伊豆ベロドロームで開催されている全日本選手権トラック3日目。激戦となった男子オムニアムは松田祥位(チームブリヂストンサイクリング)が最終種目で逆転し初制覇を決めた。女子マディソンとスクラッチは梶原悠未(TEAM Yumi)が制して今大会四冠達成。パラサイクリング女子500mタイムトライアルでは杉浦佳子(TEAM EMMA Cycling/総合メディカル)が大会記録を更新して優勝した。



伊豆ベロドロームの250m板張りバンク photo:Satoru Kato

全日本選手権トラック3日目は、男子オムニアム、女子マディソン、女子スクラッチ、男女ケイリン、パラサイクリングの女子500mタイムトライアルと男子1kmタイムトライアルが行われた。

雨の日曜日にも関わらず、観戦ツアーを利用して多くの観客が会場に詰めかけ、日本一決定戦を見守った。

大会3日目は日曜日の開催で観客多め photo:Satoru Kato



男子オムニアム

男子オムニアム・スクラッチは兒島直樹が1位 photo:Satoru Kato
男子オムニアム エリミネイションで今村駿介を下して1位となった橋本英也 photo:Satoru Kato


4種目の総合成績を争うオムニアム。スクラッチは兒島直樹、テンポレースは松田祥位、エリミネイションは橋本英也が、それぞれ1位となる。橋本をポイントリーダーに迎えた最終種目のポイントレースは、ラップ(集団を周回遅れにする逃げを決めること)の応酬となる激しい展開となった。

男子オムニアム 佐藤健(Team SSP/愛三工業)がチームブリヂストンサイクリング主導のレースで孤軍奮闘 photo:Satoru Kato

男子オムニアム ポイントレース リーダーの兒島直樹に続く松田祥位 photo:Satoru Kato

序盤に佐藤健(Team SSP/愛三工業)、河野翔輝(チームブリヂストンサイクリング)、四宮寛人(京都産業大学)がラップ。佐藤はその直後にもう一度ラップを成功させて一気にポイントリーダーに躍り出る。これをきっかけにチームブリヂストンサイクリングの兒島、松田、窪木一茂、山本哲夫らが次々と飛び出してラップ。ポイントレースに出走した17名のうち6名が2回ラップを獲るという国内レースでは稀に見る展開となった。

レース最終盤、149ポイントで首位の兒島と、145ポイントで2位の松田がフィニッシュへ。松田が1位10ポイント、兒島が2位6ポイントを獲得し、155ポイントの同点で並んだ。同点の場合は最終着順が上位の選手が優勝となるため、松田が逆転でオムニアム初制覇を決めた。

男子オムニアム 表彰式 photo:Satoru Kato




女子マディソン、スクラッチ

女子マディソン 梶原悠未と池田瑞紀のTEAM Yumi&Mizuki photo:Satoru Kato
女子マディソン 垣田真穂と内野艶和のチーム楽天Kドリームス photo:Satoru Kato


女子マディソン ポイント周回で競り合う梶原悠未と垣田真穂 photo:Satoru Kato

女子マディソンは梶原悠未と池田瑞紀のTEAM Yumi&Mizukiと、内野艶和と垣田真穂のチーム楽天Kドリームスの勝負となった。梶原と垣田がポイント周回ごとにスプリントで競り合うも、梶原が着実に1位通過を繰り返して優勝を決めた。梶原はスクラッチでも優勝し、今大会四冠を達成。最終日のポイントレースで五冠を狙う。

女子マディソン 表彰式 photo:Satoru Kato


女子ジュニア・スクラッチ 水谷彩奈(松山学院高等学校)が優勝 photo:Satoru Kato
女子ジュニア・スクラッチ 表彰式 photo:Satoru Kato


女子ジュニアのスクラッチは、レース中盤に単独先行した岡本美咲(北桑田高校)に水谷彩奈(松山学院高等学校)が追いつき、2人の勝負を水谷が制して優勝した。



ケイリン

男子エリート・ケイリン決勝 太田海也(チーム楽天Kドリームス)が2位以下との差を広げてフィニッシュ photo:Satoru Kato

女子エリート・ケイリン決勝 佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス)が優勝 photo:Satoru Kato

男子エリートは太田海也(チーム楽天Kドリームス)が2位以下に大差をつけて優勝。チームスプリント、スプリントとあわせて三冠を達成した。女子は佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス)が、太田りゆ(チームブリヂストンサイクリング)、梅川風子(チーム楽天Kドリームス)らを下して優勝。前日のスプリントに続き2枚目のチャンピオンジャージを獲得。同種目でネイションズカップ優勝の力を見せた。

