ドイツの総合バイクブランド、キューブを始めペテル・サガンも愛用する100%のアイウェア、スオーミーのヘルメット、SIXSのアンダーウェアやCEMAのボトムブラケットパーツなどが並んだ塩野自転車の展示会をレポートします。



ワンティ・グループゴベールのレプリカカラーフレームが新たに追加されたキューブワンティ・グループゴベールのレプリカカラーフレームが新たに追加されたキューブ
深いブルーに蛍光イエローを組み合わせたフレームは、ワンティのチームロゴをあしらう深いブルーに蛍光イエローを組み合わせたフレームは、ワンティのチームロゴをあしらう キューブのハイエンドグレードカーボンC:68を採用し、優れた軽量性と剛性を備えるキューブのハイエンドグレードカーボンC:68を採用し、優れた軽量性と剛性を備える

2017年モデルより塩野自転車が取り扱いを開始したジャーマンバイクブランド、キューブ。ロードバイクはさることながら、TTバイクやマウンテンバイク、シティバイク、E-BIKE、さらには各種エキップメントやアパレルまで取り揃う総合ブランドとして世界60カ国に進出している。今回の展示会では国内取り扱いの車種を多数並べ、各ラインアップを改めて確認することができた。

いずれのモデルも自社オリジナルパーツや、協力体制にあるドイツのNewmen製パーツで組み上げることで、他メーカーと比べ高いコストパフォーマンスを実現していることが大きな強みだ。さらに全てのシマノコンポーネント完成車は、新型のリアディレイラーに合わせダイレクトマウントハンガーを装備している点も特徴と言えるだろう。

幅広い価格帯を揃えるエントリーモデル「ATTAIN」は快適性を重視した設計幅広い価格帯を揃えるエントリーモデル「ATTAIN」は快適性を重視した設計 シクロクロスバイク「CROSSRACE」。イーストンの軽量クランクやカーボンパーツをアセンブルして40万円を切る価格シクロクロスバイク「CROSSRACE」。イーストンの軽量クランクやカーボンパーツをアセンブルして40万円を切る価格

シマノの新型リアディレイラーに合わせ、いずれのモデルもダイレクトマウントハンガーを採用するシマノの新型リアディレイラーに合わせ、いずれのモデルもダイレクトマウントハンガーを採用する キューブと協力体制にあるNewmen製の各種パーツを装備するキューブと協力体制にあるNewmen製の各種パーツを装備する

機材サポートを行うプロコンチネンタルチーム、ワンティ・グループゴベールもレースで使用するトップモデル「LITENING C:68 SL」には、2019年モデルの新作としてチームレプリカカラーのフレームセットをラインアップに追加。国内でも愛三工業レーシングが今季使用しているフレームだけに、注目していた人もいたことと思う。

ワイルドカードで出場を果たした今年のツール・ド・フランスでも、ワンティの選手は連日逃げに乗りその存在をアピール。深いブルーに蛍光イエローを組み合わせたカラーリングは、国内イベントでも目立つこと間違いなしだ。所有欲も高く個性の光る1台に仕上がるだろう。もちろんハイエンドカーボンを使用した800g台の軽量フレームは、世界のトップレースを戦う妥協のない走行性能も兼ね備えている。

セカンドグレードカーボンを使用し、レースからロングライドまで幅広い用途をカバーする乗り味に仕上がるのは「AGREE C:62」シリーズだ。快適性と剛性をバランスしたカーボンレイアップを施すとともに、エアロデザインも随所に盛り込み走行性能を高めている。

圧倒的なボリュームを持つトライアスロンバイク「AERIUM」圧倒的なボリュームを持つトライアスロンバイク「AERIUM」
板のようになったBB上部の造形は風を切って進むTTマシンならでは板のようになったBB上部の造形は風を切って進むTTマシンならでは ヘッド部分にスリットを設けた独自のデザインで空力性能を高めるヘッド部分にスリットを設けた独自のデザインで空力性能を高める

