声が電話口から聞こえてきた。

安岡先輩の住むエリアから、秋ヶ瀬公園まで距離にして約25km。ロードレーサーでも1時間は余裕でかかるはずだ。まして参戦用のMTBで自走してくるというのだから、1時間半は見ていたほうが良いのではないだろうか。しかも今起きたということは準備もしてないハズ。レースまであと50分……。うん、無理だコレ。

「今日来るんですか!?」「行く!出た!頑張る!」プツッ……、ツーツー。この間約2秒。明らかな嘘である、お前はレーパン履いて寝てたのかと、小一時間問い詰めたい欲望を我慢しつつ、細田さんに報告する。「あきらめましょう、今日は二人です。」「……そっか。」楽しげな景色の中、お通夜ムードになる僕達。

1時間半のレースを二人で走るのか。ま、まあ、シリアスなレースではないしきっと大丈夫なハズ!1年の経験を積んだ僕ならなんとか出来るハズだ!と空元気を出していると、ついに召集が始まってしまった。そんなこんなしていると、磯部教官が「あれ?安岡さんは?」と尋ねてくる。かくかくしかじかで……。と事情を説明すると、「それだったら、ウチのチームのハルオっていうのが遅れてきたからクビにしたんだけど、そっちで走ってもらう?」と予想外の提案が!

遅刻魔でもなんでも、その場にいるなら良い遅刻魔だ!ということで、早速チームに入ってもらうことに。チームオーダーは1走目に僕、ヘタレ藤原。2走目に移籍してきたハルオ氏(元多摩湖朝練部)、3走目に細田さん。それぞれ3周ずつ走ったら、交代。まだ来ぬもう一人の遅刻魔については、来たら考えるということで、保留にした。レーススタートはもうすぐだ!



メンバー欠員という予想外のトラブルに見舞われた編集部チーム!しかし新たな仲間を得て、チーム初のレースに臨む僕たち。果たして安岡先輩は現れるのか?ヤツは初レースで試走も無しで走れるのか?ただ逃げただけじゃないのでは?不安しかない編集部チームの奮闘は後編へ!


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