1月16日、南半球に位置するオーストラリアを舞台としたサントス・ツアー・ダウンアンダーが開幕。初日は集団スプリントに持ち込まれ、ファンポッペルの好リードアウトを受けたサム・ウェルスフォード(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)が勝利した。



2024年ワールドツアーの初戦であるサントス・ツアー・ダウンアンダーが開幕 photo:CorVos

2024年のロードシーズンも例年通り、オーストラリア・アデレードで開幕する。真夏のサントス・ツアー・ダウンアンダー全6ステージのコース詳細や注目選手はレースプレビューに詳しいが、レース主催者は5日目にウィランガヒル、そして最終6日目にマウント・ロフティと2日連続で山岳フィニッシュを用意。そのため近年稀に見るタフなコースで争われることとなった。

大会初日はタヌンダを発着地点とする48kmコースを3周する144km。コースの大部分は平坦路であるものの、後半には最大勾配14.4%の短い急坂メングラースヒルが登場する。しかしスプリンターを退けるほどではないため、昨年の第1ステージと同様に集団スプリントが濃厚と見られた。

ゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・ワンティ)とルイ・バレ(フランス、アルケアB&Bホテルズ)が逃げを形成する photo:CorVos

アクチュアルスタートの旗が振られた直後に飛び出したのは、ド派手なアメリカ王者ジャージを着るクイン・シモンズ(リドル・トレック)。それにゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・ワンティ)などが追従したものの、逃げ形成に繋がらず、一つの集団のまま訪れた最初のボーナスタイムつき中間スプリントをフィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ)がトップ通過。-3秒を獲得した22歳の若きオールラウンダーがチームの総合エースであることを主張した。

直後に飛び出したツィマーマンとルイ・バレ(フランス、アルケアB&Bホテルズ)による2名の逃げが決まり、レースはようやく落ち着きを見せる。4級山岳メングラースヒルではバレが先頭通過して山岳賞ジャージの権利を獲得し、2つ目の中間スプリントはツィマーマンがトップで通過。イスラエル・プレミアテックなどがコントロールするメイン集団に対し、先頭の2人は最大3分のリードを得た。

大会初日は最大34度まで気温が上がった photo:CorVos

10年振りに出場したジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)とオーストラリア王者ルーク・プラップ(ジェイコ・アルウラー) photo:CorVos

最大気温34度に達するレースは、オーストラリアのU23タイムトライアル王者ジャクソン・ミッドウェイ(チームブリッジレーン)やニコロ・ブラッティ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)の落車もありながら順調の距離を消化。そして集団スプリントに向けてスピードを増すプロトンは逃げの2人を捕まえ、下りで最高時速85kmをマークしながら選手たちが最終ストレートになだれ込んだ。

集団先頭でトレインを組んだのはボーラ・ハンスグローエ。ベン・ツィーホフ(ドイツ)とリードアウト職人のダニー・ファンポッペル(オランダ)による連携から、地元オーストラリア出身の新エース、サム・ウェルスフォードがスプリントを開始する。

コース左側のフェンス沿いでもがくウェルスフォードに対し、コース中央からカレブ・ユアン(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)が加速。その更に右側からフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)、そしてビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ)も猛追したが、好位置から発射したウェルスフォードには届かない。そしてフィニッシュラインに先頭で到達したウェルスフォードが勝利の雄叫びを上げた。

スプリント勝利したサム・ウェルスフォード(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)と後方で喜ぶダニー・ファンポッペル(オランダ) photo:CorVos

地元オーストラリアで初日勝利を掴んだサム・ウェルスフォード(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

「嬉しすぎて言葉がない。危うく落車するような瞬間もあったが、チームメイトが僕に落ち着きを与え、素晴らしいアシストをしてくれた。彼らと走った最初のレースでの勝利。特別な気持ちがするよ」とウェルスフォードは喜んだ。

2位には昨年大会の第1ステージを制したバウハウスが入り、フィニッシュ手前で猛追を見せたギルマイが3位。高い気温が続くオーストラリアでのトレーニングで体調を崩し、3日前のダウンアンダー・クラシックを欠場したユアンはスピードが伸びず4位だった。
サントス・ツアー・ダウンアンダー2024第1ステージ
1位 サム・ウェルスフォード(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) 3:25:56
2位 フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)
3位 ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ)
4位 カレブ・ユアン(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)
5位 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)
6位 マックス・カンター(ドイツ、アスタナ・カザフスタン)
7位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)
8位 コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)
9位 マディス・ミケルス(エストニア、アンテルマルシェ・ワンティ)
10位 マティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック)
個人総合成績
1位 サム・ウェルスフォード(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) 3:25:56
2位 フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:04
3位 ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) +0:06
4位 コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) +0:07
5位 ゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・ワンティ)
6位 フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ)
7位 ルイ・バレ(フランス、アルケアB&Bホテルズ) +0:08
8位 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) +0:09
9位 カレブ・ユアン(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) +0:10
10位 マックス・カンター(ドイツ、アスタナ・カザフスタン)
その他の特別賞
ポイント賞 サム・ウェルスフォード(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)
山岳賞 ルイ・バレ(フランス、アルケアB&Bホテルズ)
ヤングライダー賞 マディス・ミケルス(エストニア、アンテルマルシェ・ワンティ)
チーム総合成績 アンテルマルシェ・ワンティ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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