エントリーモデルの「ATTAIN」シリーズはカーボンとアルミフレーム両方で展開され、シマノULTEGRA~CLARISで組まれた幅広いグレードの完成車を揃える。アップライトなジオメトリーや快適性を高めるチュービングなどを採用しビギナーにも乗りやすい1台に仕上がる。10万円を切る価格帯から用意があり、初めてのロードバイクとしても選びやすいモデルとなるだろう。

2018年モデルでアップデートされたトライアスロンバイク「AERIUM」も展示会場で圧倒的な存在感を放つ。UCIルールに縛られないボリューミーな造形を採用しエアロダイナミクスを最大化。整流効果を生み出すスリットを設けた独自のヘッドチューブデザインや、トップチューブからヘッドにかけて装備された補給用のストレージも特徴的なポイントだ。

最新作「SPEEDCRAFT AIR」もついに発売。ノーズ部分にマグネットを使った独自のシステムを採用する最新作「SPEEDCRAFT AIR」もついに発売。ノーズ部分にマグネットを使った独自のシステムを採用する
マグネットを装備したアームを調整することで鼻孔を拡張でき呼吸を助けるマグネットを装備したアームを調整することで鼻孔を拡張でき呼吸を助ける サガンがクラシックレースで使用していた、クラシカルな見た目が特徴的な「S2」サガンがクラシックレースで使用していた、クラシカルな見た目が特徴的な「S2」

100%の定番モデル「SPEEDCRAFT」。上下に広いレンズが良好な視野を確保する100%の定番モデル「SPEEDCRAFT」。上下に広いレンズが良好な視野を確保する
今年から塩野自転車が取り扱いを開始し全国のサイクルショップでも購入が可能となった100%のアイウェアは、スポーツモデルからカジュアルサングラスまで幅広いラインアップを揃える。やはりイチオシはペテル・サガンが愛用し一躍有名になった「SPEEDCRAFT」だろう。ひと目で100%だと分かる独自のワイドレンズデザインが広い視野を提供してくれる。

クラシカルなティアドロップ形状を100%のデザインに落とし込んだ「S2」も人気が高いという。サガンが春のクラシックシーズンに多用していたこともあり印象に残っている人も多いはず。レンズ下部に通気孔を設けるとともに、端を縁取ったようなレーザーエッチング加工を施し機能とデザインを両立させている。

毎年限定数発売されるサガンコレクションもズラリ毎年限定数発売されるサガンコレクションもズラリ
黄金に輝きプレミアム感を演出するサガン特別モデルは、一瞬で完売してしまったのだとか黄金に輝きプレミアム感を演出するサガン特別モデルは、一瞬で完売してしまったのだとか サガンのマイヨヴェール獲得を記念したクリアグリーンのSPEEDTRAP。各国のディストリビューターに限定1本のみ配られたレア物サガンのマイヨヴェール獲得を記念したクリアグリーンのSPEEDTRAP。各国のディストリビューターに限定1本のみ配られたレア物

また今季サガンが多くのレースで使用した最新モデルが「SPEEDCRAFT AIR」だ。100%を代表するSPEEDCRAFTをベースに、ノーズ部分をマグネットで固定する全く新しいシステムを採用したことが特徴。使い捨てのシールマグネットを鼻に貼り付けサングラスを装着。マグネットでくっついたアーム幅をダイヤルで調整することで、鼻孔を拡張でき呼吸を助ける働きをしてくれるのだ。強度の高いレースシーンで役立つハイパフォーマンスモデルに仕上がっている。

イタリアンデザインの特徴あるシェル形状が目を引くヘルメットブランド、スオーミーは今季プロコンチネンタルチームのコフィディスをサポート。チームはロードフラッグシップモデルの「GUNWIND」を使用している。縦方向に10個のベンチレーションホールを設けるとともに、エアロにも配慮した丸みを帯びた帽体を採用することで高い通気性と空力性能を両立させている。

