スペシャライズドが展開するロヴァールから、2種類の新型クリンチャーホイールが登場。51/60mmリムハイトで1,400gをマークするオールラウンドモデル"Rapide CLX"と、1,248gというブランド史上最軽量のクライミングモデル"Alpinist CLX"だ。



ロヴァール Rapide CLXロヴァール Rapide CLX (c)スペシャライズド
ドゥクーニンク・クイックステップやボーラ・ハンスグローエら、ワールドツアーでも大きな存在感を放つ2つのトップチームの足元を支えるロヴァール。彼らの活躍を通して、その性能の高さを全世界へ知らしめ続けてきたレーシングブランドが完全新作となる2つのホイールを発表した。

一つは、エアロかつ軽量でどんなシーンでも活躍する万能モデル"Rapide CLX"。そしてもう一つが軽さを追求するヒルクライマーへ向けた超軽量モデル"Alpinist CLX"。これまで、ロード用フラグシップとして展開してきたCLXシリーズは24mmから64mmまで4種類のリムハイトを用意してきたが、今後はAlpinist CLX、Rapide CLX、そしてCLX50の3種類に統一される。



目指したのは"世界最速のオールラウンドホイール" Rapide CLX

ロヴァール Rapide CLXロヴァール Rapide CLX (c)スペシャライズド
世界選手権のTT種目でメダルを量産したCLX64、アラフィリップのマイヨアポアを支えたCLX34。それぞれが有する優れたエアロ性能と軽量性を高次元で融合することが出来れば、どんなコース、どんなライダーにとってもベストな"世界でもっとも速いオールラウンドホイール"が完成するはず。そんな見果てぬ夢を追い求めたスペシャライズドが生み出したのが、Rapide CLXだ。

高い登坂性能、低い空気抵抗値、突風にも揺るがない安定感。スペシャライズドは、相反するとされてきたこれらの要素をRapide CLXに全て詰め込んだ。それらを実現するため、Rapide CLXは前後で全く異なるリムプロファイルを与えられている。

Rapide CLXのリムプロファイル 前後で異なる役割を果たすための設計だRapide CLXのリムプロファイル 前後で異なる役割を果たすための設計だ (c)スペシャライズド
フロントは51mmハイトで外幅35mm、リアは60mmハイトで外幅30mm。数値で見ても大きく違うが、断面図を比較するとその印象は更に強くなる。特徴的な極太のフロントリムが目指したのは、横風に対する安定性だ。

ディープリムホイールの弱点として、横風に対して不安定であることが挙げられる。最悪の場合は落車を引き起こす原因ともなるが、そこまでの影響が無くとも突風によって車体がぐらつくだけで、大きく失速してしまう。スペシャライズドの分析によれば人間の反応時間は早くなく、突風が吹き終わった後にバイクの挙動を修正してしまうため必ずスピードをロスしてしまうのだという。

RAPIDE CLX 前後輪でリムプロファイルは大きく異なる(左:フロント 右:リア)RAPIDE CLX 前後輪でリムプロファイルは大きく異なる(左:フロント 右:リア) (c)スペシャライズド
この分析結果を活かし、フロントのリムハイトはリアよりも低くされ、更に幅広のリムプロファイルによって空気抵抗の削減と横風に対する安定性を両立した。結果として、Rapide CLXはCLX50より25%も優れたスタビリティを実現したと、スペシャライズドは主張する。

一方、横風の影響が少ないリアホイールは、空気抵抗の低減を最優先課題とし、よりディープでナローなリムプロファイルとされている。結果、Rapide CLXは平均的な65mmハイトのエアロホイールよりも優れたエアロダイナミクスを実現したという。

空力性能を追求したAERO FLUNGEハブ 新型のDTスイスEXPフリーを採用する空力性能を追求したAERO FLUNGEハブ 新型のDTスイスEXPフリーを採用する (c)スペシャライズド
それほどのエアロ性能を有していながらも、重量面でも妥協は無い。フロント649g、リア751g、合計1,400gというスペックは、50mm超のクリンチャーホイールとして軽量モデルと呼んでも差し支えない。

この重量を実現するために、スペシャライズドはRapide CLXをクリンチャーホイールとして開発した。チューブレスレディがトレンドとなり、自身も対応タイヤをリリースしている中であえてチューブド専用としたのは、チューブレスに対応するために増加する重量とチューブレスタイヤによるメリットが釣り合っていないからだという。

"世界最速のオールラウンドホイール" Rapide CLX (c)スペシャライズド
回転部には、DTスイスのEXPフリーハブを組み込んだ新型Aero Flangeハブを採用している。可動するスターラチェットを1つとすることで、重量と空転時の抵抗を削減。幅広のフランジはエアロダイナミクスに優れたデザインが与えられ、Rapide CLXの速さを支えている。

ロヴァール Rapide CLX
リム方式:クリンチャー
リムハイト:51mm/60mm(F/R)
リム外幅:35mm/30mm(F/R)
リム内幅:21mm
重量:649g/751g(F/R)
スポーク:18本/24本(F/R)
カラー:Satin carbon/Gross Black、Satin carbon/White
税抜価格:120,000円/170,000円(F/R)



ロヴァール史上最軽量のクリンチャーホイール "Alpinist CLX”

ロヴァール Alpinist CLXロヴァール Alpinist CLX (c)スペシャライズド
ラルプデュエズ、ゾンコラン、モルティローロ。まさに勝負の分かれ目とも言える山岳ステージで、多くの名選手たちが相棒に選ぶのが超軽量ホイールだ。軽量性にプライオリティを置くヒルクライマー達のために、スペシャライズドが用意したのがAlpinist CLX。ロヴァールがこれまで送り出してきたクリンチャーモデルの中で、最も軽い"1,248g"をマークするヒルクライムモデルである。

ロヴァール史上最軽量のクリンチャ―ホイール ロヴァール史上最軽量のクリンチャ―ホイール "Alpinist CLX” (c)スペシャライズド
この重量を実現するために、スペシャライズドが採ったアプローチはホイール全体を一つのシステムとして開発するというもの。例えば、スポークパターンやニップルの仕様が決まれば、リムとスポークの交わる角度が導き出せる。その角度でニップル径に合わせた穴をリムに空ければ、発生する応力を最小限に抑えることができるため、不要な素材を省きつつ耐久性も高めることができる。更に、Rapide CLXと同様にチューブド専用ホイールとして開発されていることも、優れた軽量性の一因だ。

そして、風洞実験によって磨き上げられた33mmハイト・内幅21mmというリムプロファイルは、よりディープなエアロリムよりも優れた空力性能を発揮する。エアロかつ超軽量に仕上げられたAlpinist CLXは、峠へ挑むサイクリストにとってベストな選択肢の一つとなるだろう。

過酷なレースで真価を発揮するレーシングホイールだ過酷なレースで真価を発揮するレーシングホイールだ (c)スペシャライズド
スペシャライズドが送り出す新たな2つのレーシングホイール。どちらもディスクブレーキモデルのみの展開となり、ローター台座はセンターロック方式。制限体重は2モデルとも109kgとなる。価格はRapide CLX、Alpinist CLX共にフロントが120,000円、リアが170,000円(ともに税抜)となっている。

ロヴァール Alpinist CLX
リム方式:クリンチャー
リムハイト:33mm
リム内幅:21mm
重量:562g/686g(F/R)
スポーク:18本/24本(F/R)
カラー:Satin carbon/Gross Black、Satin carbon/White
税抜価格:120,000円/170,000円(F/R)


同じ製品カテゴリーの記事