ピナレロがエンデュランスラインナップの最高峰モデルとなるDOGMA X、そして弟分のXシリーズX9/X7/X5を発表。奇抜なリアステーを持つ「レースを想定しない最高峰モデル」を現地イタリア・トレヴィーゾからお伝えします。



ピナレロ DOGMA X (c)ピナレロ

グローバル発表会の舞台となったのは、ピナレロのお膝元である北イタリアはヴェネト州のトレヴィーゾ。美しい城壁が残る旧市街地に用意されたプレゼンテーション会場で、同社エンデュランスモデルのフラッグシップとなるDOGMA X、そして弟分のXシリーズ(X9/X7/X5)が華々しくベールを脱いだ。

ピナレロファンならご存知の通り、今年1月に刷新されたばかりの同社ロードラインナップだが、エンデュランスモデルであるXシリーズにはエントリーモデルのX3/X1が用意されていたのみ。今回のニューモデルはその穴をトップエンドまで埋めるものであり、「F」と「X」からなるピナレロのロードラインナップが遂に完成することとなった。

X状のブリッジと2点で接続されるシートステーが快適性を担う (c)ピナレロ

発表されたDOGMA X、そしてXシリーズはイネオス・グレナディアーズが駆るDOGMA Fをベースにした近代ピナレロらしい基本設計を引き継いでいるが、最たる違いはなんと言ってもリアステー集合部だ。Y字に分かれたシートステー「X-STAYS」によって可能な限りシートステー全体を細くし、快適性を増すように設計が行われた。

ピナレロ首脳陣によれば、この目を引くデザインは快適性のみならず、「重量増や横剛性の損失なく快適性を担保し、ペダリングに対する素早い反応性を兼ね備えた」もの。DOGMA Xには「X」状のブリッジが与えられているが、より快適性を重視するX9以下にはブリッジのない「FLEXI STAYS 2.0 」が与えられ縦方向の柔軟性向上を狙っている。

ONDAフォークなどフロントセクションはレース系のFと似ている (c)ピナレロ
非常に細いシートステーによって衝撃吸収性を向上させている (c)ピナレロ



どちらもワイドチューブレスタイヤ&ホイールシステムを前提としており、最大35mm幅のタイヤを飲み込むクリアランスをもつ。未舗装路も範疇に収めているものの、あくまでグラベルロードではなく、ピナレロらしいハイパフォーマンスと快適性を組み合わせたエンデュランスロードとしての命が吹き込まれている。

DOGMA Xは53サイズのフレームの場合、リーチはDOGMA Fに対して-3.9mm、スタックは+15.4mmと、先んじて登場していたX1/X3よりもアグレッシブなジオメトリーを採用。一方でX9/X7/X5はより長時間ライドの快適性を求めたジオメトリーを採用している。

ピナレロ DOGMA X(XOLAR SUN) (c)ピナレロ
ピナレロ DOGMA X(XOLAR GREEN) (c)ピナレロ


ピナレロ DOGMA X(XOLAR BLUE) (c)ピナレロ
ピナレロ DOGMA X(XOLAR BLACK) (c)ピナレロ



DOGMA Xは東レのトレカT1100 1Kを採用し、53サイズでフレーム950g/フォーク400g。T900カーボンを使うX9とX7はフレーム960g/フォーク400g、T700カーボンを使うX5はフレーム990g/フォーク400gという重量値だ。

国内ラインナップはフレームセットでの販売で、XOLAR SUN、XOLAR BLUE、XOLAR BLACK、XOLAR GREENの4カラーが揃う。11月頃よりデリバリーが開始される模様。X9/X7/X5の販売内容や時期については追って発表される予定だ。

シクロワイアードは本国イタリアでのプレゼンテーションを取材。追って開発者インタビューを交えながらのテクノロジー詳細解説や、インプレッション、ピナレロ本社訪問などをレポートしていきます。

イタリアでテストしたインプレッションは後日特集記事でお届けします (c)ピナレロ

ピナレロ DOGMA X photo:So Isobe



ピナレロ DOGMA X フレームセット
メインマテリアル:Carbon Torayca T1100 1K
ボトムブラケット:イタリアンスレッド
ブレーキシステム:Rad Systemディスクブレーキ(フラットマウント)
アクスル:フロント/100x12TA、リア/142x12TA
ローター最大径:160mm
最大タイヤサイズ:700x35c
カラー:XOLAR SUN / E200、XOLAR BLUE / E201、XOLAR BLACK / E2012、XOLAR GREEN / E203
価格:1,100,000円(税込)

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