独創的なデザインが目を引くイタリアのヘルメットブランド、スオーミー独創的なデザインが目を引くイタリアのヘルメットブランド、スオーミー
コフィディスも使用するフラッグシップモデル「GUNWIND」コフィディスも使用するフラッグシップモデル「GUNWIND」 マグネット式のバイザーを標準装備したエアロモデル「VISION」マグネット式のバイザーを標準装備したエアロモデル「VISION」

2019年モデルの新作としてエアロヘルメットの「GLIDER」を発表。風洞実験を経て開発されたシェルは、昨今流行りのセミエアロ形状を纏い見た目からもレーシーな雰囲気が漂う。その中でもベンチレーションの配置などスオーミーらしさを引き継いだデザインは健在だ。大口の通気孔によりスムーズな空気の流れを実現し、空気抵抗を抑えつつ排熱性も高く仕上がっている。

その他モデルも多数のカラーを取り揃えて展開する。ホワイトやブラックといった定番カラーはもちろんのこと、ピンクやオレンジ、イエローなどビビッドで目立つ単色カラーがラインアップされている点もスオーミーの特徴と言えるだろう。

2019年モデルの新作「GLIDER」は風洞実験を経て作られたエアロヘルメットだ2019年モデルの新作「GLIDER」は風洞実験を経て作られたエアロヘルメットだ
ホールが少なく丸いルックスが特徴的な「SFERA」ホールが少なく丸いルックスが特徴的な「SFERA」 35個のエアホールを設け軽量性も兼ね備えたエントリーモデル「TIMELESS」35個のエアホールを設け軽量性も兼ね備えたエントリーモデル「TIMELESS」

優れた繊維テクノロジーを持つウェアブランド、SIXS(シックス)も色鮮やかなアンダーウェア、ソックスなど同社を代表する製品を並べた。ロット・スーダルやクイックステップフロアーズの選手らも使用する高機能性を売りとしており、体の快適性を保つ数々の工夫を凝らしている。カーボン繊維を織り込んだ最先端のファブリックが優れた吸汗速乾性を発揮し、柔らかな着心地と常にドライなウェア環境を生み出してくれる。

これからの秋冬の時期に活用できるロングスリーブのアンダーウェアもラインアップ。生地密度を高くすることで保温力を上げ、寒さから身を守ってくれると同時に体温を保つためのエネルギー消費を抑えてくれるのだ。また厚手のウェアで熱や湿気がこもりがちな秋冬のライドでも、インナーが効率的に汗を外部に排出してくれるため快適性が長続きするだろう。

ベアリングメーカーであるCEMA(セマ)は各種規格に対応したボトムブラケットパーツを揃える。左右のワンにねじを切ったインターロック設計のBBは、圧入タイプのフレームでも高い精度で取り付けが可能でかつ作業性も高いのが特徴。自社製造の高品質なセラミックベアリングも用意しており、バイクのチューンアップに一役買ってくれる。

優れた快適性を発揮する高機能なアンダーウェアを各種展開するSIXS(シックス)優れた快適性を発揮する高機能なアンダーウェアを各種展開するSIXS(シックス) 色鮮やかなカラーリングもSIXSの大きな特徴。自身のバイクやジャージと合わせたコーディネートを楽しめる色鮮やかなカラーリングもSIXSの大きな特徴。自身のバイクやジャージと合わせたコーディネートを楽しめる

自社製造の高品質なベアリング系パーツを取り揃えるCEMA(セマ)自社製造の高品質なベアリング系パーツを取り揃えるCEMA(セマ)
左右のワンにねじを切ったインターロックタイプは精度も高く作業性も良い左右のワンにねじを切ったインターロックタイプは精度も高く作業性も良い BBを模したクリアのモックで構造を確認できるBBを模したクリアのモックで構造を確認できる


text&photo:Yuto.Murata
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