シクロワイアードでもいち早くお伝えしたが、発表されたばかりのBMC impecはユーロバイクの注目の的だ。ラグの部分を真っ赤に塗り分けた派手な外観とともに、会場でも目立つ存在のimpecは、スイス国内にカーボンフレーム工場を新設して専用のマシンを導入、すべて国内生産されるという常識外れのカーボンバイクだ。

BMC impec ハンドメイドbyマシーン(機械による手造り)というキャッチフレーズBMC impec ハンドメイドbyマシーン(機械による手造り)というキャッチフレーズ photo:Takashi.Kayaba
LSW製法によって作り出されたimpecのトップチューブは断面が六角形LSW製法によって作り出されたimpecのトップチューブは断面が六角形 photo:Takashi.Kayaba同社の特徴的なクロスロック・スケルトンデザインを受け継ぐ同社の特徴的なクロスロック・スケルトンデザインを受け継ぐ photo:Takashi.Kayaba


impecがなぜ常識はずれかというと、今の時代、中国や台湾、アジア方面に生産拠点を移してコストを下げることがカーボンバイクの生産においても主流となってきた。その流れに逆行するかのごとく、人件費の高いスイスで、新たにimpecやハイエンドモデル専門のカーボン工場「BlackBox(ブラックボックス)」を設立する投資を行ない、生産に入ったBMC。

カーボン+サーモプラスチックを使用したインジェクション成型ラグカーボン+サーモプラスチックを使用したインジェクション成型ラグ photo:Takashi.Kayabaダウンチューブ下部の断面形状ダウンチューブ下部の断面形状 photo:Takashi.Kayabaインジェクション(注入)成型して作られたシェルで、カーボンパイプを挟み込むインジェクション(注入)成型して作られたシェルで、カーボンパイプを挟み込む photo:Takashi.Kayaba


その願いはすべて最高の品質を追求するため。プロチームBMCレーシングチームを設立し、ツール・ド・フランス優勝という夢を追い求めるのと同時に、バイクにおいても世界最高を目指すBMCは、今もっとも真摯な姿勢のメーカーだと言えるだろう。テクノロジーについては、BMC impecスペシャルコンテンツを参照して欲しい。

インジェクション(注入)成型して作られたシェルで、カーボンパイプを挟み込むLSW製法を説明するディスプレイインジェクション(注入)成型して作られたシェルで、カーボンパイプを挟み込むLSW製法を説明するディスプレイ photo:Takashi.Kayabaimpecの構造が理解できるディスプレイimpecの構造が理解できるディスプレイ photo:Takashi.Kayaba



BMCはブースの1/3以上をこのimpecのPRスペースに割くほどの力の入れようで、来場者も話題のニューモデルに興味津々。サーモプラスティックカーボンラグ形式の斬新なモデルのテクノロジーに大いに感銘を受けていた。そしてこのimpecは、栄えあるユーロバイクアワード金賞を受賞した。

なおBMCオフィシャルサイトにはimpecの工場の製造工程を動画で紹介するファクトリーツアーMOVIEが公開されている。

巨大なBMCブース 赤と黒がコーポレートカラーだ巨大なBMCブース 赤と黒がコーポレートカラーだ photo:Takashi.Kayaba


photo&report:takashi.Kayaba
edit:Makoto.AYANO