ベルギーで開催されたツール・ド・ユーロメトロポール(1.HC)で、ダニエル・マクレー(イギリス、フォルトゥネオ・オスカロ)が勝利。来シーズンからのワールドツアー参戦へ弾みをつける勝利を挙げた。



長閑な丘陵地帯を進むツール・ド・ユーロメトロポール長閑な丘陵地帯を進むツール・ド・ユーロメトロポール (c)circuitfrancobelge.com
ツール・ド・ユーロメトロポール2017コースマップツール・ド・ユーロメトロポール2017コースマップ (c)circuitfrancobelge.com今年で77年目を迎えることとなったツール・ド・ユーロメトロポール。2010年まではシルキュイ・フランコ=ベルジュと呼ばれてきたステージレースだが、昨年からワンデイレース(UCI1.1)へと変更された歴史あるレースだ。今年は1クラスからHCクラスへとカテゴリーが変更され、その歴史に見合った格式が与えられることとなった。

コースはワロン地方のラ・ルヴィエールからベルギー最古の町であり、ノートルダム大聖堂の所在地としても知られるトゥルネーへとフィニッシュする188km。途中にいくつかの丘を越えつつ、トゥルネーでは1周15kmほどの周回を重ねてフィニッシュする。

スタートラインに並んだのは、ロットNLユンボ、アージェードゥーゼール、BMCレーシング、ロット・ソウダル、クイックステップフロアーズ、カチューシャ・アルペシンの6つのワールドツアーチームを筆頭に、ディレクトエネルジーやフォルトゥネオ・オスカロら9つのプロコンチネンタルチームと7つのコンチネンタルチームたち。

アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)やマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)らも轡を並べる。昨年はディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)がトム・ボーネンらを下し、スプリント勝利を飾っているが、トゥールネの周回コースに現れるクロスジュバルの登りがピュアスプリンターたちの障壁となる。

序盤から逃げた8名序盤から逃げた8名 (c)circuitfrancobelge.comメイン集団をコントロールするロット・ソウダルメイン集団をコントロールするロット・ソウダル (c)circuitfrancobelge.com

勝負所となるクロスジュバルのヒルクライム勝負所となるクロスジュバルのヒルクライム (c)circuitfrancobelge.com積極的な動きを見せたオリバー・ナーセン(ベルギー、AG2R)積極的な動きを見せたオリバー・ナーセン(ベルギー、AG2R) (c)circuitfrancobelge.com


強風の中スタートしたプロトンからは、イエンセ・ビエルマンス(ベルギー、カチューシャ・アルペシン)を筆頭に、8名が逃げ集団を形成する。ビエルマンスの他は、プロコンチネンタルとコンチネンタルチームの選手らで構成された集団は、6分のリードを保って周回コースへ入っていく。

スプリントに持ち込みたいチームを中心に加速したプロトンによって、約15kmのコースを周回するごとに逃げとの差は詰められていき、2周を残して集団は再び一つに。ワールドチームの選手らがアタックを繰り返しては引き戻される。ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)らが入った6名の逃げが1周回に渡って逃げ続けるも、逃げに選手を送り込めなかったロット・ソウダルの引きによって吸収される。

熾烈な主導権争いの末、ラストのクロスジュバルの登りで集団は20名程度へと絞られた。勝負所となる登りを生き残った先頭集団だが、その中からも何回もアタックが仕掛けられる。ラスト500m、一瞬の隙を衝いて抜け出たのはタルギス・アンソニー(フランス、コフィディス)。お見合い状態になった集団を尻目に、フィニッシュラインを目指すタルギスをワンテンポ遅れてスプリント体制に入った集団が追いかける。

うなだれるタルギス・アンソニー(フランス、コフィディス)と喜びを爆発させるダニエル・マクレー(イギリス、フォルトゥネオ・オスカロ)うなだれるタルギス・アンソニー(フランス、コフィディス)と喜びを爆発させるダニエル・マクレー(イギリス、フォルトゥネオ・オスカロ) (c)circuitfrancobelge.com
表彰台の中央に立つダニエル・マクレー(イギリス、フォルトゥネオ・オスカロ)表彰台の中央に立つダニエル・マクレー(イギリス、フォルトゥネオ・オスカロ) (c)circuitfrancobelge.com勝利の手ごたえを掴んだアンソニーが、ハンドルから手を離してガッツポーズをとろうとした瞬間、後方から怒涛の勢いで追い上げたダニエル・マクレーがタルギスをまくって先頭でフィニッシュラインを割ることに。ガッツポーズを挙げるはずだった手で失望のゼスチャーを行うアンソニーの前方で、マクレーは喜びを爆発させた。

「アンソニーは腕を上げるのが早すぎたのは確かだけれど、たとえ彼が最後まで踏み続けていても、結果は変わらなかっただろう。」とマクレー。「今年は厳しい時期もあったけれど、勝利で締めくくることが出来て良かったよ」と来年はEFエデュケーションファースト・ドラパックへと移籍し、自身初となるワールドチームでのシーズンを控えた25歳のネオプロは語った。
ツール・ド・ユーロメトロポール2017結果
1位 ダニエル・マクレー(イギリス、フォルトゥネオ・オスカロ) 4:20:20
2位 ケニー・デハエス(ベルギー、ワンティグループグベルト)
3位 タルギス・アンソニー(フランス、コフィディス)
4位 ジャスパー・デブイスト(ベルギー、ロット・ソウダル)
5位 ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、BMCレーシング)
6位 オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール・ラモンディアール)
7位 マキシム・ヴァントゥーメ(ベルギー、WBベランクラシックアクアプロテクト)
8位 ドライス・ヴァンゲステル(ベルギー、スポーツフラーンデレン)
9位 バティスト・プランカールト(ベルギー、カチューシャ・アルペシン)
10位 アムントグレンダール・ヤンセン(ノルウェー、ロットNLユンボ)
text:Naoki.Yasuoka
photo:circuitfrancobelge.com

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