「君たちの自転車についてる様な細いタイヤがかっこいいな。今度来るまでに、カッコイイの用意しといてくれ。」
前回、気軽に悪魔のような言葉を残して帰って行ったメタボ会長が、編集部に愛車を持って現れた。

「今日は忙しいから預けてく。カッコよく頼むぞ。ヨロシク。」
思いもかけず出番がやってきた旧型の ボントレガーRACE-Xライト 思いもかけず出番がやってきた旧型の ボントレガーRACE-Xライト あっさり帰ってくれてホッとする反面、宿題を増やされた編集部は無言になるしかできなかった。

社内の立場上、メタボ会長の愛車を放置するわけにもいかないので、作業開始前にチェックがてら試乗してみた。
実は以前に編集部の企画で試乗インプレを実施した機種でもあるので、素性の良さは分かっていた。

軽く多摩湖を1周し、改めてこのフレームの基本性能の高さを確認できた。10万円以下の価格帯でこの素性を実現している機種にはなかなか出合えない。


「コンポ・ホイールに手を入れればレースユーズにも十分対応できそうですね。」
以前、インプレを担当してくれたライダーの言葉が脳裏に蘇ってきた。インプレライダーの助言を素直に聞き入れたメタボ会長の選択は大正解ということになる。

試乗会に挑む編集部員。これもツライ業務の一環である。 by 編集部試乗会に挑む編集部員。これもツライ業務の一環である。 by 編集部 補助ブレーキレバーや25cタイヤのクッション性も相まって初級者には持って来いの味付けがされている。

生粋のロードレーサーに比べると若干起き気味になるポジションゆえシートにかかる荷重が増えるものの、キビキビと反応するフレームはまさにロードレーサーのそれであった。

試乗を終え、編集部に戻った私は倉庫へ直行。23cのタイヤを探していると倉庫の隅でホコリをかぶっているホイールセットに目が止まった。
とりあえずタイヤ交換だけと思っていたのだが、試乗時のイメージがムクムクと私の頭の中で膨らみ始めた。


「コンポ・ホイールに手を入れればレースユーズにも十分対応できそうですね。」
以前、インプレを担当してくれたライダーの言葉も頭を駆け巡る。
気がつけば会長の愛車が、軽量ホイールを身にまとった姿に変身していた。このビジュアルが編集部内では大好評。

軽量ホイールを装着したメタボ会長の愛車軽量ホイールを装着したメタボ会長の愛車

楽しんでるわけではない。これも業務の一環なのだ?(汗) by 編集部楽しんでるわけではない。これも業務の一環なのだ?(汗) by 編集部 たちまち試乗会が始まる始末だ。
「見た目だけじゃない本物のロードレーサーだよ。」
「フレームの良さが更に引き出されてる。」
「アルミフレームってこんなによかったっけ?」
編集部員からは賛辞の言葉しかでてこない。

「おいおい、君たちはいま勤務中じゃないのかい?」
そんなメタボ会長の言葉が聞こえてきそうな状況である。

確認がてらホームコースを1周してみた所、明らかに違う。
初期設定のホイールでも十分なのだが、メーカーさんとしては十分な耐久性を確保する責任からここまでの軽量ホイールの設定は厳しかったようだ。
(もっとも、価格面でもユーザーに厳しくなってしまう事情もあるだろう)

これでも業務の一環? 楽しんでるつもりは無いんですが。。(汗々)これでも業務の一環? 楽しんでるつもりは無いんですが。。(汗々) フレームの素性の良さとも相まって運動性があがり、ホビーレースレベルの性能を持つバイクに変身していた。
交換前に走ったホームコース1周に対して、今回は明らかに要する時間も短くなっている実感を持った。

これならメタボ会長も驚くに違いない。ひとりでニヤケ顔のまま編集部に戻るとジャストタイミングで会長から電話が掛かってきた。
「タイヤ細いのに変わったか?」

「大丈夫です!軽量ホイールとセットで交換済です。試乗の具合はかなりいい感じです!楽しみにしてください!」
朗らかにハイテンションで返答したところ

「あっそう。じゃまた今度行くわ。それより先週の案件だけど、明日までにあげてくれよ。ヨロシク。」

おいおい、お礼の一言もなし。ねぎらいの一言もなし。こっちは貴重な時間を費やしてアンタの要求に答えてたんだぞ。
それどころか明日までにって事は、今晩徹夜に決定じゃねーか!


いつも人の心をブチ壊すメタボ会長に対して、この人にだけはガッツリ厳しく指導して行こう!と固く心に誓う私だった。



次回は、続くかな?



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「ポイ捨て厳禁!携帯灰皿は持ってなきゃダメだぞ!」 by メタボ会長「ポイ捨て厳禁!携帯灰皿は持ってなきゃダメだぞ!」 by メタボ会長 (プロフィール)
メタボ会長
身長 172cm
体重 87kg
体脂肪率 27%


当サイト運営法人の代表取締役。
高校3年まで野球に明け暮れ、大学時代にオートバイのロードレースに夢中になり卒業後、メーカー系チームに所属し全日本選手権に3年間出場。鳴かず飛ばずで所属チームを解雇され、その後、着々と太り続ける典型的な中年体型オヤジ。
タバコは人生の栄養剤と豪語する根っからの愛煙家。