男子エリート・ケイリン表彰式 photo:Satoru Kato
女子エリート・ケイリン 表彰式 photo:Satoru Kato


男子ジュニア・ケイリン決勝 丸山留依(静岡北高校)が優勝 photo:Satoru Kato
女子ジュニア・ケイリン 北岡マリア(内灘高等学校)が優勝 photo:Satoru Kato





パラサイクリング

パラサイクリング500mTT 杉浦佳子(TEAM EMMA Cycling/総合メディカル)が大会記録を更新して優勝 photo:Satoru Kato

パラサイクリングの女子500mタイムトライアルは、東京パラリンピック金メダリストの杉浦佳子(TEAM EMMA Cycling/総合メディカル)が、昨年大会で更新した大会記録をさらに更新して優勝した。最終日の個人パーシュートに二冠がかかる。

パラサイクリング1kmTT MC2-3優勝 川本翔太(大和産業株式会社) photo:Satoru Kato
パラサイクリング1kmTT MC5優勝 亀田琉斗 photo:Satoru Kato


パラサイクリング1kmTT MB優勝木村和平(楽天ソシオビジネス株式会社)三浦生誠(日本大学・パイロット) photo:Satoru Kato

男子オムニアム 結果
Sc Te El Po
1位 松田祥位(チームブリヂストンサイクリング) 24 40 32 59 155
2位 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング) 40 36 14 65 155
3位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) 26 38 36 45 145
4位 橋本英也(チームブリヂストンサイクリング) 38 34 40 23 135
5位 佐藤 健(Team SSP/愛三工業) 22 28 26 56 132
6位 岡本勝哉(チームブリヂストンサイクリング) 30 30 34 27 127
女子マディソン 結果
1位 TEAM Yumi&Mizuki(梶原、池田) 38p
2位 チーム楽天Kドリームス(垣田、内野) 33p
3位 BICICLETTA DI MARU(清水、五味田) DNF
スクラッチ 結果(10km)
エリート
1位 梶原悠未(TEAM Yumi) 13分4秒17
2位 垣田真穂(チーム楽天Kドリームス/早稲田大学)
3位 内野艶和(チーム楽天Kドリームス)
4位 池田瑞紀(チーム楽天Kドリームス/早稲田大学)
5位 古山稀絵(チーム楽天Kドリームス)
ジュニア
1位 水谷彩奈(松山学院高等学校) 10分15秒
2位 岡本美咲(北桑田高校)
3位 室谷榎音(青森商業高校)
4位 西山ひなた(京都精華学園高校)
5位 淵 稟碧(別府翔青高校)
6位 北中成実(倉吉西高校)
ケイリン 結果
男子エリート 女子エリート
1位 太田海也(チーム楽天Kドリームス) 佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス)
2位 中野慎詞(チーム楽天Kドリームス) 太田りゆ(チームブリヂストンサイクリング)
3位 新山響平(チームブリヂストンサイクリング) 梅川風子(チーム楽天Kドリームス)
4位 寺崎浩平(チーム楽天Kドリームス) 久米 詩(JPCA)
5位 脇本雄太(チームブリヂストンサイクリング) 小原乃亜(八戸学院大学)
6位 三神遼矢(日本大学) 中村友紀子(京浜ピストクラブ)
男子ジュニア 女子ジュニア
1位 丸山留依(静岡北高校) 北岡マリア(内灘高等学校)
2位 福田悠航(学校法人石川高等学校) 水谷彩奈(松山学院高等学校)
3位 大塚 城(静岡星陵高校) 西山ひなた(京都精華学園高校)
4位 松岡勇斗(松山学院高等学校) 松崎光優(松山学院高等学校)
5位 山下翔太郎(石川県立内灘高等学校) 相見涼花(倉吉西高校)
6位 齊藤 萌(別府翔青高校)
パラサイクリング女子500mタイムトライアル 結果
タイム 係数タイム
1位 杉浦佳子(TEAM EMMA Cycling/総合メディカル) 39秒600 39秒600(大会新)
2位 藤井美穂(楽天ソシオビジネス株式会社) 46秒170 42秒684
3位 中道穂香(テレビ愛媛) 54秒670 50秒542
パラサイクリング1kmタイムトライアル 結果
MC2-3 タイム 係数タイム
1位 川本翔太(大和産業株式会社) 1分12秒831 1分8秒432(大会新)
2位藤田征樹(藤建設株式会社) 1分13秒819 1分13秒819
MC5 タイム
1位 亀田琉斗 1分18秒056
2位 福冨伸彦(NTT東日本/NTI) 1分19秒882
3位 沼野康仁(usp lab.VC SPLENDOR) 1分25秒886
MB
1位 木村和平(楽天ソシオビジネス株式会社)三浦生誠(日本大学・パイロット) 1分3秒721


text&photo:Satoru Kato

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