今年で34回目の歴史あるチャレンジサイクルロードレース大会が4月5日(日)、静岡県日本CSCで行われた。エリートクラスは愛三工業、BSアンカー、マトリックスがフルメンバーでの参戦。いっぽうシマノは2名で、各チームの戦い方が注目された。レースは愛三工業勢が主導権を握り、かつ1週間前の東京都ロード優勝のBSアンカー普久原も逃げる展開となった。

12周60kmのレースが始まる12周60kmのレースが始まる photo:Hideaki.TAKAGI
スタートラインに勢ぞろいするのは愛三工業レーシングチーム、チームブリヂストン・アンカー、マトリックスパワータグ・コラテックのフルメンバー。これだけ揃うのはシーズン中でも少ないこと。また、開催中のツアー・オブ・タイランドに多くのメンバーが出場しているシマノレーシングは鈴木真理、野寺秀徳の2名が参加。ベルギー遠征中のTEAM NIPPO-COLNAGOは真鍋和幸と村出真一郎が参加した。

コースはアップダウンオンリーの日本CSC5kmサーキット。ヒルクライマーが有利とも言えるが、鈴木真理や山本雅道(チームブリヂストン・アンカー)らスプリンターも展開によっては勝つチャンスがある。実際に鈴木真理はこのチャレンジロードで過去4回優勝している。

4周目、別府匠(愛三工業レーシングチーム)が単独逃げる4周目、別府匠(愛三工業レーシングチーム)が単独逃げる photo:Hideaki.TAKAGI
エリートのレースは12周60kmで105名によって行われた。1周目から各チームがアタックを掛け合い、7分50秒台のハイペースで進んでいく。2周目にややペースが落ち、大集団のまま経過する。3周目に別府と岩島啓太(なるしまフレンド)が逃げ、その後別府単独で後続に20秒差をつける。メイン集団からは数人単位で追走に出るが追いきれずに別府のリードは50秒にまで広がる。別府は06年大会で同様の展開で逃げ切り優勝しているだけに、集団はこれを放置しない。メイン集団から江本泰輔(なるしまフレンド)が単独で別府の追走に出る。7周目後半、ここまで4周以上を逃げていた別府が集団に吸収される。

6周目のメイン集団6周目のメイン集団 photo:Haruo.FUKUSHIMA
9周目の上りで鈴木真理がアタックして集団がばらける。先頭は綾部、品川真寛、鈴木謙一(以上愛三工業レーシングチーム)、山本、普久原、野寺、鈴木真理、江本の8人に。さらに10周目にはそこから野寺、綾部、普久原の3人が抜け出してメイン集団はペースを落とし、差は1分にまで広がる。一時は品川、鈴木謙一、松村光浩(愛三工業レーシングチーム)、鈴木真理、山本が20秒差にまで迫るがふたたび差が開く。

11周目、3人の逃げは続く11周目、3人の逃げは続く photo:Hideaki.TAKAGI
最終周回の12周目、逃げる3人と後方のメイン集団は約20人の態勢に。メイン集団はペースを上げて、秀峰亭の上りで小嶋洋介(DARK BLUE BIKERS)と伊藤翔吾(TEAM MASSA-FOCUS-OUTDOOR PRODUCTS)がメイン集団から抜け出す。先頭の3人はそのままゴールスプリントへ向かう。最終ストレートは綾部先行で野寺が付く。普久原は単独でスプリントへ。ゴールライン50m手前で野寺が綾部の背後から飛び出してライン上でかわす。野寺はチャレンジロード2度目の優勝を飾った。
後続は小嶋と伊藤を吸収してスプリントへ。山本をぎりぎりかわした鈴木真理が4位となった。

僅差で野寺秀徳(シマノレーシング)がゴールスプリントを制する、右は悔しがる綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)僅差で野寺秀徳(シマノレーシング)がゴールスプリントを制する、右は悔しがる綾部勇成(愛三工業レーシングチーム) photo:Hideaki.TAKAGI
レースは愛三工業がリードする展開だったが、シマノの2名がベテランらしくアタックを決めて最後も競り勝った。「不利な体制だったからこそ勝つための作戦を考えて実行した」と野寺が語るように実力に加えて経験の差が結果に結びついた。愛三工業は寸前で勝利を逃したが、チームワークで主導権を握り終始レースを支配したことが収穫だろう。BSアンカーは、今までアシストの場面の多かった普久原が、いよいよ勝ちを決める選手となったことが印象に残るものだった。クラブチームでは、なるしまフレンドが単独アタックを決めたり、チームマッサも10位前後に確実に入れるチームになっていることが目立った。

なお、登録・未登録全クラスレポート、優勝者および監督インタビューは追って掲載する。

シマノはたった2人でそれぞれスプリントを制したシマノはたった2人でそれぞれスプリントを制した photo:Hideaki.TAKAGI
結果 エリート 60km
1位 野寺秀徳(シマノレーシング) 1時間40分03秒25 (AVS 35.98km/h)
2位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム) +0秒05
3位 普久原奨(チームブリヂストン・アンカー)+0秒67
4位 鈴木真理 (シマノ レーシング) +15秒87
5位 山本雅道(チーム ブリヂストン・アンカー)+15秒94
6位 品川真寛(愛三工業レーシングチーム)+16秒17
7位 飯島誠(チームブリヂストン・アンカー) +16秒44
8位 辻善光(マトリックスパワータグ・コラテック)+17秒03
9位 米山一輝(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)+17秒11
10位 真鍋和幸(TEAM NIPPO-COLNAGO)+18秒27優勝を目前にして敗れた綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)。悔しさは隠せない優勝を目前にして敗れた綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)。悔しさは隠せない photo:Hideaki.TAKAGI
11位 向川尚樹(マトリックスパワータグ・コラテック)+18秒74
12位 岩島啓太(なるしまフレンド)+18秒85
13位 伊勢直人TEAM MASSA-FOCUS-OUTDOOR PRODUCTS)+18秒90
14位 山根理史(Comrade Giant)+21秒83
15位 西谷雅史(チームオーベスト)+22秒06

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