2024年のJプロツアーが鹿児島県で開幕。第1戦の「鹿屋・肝付ロードレース」は、終盤に全ての逃げが吸収されてのスプリント勝負となり、岡本隼(愛三工業レーシングチーム)が優勝。昨年に続き開幕戦での勝利を挙げた。



桜並木の前を行くメイン集団 つぼみはまだ小さい photo:Satoru Kato

2024年Jプロツアーの開幕戦は、昨年に続き鹿児島県での開催となった。第1戦「鹿屋・肝付ロードレース」は、大隅広域公園をスタート・フィニッシュとし、鹿屋市と肝付町にまたがる公園周辺の公道に設定された1周6.5kmのコースで行われる。昨年とは逆方向の周回となり、登りが短くなって斜度がきつくなったとは言え、下りのスピードを活かして走れば消耗が少なく、集団がバラけにくいコースの性格はそのままだ。

コースサイドから小さな応援(写真のレースはE1) photo:Satoru Kato

Jプロツアー開幕戦は17チームがスタート photo:Satoru Kato

開幕戦のスタートラインに揃ったのは、今年Jプロツアーに登録する22チームのうち17チーム(宇都宮ブリッツェン、さいたま那須サンブレイブ、レバンテフジ静岡、弱虫ペダルサイクリングチーム、京都産業大学ら5チームはエントリーせず)。冬に戻ったかのような寒さの中、105名がスタートした。

序盤からアタック合戦が続く photo:Satoru Kato

前半は10名ほどの集団が先行するもすぐに吸収される展開 photo:Satoru Kato

レース序盤に飛び出した島野翔太(イナーメ信濃山形)と阿部嵩之(ヴェロリアン松山) photo:Satoru Kato

序盤からアタックが繰り返され、集団が割れるような場面もあったものの、その都度後続が追いついて逃げが容認されない展開が続く。5周目には島野翔太(イナーメ信濃山形)と阿部嵩之(ヴェロリアン松山)の2名が飛び出して30秒ほど差をつけるものの長続きしない。

レース中盤に先行した10名の集団 photo:Satoru Kato

レース後半を前に10名の集団が先行すると、差は一気に1分以上まで開く。メンバーは以下の通り。

中井唯晶(シマノレーシング)、畑中勇介(キナンレーシングチーム)、河野翔輝(チームブリヂストンサイクリング)、小林海、織田聖、アグロティス・アレクサンドロス(以上マトリックスパワータグ)、石上優大(愛三工業レーシングチーム)、渡邉和貴(アヴニールサイクリング山梨)、新開隆人(ヴェロリアン松山)、柴田雅之(ヴィクトワール広島)。

中盤以降チームサイクラーズスネルが中心となってメイン集団をコントロール photo:Satoru Kato

終盤、8名になった先頭集団 photo:Satoru Kato

メイン集団は、チームサイクラーズスネルが中心となってコントロール。1分〜1分30秒未満の差を維持して周回が進んでいく。

終盤に差し掛かると、先頭集団から柴田、新開が遅れて8名になる。残り5周を切るとメイン集団のコントロールはキナンレーシングチームに代わり、先頭集団との差を一気に30秒差まで縮める。

小林海(マトリックスパワータグ)の先行で先頭集団は崩壊 photo:Satoru Kato

逃げる小林海(マトリックスパワータグ)と草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)に集団が迫る photo:Satoru Kato

この動きを嫌ってか、先頭集団から小林海(マトリックスパワータグ)が先行。この動きをきっかけに先頭集団は崩壊。単独先行する小林にメイン集団から草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)が追いつき、ふたりで18周目に入っていく。しかし追うメイン集団との差はみるみる縮まり、最終周回を前に吸収。集団はひとつとなってフィニッシュへ向かう。

残り100m、フィニッシュへの登りスプリントで前に出てくる岡本隼(愛三工業レーシングチーム) photo:Satoru Kato

大会2連覇をアピールしてフィニッシュする岡本隼(愛三工業レーシングチーム) photo:Satoru Kato

残り100m、フィニッシュへの登りに先頭で現れたのは岡本隼(愛三工業レーシングチーム)。「直前まで草場(啓吾)がアシストしてくれたので、踏み切るつもりで行った」と言う通り、2位以下との差を広げてフィニッシュ。昨年に続く大会2連覇を示すVサインを左手で高々と掲げ、優勝を決めた。

2位争いは小野寺玲(ヴィクトワール広島)、3位は宇田川塁(群馬グリフィンレーシングチーム)となった。
Jプロツアー2024 第1戦 鹿屋・肝付ロードレース 結果(130km)
1位 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム) 2時間59分30秒
2位 小野寺玲(ヴィクトワール広島) +1秒
3位 宇田川塁(群馬グリフィンレーシングチーム) +1秒
4位 石原悠希(シマノレーシング) +1秒
5位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) +2秒
6位 山本哲央(TEAM BRIDGESTONE Cycling) +2秒
Jプロツアーリーダー 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム)
U23リーダー 宇田川塁(群馬グリフィンレーシングチーム)

中間スプリント賞
4周回完了時 孫崎大樹(KINAN Racing Team)
14周回完了時 畑中勇介(KINAN Racing Team)

敢闘賞 小林 海(マトリックスパワータグ)



F(女子)優勝 木下友梨菜(Bellmare Racing Team) photo:Satoru Kato

E1優勝 photo:Satoru Kato
E2/E3優勝 中尾 涼介(松山学院高校) photo:Satoru Kato


Y1優勝 大谷正太(OUTDOORLIFE Racing) photo:Satoru Kato
マスターズ優勝 井上健志(チームGINRIN熊本) photo:Satoru Kato



text&photo:Satoru Kato