JBCF(一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟)の2019年カンファレンスが東京都内で開催され、年間スケジュールとJプロツアー19チームが発表された。併せて、新リーグ構想などの中・長期ビジョンが発表された。



2019年のJプロツアーは3月開幕の全25戦
2019年 Jプロツアー開催予定(2018.12.1時点)
日付 レース名 開催地 備考
3月30日・31日 修善寺ロードレース 日本CSC JPTは2日開催
4月20日・21日 西日本ロードクラシック 広島中央森林公園 JPTは1日開催
4月27日・28日 東日本ロードクラシック 群馬CSC JPTは1日開催
5月11日 宇都宮クリテリウム 清原工業団地コース
5月12日 宇都宮ロードレース 鶴カントリー倶楽部周辺
6月8日 那須塩原クリテリウム 那須塩原駅前特設コース
6月9日 やいた片岡ロードレース 矢板市石関周辺特設コース
6月15日・16日 強化ロードレース 検討中 JPT混走クラス予定
6月29日・30日 群馬CSC6月大会(仮称) 群馬CSC JPT混走クラス予定
7月6日 東広島ロードレース(仮称) 広島大学外周特設コース
7月7日 広島クリテリウム 西区商工センター特設コース
7月14日 石川サイクルロードレース 石川町・浅川町周回コース
8月31日 チームタイムトライアル 検討中
9月1日 タイムトライアル 検討中
9月7日・8日 群馬CSC9月大会(仮称) 群馬CSC JPT混走クラス予定
9月14日・15日 南魚沼ロードレース 三国川ダム周回コース JPTは14日のみ
9月28日 まえばしクリテリウム 前橋市内特設コース
9月29日 まえばし赤城山ヒルクライム※ 赤城山南面道路 任意参加
10月5日 山口クリテリウム 山口市内
10月6日 秋吉台カルストロードレース 秋吉台道路周回コース
10月12日・13日 経済産業大臣旗ロードレース 検討中 JPTは12日のみ
10月13日・14日 東京クリテリウム(調整中) 神宮外苑特設コース JPTは13日のみ
2018年から引き続き開催のレースが多いものの、開催時期が変わるレースが多くなる。これまで7月に広島で開催されていた「西日本ロードクラシック」は4月開催となる一方、7月は新たに「東広島ロードレース」が開催される。10月開催だった「南魚沼ロードレース」は9月に移動。6月と7月に栃木県北部で開催されていた4レースは、「那須塩原クリテリウム」と「やいた片岡ロードレース」のふたつに集約される。最終戦は神宮外苑でのクリテリウムが初開催される。

神宮外苑でJプロツアーのレースが初開催される(写真は明治神宮外苑大学クリテリウム)神宮外苑でJプロツアーのレースが初開催される(写真は明治神宮外苑大学クリテリウム) Photo:Satoru Kato
今年7月に初開催された広島クリテリウムは2019年も開催される今年7月に初開催された広島クリテリウムは2019年も開催される photo:Satoru Kato10月の南魚沼ロードレースで行われたJPTとE1のプレーオフ戦10月の南魚沼ロードレースで行われたJPTとE1のプレーオフ戦 photo:Satoru Kato

また、Jプロツアーとの混走クラスタを開催するレースが予定されている。これは、昨年の南魚沼で開催されたプレーオフに出場したE1の選手から、上のクラスと走れる機会がもっと欲しいという要望が出たことを受け、新たに開催されることが決まった。現時点では6月と9月に開催される群馬CSCでのレースで予定されている。

さらに、2日連続開催のレースを「2 in 1(ツー・イン・ワン)」としていた制度は原則廃止とし、2日連続出走で与えられていたポイントも廃止される。また、同一会場での2日間開催の際は、Jプロツアーは1日のみ開催とし、レース距離を長くする。200km超のレースが検討されている。

