「出場したいレースが全て揃っていて嬉しい。レースが待ちきれない」と話すのは女子世界王者アネミエク・ファンフルーテン(オランダ)。ミッチェルトン・スコットの女子チームがUCIの新カレンダーについてコメントを発表した。



今季1参戦1勝利を挙げているアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)今季1参戦1勝利を挙げているアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) photo:CorVos
ミッチェルトン・スコットのプレスリリース上でコメントを発表したのは、世界王者アネミエク・ファンフルーテン(オランダ)と、オーストラリア王者のアマンダ・スプラット、そしてマーティン・ヴェストビー監督。カレンダーに対しての思いや、チームメンバーの半数がオーストラリアとニュージーランドにいること、パリ〜ルーベ、そしてジロローザと世界選手権のダブル参戦について語っている。

「ストラーデビアンケ、ロンド・ファン・フラーンデレン、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ、フレーシュ・ワロンヌ、ジロローザ、そして母国開催のブールスレディースツアー。待ち望んでいた全てのレースが組み込まれていることがとてもエキサイティング」と言うのはファンフルーテン。「早くレースを走りたい。今ならどんなレースだって構わない」と言う37歳の世界王者は、ロックダウン後も屋外トレーニング可能なオランダで、MTBやパン屋巡りを楽しむなど、強度を落として自転車に乗り続けてきた。

「今最優先されるべきは健康。その上で世界規模での改善がなされれば素晴らしいこと。まだ最終的にOKとなるか確信が持てないけど、少なくとも8月1日のストラーデビアンケに向けて調整していきたい。あのレースが大好きだから」と、"白い道"レース2連覇を目指すファンフルーテンは話す。

現在ミッチェルトン・スコットに所属する女子選手11名のうち、母国のオーストラリアとニュージーランドに戻ったのは5名。レース開始前に渡航禁止措置が解除されない場合を踏まえ、チームはヨーロッパ組の健康維持のためにレースプログラムを縮小することも考えているという。

「豪州組が戻れない場合、欧州組6人で3ヶ月のシーズンを戦い続けることは不可能だ。この場合は勝てる、あるいは良い結果を出せるレースを吟味し、優先的に参加することになる。これはチームにとってベストな選択であり、エースとなる選手にとっても同じ意味を持つ」とヴェストビー監督は話している。

豪州王者のアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)豪州王者のアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) photo:Kei Tsuji
ファンフルーテンはパリ〜ルーベ女子レース開催についても触れ、「最も驚くべきニュース。これまでずっとパリ〜ルーベを走れたら(選手を)辞めても良いと話していたけれど、ついに実現することになった。まだ辞めるつもりはないけど!」と意欲を燃やす。スプラットも「パリ〜ルーベの名前を見るだけで身体が震えて痛くなる」と言いつつ、「女子プロトンが待ち望んでいた象徴的なレース。参戦しない理由なんて無いし、きっと素晴らしいショーを披露できるはず。A.S.O.の判断は本当に嬉しいこと」と評価している。

女子レースにおける最高権威を誇るジロローザは9月11日(金)から19日(土)まで開催され、その直後に開幕するロード世界選手権の中で個人TTエリート女子は9月22日(火)、ロードエリート女子は9月26日(土)。ツール・ド・フランス最終日と世界選手権初日(個人TT男子エリート)が重なる男子ほどではないにせよ、過密であることは事実だ。

しかし昨年の個人TTで11位、ロードで3位に入ったスプラットは「ジロローザから世界選ロードまでは1週間。どちらも過酷なレースには間違いないので、ジロは良い準備になる可能性がある。普段なら世界選前に高地練習などトレーニング期間を設けているのでどうなるか分からないけれど、エキサイティングだと思う」と自信をのぞかせている。

text:So.Isobe