今年からブエルタ・ア・エスパーニャの各賞ジャージデザインが大幅に変更された。総合トップの証であるリーダージャージは金色から赤色へ。それに伴って山岳賞ジャージが赤色から青い水玉模様に変更されている。

マイヨ・ロホ(個人総合時間賞)

昨年総合優勝を果たしたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)昨年総合優勝を果たしたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ) photo:Unipublicブエルタ・ア・エスパーニャ最高の栄誉、それがレッドジャージを意味するマイヨ・ロホだ。昨年まで金色のマイヨ・オロが採用されていたが、今年からスペインのナショナルカラーである赤色に変更された。これはツール主催者ASOがブエルタ主催者Unipublicに資本参入を開始したことが影響しており、色彩的に似たマイヨ・ジョーヌと区別する意味合いがある。ジャージスポンサーはスペイン産業観光商務省の省エネルギー推進プロジェクト「アオーラ・エネルジア」。

ツールのマイヨ・ジョーヌ、ジロのマリア・ローザにあたる個人総合成績のリーダージャージであり、毎日のステージ成績を積算し、その最も少ない選手が翌日のステージでマイヨ・ロホを着る。つまり最終日にマイヨ・ロホを着る選手がブエルタ総合優勝の栄冠に輝く。

個人TTを除き、ステージ上位3名(1位20秒、2位12秒、3位8秒)と中間スプリントポイント上位3名(1位6秒、2位4秒、3位2秒)にボーナスタイムが与えられるため、序盤の平坦ステージではこのボーナスタイムによるマイヨ・ロホ争いが繰り広げられるだろう。


マイヨ・プントス(ポイント賞)

昨年ポイント賞を獲得したアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)昨年ポイント賞を獲得したアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア) photo:Unipublicプントスはスペイン語でポイントの意味。主にスプリンターを対象にしたポイント賞ジャージだ。ステージ上位15名と、中間スプリントポイント上位3名に与えられるポイントの積算により争われる。デザインは昨年ツールと同じ緑色に変更された。ジャージスポンサーは代替エネルギー開発プロジェクト「カウアルナ」。

獲得ポイントはステージ1位で25ポイント、2位20ポイント、3位16ポイント・・・15位1ポイント。中間スプリントポイントでは1位4ポイント、2位2ポイント、3位1ポイント。どれだけスプリント勝利を量産したとしても、マドリードまで辿り着けなければポイント賞獲得は無い。

マイヨ・モンターニャ(山岳賞)

昨年山岳賞に輝いたダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス)昨年山岳賞に輝いたダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス) photo:Unipublicモンターニャはスペイン語でマウンテンの意味。山岳の頂上通過順位に基づいて与えられるポイントの積算で争われる。今年デザインが赤色から青い水玉模様に変更された。ジャージスポンサーは暖房機メーカーのファルオ社。グランツール随一の難易度を誇るブエルタの山岳で、最強クライマーとしての称号を得るのは果たして誰か。有力クライマーを多く輩出するスペインだけに、山岳賞争いのレベルは高い。

獲得ポイントは、大会最高地点であるボラ・デル・ムンド先頭通過で20ポイント、頂上ゴール先頭通過で15ポイント、1級山岳10ポイント、2級山岳5ポイント、3級山岳3ポイント。低難易度の山岳でポイントをコツコツ積算しても、超級山岳で一気に逆転される可能性が高い。特に難易度の高い山岳で総合争いが加熱するため、狙わずとも総合上位の選手が山岳賞トップに立つ可能性は高い。

マイヨ・コンビナーダ(複合賞)

昨年コンビナーダ(複合賞)トップに輝いたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)昨年コンビナーダ(複合賞)トップに輝いたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ) photo:Unipublicコンビナーダはスペイン語でコンビネーションの意味。つまり複合賞ジャージだ。デザインは白色で、ジャージスポンサーは肥料メーカーのフェルティベリア社。総合順位とポイント賞順位、山岳賞順位の3つを合計し、その最も少ない選手が複合賞に輝く。山岳やスプリント、タイムトライアルでコンスタントに上位を狙えるオールマイティーな選手が対象で、近年では6年連続で総合優勝者がこの複合賞を獲得している。

以前はツールやジロでも採用されていた賞だが、現在は新人賞に取って代わられている。つまり現在グランツールで複合賞を採用しているのはブエルタのみ。

(各ジャージ写真は昨年の受賞者。今年のジャージデザインとは異なります)

text:Kei Tsuji

最新ニュース(全ジャンル)