E1、E2、女子のFクラスタも同様だ(E3クラスタは2日ともレースが行われる)。一部女子選手は実力差を考慮して男子との混走になる予定だ。



Jプロツアーチームは19チーム チーム右京が復帰

チーム右京が3年ぶりにJプロツアーに復帰するチーム右京が3年ぶりにJプロツアーに復帰する photo:Satoru Kato
昨年から継続する18チームに加え、チーム右京が2016年以来3年ぶりにJプロツアーに復帰する。チームリストは以下の通り。
2019年 Jプロツアーチーム
チーム名 運営法人所在地
宇都宮ブリッツェン 宇都宮市(栃木) 
マトリックスパワータグ 高石市(大阪)
シマノレーシング 堺市(大阪)
チームブリヂストンサイクリング さいたま市(埼玉)
那須ブラーゼン 那須郡(栃木)
リオモ・ベルマーレ・レーシングチーム 平塚市(神奈川)
イナーメ信濃山形 松本市(長野県)
ヴィクトワール広島 広島市(広島)
弱虫ペダルサイクリングチーム つくば市(茨城)
キナンサイクリングチーム 新宮市(和歌山)
東京ヴェントス 立川市(東京)
FIETS GROEN 日本ロボティクス 横浜市(神奈川)
VC福岡 福岡市(福岡)
Honda栃木 芳賀郡(栃木)
なるしまフレンドレーシングチーム 八王子市(東京)
群馬グリフィン 前橋市(群馬)
eNShare-エルドラード 仙台市(宮城)
シエルヴォ奈良レーシングチーム 生駒市(奈良)
チーム右京 渋谷区(東京)


ディスクブレーキは全クラスタで解禁

JBCFのレースでディスクブレーキが解禁される(写真は今年のツール・ド・フランス)JBCFのレースでディスクブレーキが解禁される(写真は今年のツール・ド・フランス) photo:Makoto.AYANOリーダージャージの呼称は「プロリーダー」「ネクストリーダー」となるリーダージャージの呼称は「プロリーダー」「ネクストリーダー」となる photo:Satoru Kato

今年7月に解禁となったディスクブレーキロードが、全クラスタで2019年シーズンから使用可能となる。マビック、シマノのニュートラルサービスも対応する。E1以下のニュートラルサービスのディスクブレーキ対応は検討中だ。

また、リーダージャージの呼称が変わる。Jプロツアーは「プロリーダー」と、U23対象の「ネクストリーダー」。Jエリートツアーは「エリートリーダー」、女子のJフェミニンリーダーは「フェミニンリーダー」、18歳以下対象の「ユースリーダー」と改められる。

さらに、Jエリートツアーには、クリテリウムシリーズのリーダーに「スプリントリーダー」、ヒルクライムシリーズの「クライムリーダー」が新たに設定される。

自転車新リーグ構想を検討開始

自転車新リーグ構想を説明する栗村修JBCF理事自転車新リーグ構想を説明する栗村修JBCF理事 photo:Satoru KatoJBCFの今後の理念を説明する片山右京理事長JBCFの今後の理念を説明する片山右京理事長 photo:Satoru Kato

中・長期構想として、自転車新リーグ構想の検討を開始することも発表された。これはレースや競技力のレベルアップだけでなく、ビジネス面やエンターテイメント面、地域との関わりなどをこれまで以上に進化させ、全てのサイクリストのための自転車新リーグを創設しようというもの。それに向けてプロ・アマを問わず選手やチーム、観戦者や大会運営関係者、さらには自転車に関わりのない外部の第3者からの意見を取り入れ、開催に向けての検討を進めていく。

その他にも、eバイクを使ったレースや、市民レースとの併催など、新しい自転車文化の可能性も今後検討される。JBCF理事で連盟戦略室長の栗村修氏は、「他のスポーツが持っていない新しい概念を作り上げたい」としている。

なお、レーススケジュールについては暫定案であり、今後変更される可能性がある。来年3月に改めて説明会が開催される予定だが、詳細はJBCF公式サイトを参照されたい。

text:Satoru Kato