元プロ選手として活躍し、引退後はチームイネオスの監督としてチームカーのハンドルを握ったニコラ・ポルタル(フランス)が、3月3日、アンドラの自宅で心臓発作によって命を落とした。享年40歳。


チームスカイ監督のニコラ・ポルタルが質問に応えるチームスカイ監督のニコラ・ポルタルが質問に応える photo:Makoto Ayano
1979年フランス生まれのポルタル監督は2002年にアージェードゥーゼールでプロ入り。2006年からケスデパーニュ(現モビスター)で4年間走り、2010年にチームスカイ(現チームイネオス)で現役最終シーズンを過ごした。現役中はツール・ド・フランスに6回出場&完走。2004年にクリテリウム・デュ・ドーフィネでステージ優勝を飾っている。

現役時代のニコラ・ポルタル(フランス、ケスデパーニュ)現役時代のニコラ・ポルタル(フランス、ケスデパーニュ) photo:Cor Vos引退後はチームスカイの監督に就任し、2012年のブラドレー・ウィギンズを始め、2013年〜2017年(2016年を除く)クリストファー・フルーム(イギリス)、2018年ゲラント・トーマス(イギリス)、2019年エガン・ベルナル(コロンビア)のツール制覇を指揮。プロトンの中で飛び抜けて若い監督として近年は第1チームカーのハンドルを握って最前線で選手たちに指示を送り、レース以外の場面ではメディア対応役としてジャーナリストに囲まれた。

チームイネオスの発表によると、ポルタル氏はアンドラの自宅で心臓発作に見舞われ、40歳の若さで命を落とした。ポルタル氏は心臓の不整脈によって2009年シーズンの後半を棒に振った過去がある。

チームイネオスは短いプレスリリースの中でこう記した。「ニコ・ポルタルが今日の午後、アンドラの自宅で突然命を落とした。誰からも愛されるチームメイトであり、同僚であり、友人である彼の訃報を伝えることに大きな悲しみを感じている。この困難な時期に遺族のプライバシーを尊重していただくことをお願いしたい。安らかに、ニコ。あなたの精神は常に私たちとともにあり、私たちの心の中にずっと生き続ける」。

最前線で活躍している監督の突然の死を悼む声がロードレース界全体から届けられている。フルームは自身のTwitterの中で「私の気持ちはニコの妻と子供たちとともに。彼は最も親切で、最もハッピーで、人生を最大限楽しんでいる男だった。安らかにニコ」と哀悼の意を記している。

40歳の早すぎる逝去を悼み、編集部一同、心からお悔やみ申し上げます。

text:Kei Tsuji

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