男子と同じく悪条件下で開催されたドワーズ・ドール・フラーンデレン女子レースで、昨年のおきなわ覇者エレン・ファンダイク(オランダ、サンウェブ)が独走勝利。エースとして起用された與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)は完走に終わったものの、途中アタックなど手応えも得ているという。



エレン・ファンダイク(オランダ、サンウェブ)がスタートを待つエレン・ファンダイク(オランダ、サンウェブ)がスタートを待つ (c)CorVosカメラにポーズするカタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム)カメラにポーズするカタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム) (c)CorVos

ドワーズ・ドール・フラーンデレン2018 女子レース コースプロフィールドワーズ・ドール・フラーンデレン2018 女子レース コースプロフィール (c)www.ddvl.eu
UCIウィメンズワールドツアー第6戦として開催されたドワーズ・ドール・フラーンデレン女子レース。ティールトを出発して一度男子レースと同じワレヘムのフィニッシュ地点を通過し、クルイスベルグやクノクテベルグ、ノケレベルグといった登坂密集区間を経てワレヘムに戻る120kmコースには雨が降り注ぎ、より過酷さを増した状態でレースがスタートした。

スタート直後から出入りの激しい展開が続き、風雨が強まる中で落車も頻発する。大きな逃げが決まらないまま登坂区間へと入り、最も厳しい「フォッセンホール」を前に、ウィグル・ハイファイブのエースを任された與那嶺が「(フォッセンホールの)登り口がとても狭く前方で入る必要があった」とアタック。暫く独走を続けたものの、向かい風が強くやがて集団へ戻ることを選択した。

豪雨の中を走るメイン集団豪雨の中を走るメイン集団 (c)CorVos
フォッセンホールを前方で登る與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)フォッセンホールを前方で登る與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ) (c)velofocus
フォッセンホールではいよいよ有力勢が動く。ピーク直前でのTT世界王者アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)のアタックにエレン・ファンダイク(オランダ、サンウェブ)やアシュリー・モールマンパシオ(南アフリカ、サーヴェロ・ビグラ)、トロフェオ・アルフレド・ビンダで勝利しているカタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム)らが飛び乗り、フィニッシュまで続く勝ち逃げが生まれた。

飛び出した8名はそのままハイペースを刻み続け、與那嶺が入った追走集団を徐々に引き離していく。残り15kmを切ると優勝に向けたアタック合戦が勃発し、残り6kmでファンダイクがアタック。持ち前のパワーで独走に持ち込んだ昨年のツール・ド・おきなわ国際女子レース覇者が2月のセミクラシックに続く今季2勝目を挙げた。

独走で今季2勝目を挙げたエレン・ファンダイク(オランダ、サンウェブ)独走で今季2勝目を挙げたエレン・ファンダイク(オランダ、サンウェブ) (c)CorVos追走グループではアミー・ピータース(オランダ、ブールス・ドルマンス・サイクリング)が先着追走グループではアミー・ピータース(オランダ、ブールス・ドルマンス・サイクリング)が先着 (c)CorVos

ドワーズ・ドール・フラーンデレン2018 女子レース表彰台ドワーズ・ドール・フラーンデレン2018 女子レース表彰台 (c)CorVos
與那嶺グループは後続に追いつかれ、大集団のまま1分47秒遅れでフィニッシュ。60位で終えた全日本王者は「(登りで)ファンフルーテンに反応をしたのですが今は力及ばず、ドロップ。追走グループは前に追いつきたいチームが少なく追いきれず、疲労を感じた頃に狭い農道に入り、サーヴェロ・ビグラが蓋をしてジ・エンドとなりました。集団に追いつかれてチームメイトに前に出るよう伝えたのですが、彼女たちも一杯一杯だったのでしょう。チームは誰も前に出れず、集団内で石畳を終えそのまま安全な場所でゴール。初めてのフランダースクラシックで登りの手応えもありつつ、あと一歩で勝ち逃げに乗れなかった悔しさもあり。モヤモヤもありますが、怪我なく走りきれたことに感謝です」と過酷な1日を振り返る。

與那嶺は中3日を挟み、日曜日のロンド・ファン・フラーンデレンにも出場予定。大きな目標であるアルデンヌウィークに向けて調子を上げていきたいとコメントしている。

「手応えと悔しさを感じた」與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)「手応えと悔しさを感じた」與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ) (c)velofocus
ドワーズ・ドール・フラーンデレン2018 女子レース結果
1位 エレン・ファンダイク(オランダ、サンウェブ) 3h30’24”
2位 アミー・ピータース(オランダ、ブールス・ドルマンス・サイクリング) +55’
3位 フローチェ・マッケイ(オランダ、サンウェブ)
4位 エウジェニア・ブヤク(スロベニア、BTCシティリュブリャナ)
5位 アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)
6位 アシュリー・モールマンパシオ(南アフリカ、サーヴェロ・ビグラ)
7位 マウゴジャタ・ヤシンスカ(ポーランド、モビスター)
8位 カタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム)
9位 スザンヌ・アンデルセン(ノルウェー、ハイテックプロダクツ) +1’47”
10位 アマリー・ディデリクセン(デンマーク、ブールス・ドルマンス・サイクリング)
60位 與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)
text:So.Isobe
photo:CorVos,Velofocus

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