2017/09/11(月) - 04:59
ウェールズの首都カーディフでフィナーレを迎えたツアー・オブ・ブリテン。残り3kmから独走に持ち込んだエドヴァルド・ボアッソンハーゲンが勝利し、ラルス・ボームが2度目の総合優勝を果たした。
ツアー・オブ・ブリテンを締めくくる第8ステージのスタート地点は、ウスターソースの語源であるウスターシャー州のウスター。イングランドから国境を渡ってウェールズに入る180kmコースには2級山岳とスプリントポイントがそれぞれ3つずつ設定されている。イギリスを構成する4つの国(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)の1つで、人口300万人のウェールズ。ゲラント・トーマスやオウェイン・ドゥール(チームスカイ)の出身地である同国の首都カーディフでツアー・オブ・ブリテンはフィナーレを迎えた。
気温12度の肌寒いウスターをスタートするとすぐ、UCIワールドチームを中心にしたアタック合戦が始まった。アタックがかかり続けたまま最初の2級山岳に突入すると集団は4つに分裂。ローレンス・デプルス(ベルギー、クイックステップフロアーズ)を先頭に頂上通過後、先頭では約50名の第1集団が出来上がる。
ほとんどの総合上位陣やスプリンターたちが第1集団に入った一方で、スプリント4勝目を狙っていたカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)や山岳賞ジャージを着るジェイコブ・スコット(イギリス、アンポスト・チェーンリアクション)を含む約50名は第2集団に取り残される形に。ユアンらは最後まで集団復帰を果たせなかった。
スプリントポイントで果敢にボーナスタイムを狙ったのは、総合で18秒遅れのエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)。2つのスプリントポイントを連続先頭通過してボーナスタイム3秒を獲得したものの、グリーンジャージを着るラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ)もスプリントに絡んだため総合タイム差は縮まらない。
フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)らのアシストを受けたデプルスが2つめの2級山岳も先頭通過。山岳賞獲得に意欲を見せたデプルスだったが、同時にポイントを稼いだ山岳賞2位のルーカス・オウシアン(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)から山岳賞首位の座は奪えなかった。
やがてフィニッシュまで50kmを残した最後の2級山岳でゴルカ・イサギレ(スペイン、モビスター)とマーク・スチュアート(イギリス、アンポスト・チェーンリアクション)がこの日最初の逃げグループを形成。チームスカイとクイックステップフロアーズ、カチューシャ・アルペシンの3チームが率いるメイン集団から30秒のリードを得て逃げる。時折嵐のような雨が降るカーディフの周回コース(合計2周半)に入ったイサギレとスチュアートだったが、1周回完了後すぐに吸収された。
最終周回突入時のフィニッシュラインに設定されたスプリントポイントでは総合1位ボームと総合2位シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)、総合7位ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)、総合8位ボアッソンハーゲンらがスプリントを繰り広げ、ここもボームが手堅くボーナスタイム2秒を獲得して首位を固めることに成功。先頭からさらにアタックして抜け出しを図るボアッソンハーゲンをボームはぴったりとマークする。
スプリンターチームが主導権を握り、大集団によるスプリント勝負に持ち込まれると思われた矢先、残り3kmでボアッソンハーゲンが再び飛び立った。クイックステップフロアーズとチームスカイが猛烈な勢いで追いかけたが、高速巡航に持ち込んだボアッソンハーゲンは5秒前後のリードを得たまま残り1kmアーチを通過。
約3秒のリードで残り300mの最終コーナーを先頭で抜けたボアッソンハーゲンが最後の力を振り絞って逃げる。集団先頭で最終コーナーを抜けたマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、エティックス・クイックステップ)がそのまま追撃態勢に入ったが届かず、ボアッソンハーゲンのタイム差なしの独走勝利が決まった。ボアッソンハーゲンは雨に濡れた滑りやすいコーナーを含む残り3kmを平均45km/hで駆け抜けている。
「大集団のスプリントに持ち込まれそうな場合には、残り3kmでアタックしようと決めていた。作戦通りにアタックして、誰にも追いつかせなかった。逃げ切れたことを本当に嬉しく思う。そして総合順位も上げることができてよかった」。超ロングスパートを成功させたボアッソンハーゲンは念願のステージ優勝を喜ぶ。スプリントポイントとフィニッシュで稼いだボーナスタイムによって総合8位から総合2位まで順位を上げた。ボアッソンハーゲンは地元ノルウェーで開催されるロード世界選手権に向けて上々の仕上がりを見せており、ポイント賞を獲得したアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)とタッグを組む予定だ。
ボアッソンハーゲンらの追い上げを振り切り、総合リードを守り抜いたボームは「序盤からハイスピードな展開だった。スプリントポイントでライバルたちの動きを封じ込める必要があったし、想像よりもずっとハードだったけど、幸い脚の状態がとても良くて助かったよ」とコメント。ボームは2011年に続く2度目の総合優勝に輝いた。
ツアー・オブ・ブリテンを締めくくる第8ステージのスタート地点は、ウスターソースの語源であるウスターシャー州のウスター。イングランドから国境を渡ってウェールズに入る180kmコースには2級山岳とスプリントポイントがそれぞれ3つずつ設定されている。イギリスを構成する4つの国(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)の1つで、人口300万人のウェールズ。ゲラント・トーマスやオウェイン・ドゥール(チームスカイ)の出身地である同国の首都カーディフでツアー・オブ・ブリテンはフィナーレを迎えた。
気温12度の肌寒いウスターをスタートするとすぐ、UCIワールドチームを中心にしたアタック合戦が始まった。アタックがかかり続けたまま最初の2級山岳に突入すると集団は4つに分裂。ローレンス・デプルス(ベルギー、クイックステップフロアーズ)を先頭に頂上通過後、先頭では約50名の第1集団が出来上がる。
ほとんどの総合上位陣やスプリンターたちが第1集団に入った一方で、スプリント4勝目を狙っていたカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)や山岳賞ジャージを着るジェイコブ・スコット(イギリス、アンポスト・チェーンリアクション)を含む約50名は第2集団に取り残される形に。ユアンらは最後まで集団復帰を果たせなかった。
スプリントポイントで果敢にボーナスタイムを狙ったのは、総合で18秒遅れのエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)。2つのスプリントポイントを連続先頭通過してボーナスタイム3秒を獲得したものの、グリーンジャージを着るラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ)もスプリントに絡んだため総合タイム差は縮まらない。
フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)らのアシストを受けたデプルスが2つめの2級山岳も先頭通過。山岳賞獲得に意欲を見せたデプルスだったが、同時にポイントを稼いだ山岳賞2位のルーカス・オウシアン(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)から山岳賞首位の座は奪えなかった。
やがてフィニッシュまで50kmを残した最後の2級山岳でゴルカ・イサギレ(スペイン、モビスター)とマーク・スチュアート(イギリス、アンポスト・チェーンリアクション)がこの日最初の逃げグループを形成。チームスカイとクイックステップフロアーズ、カチューシャ・アルペシンの3チームが率いるメイン集団から30秒のリードを得て逃げる。時折嵐のような雨が降るカーディフの周回コース(合計2周半)に入ったイサギレとスチュアートだったが、1周回完了後すぐに吸収された。
最終周回突入時のフィニッシュラインに設定されたスプリントポイントでは総合1位ボームと総合2位シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)、総合7位ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)、総合8位ボアッソンハーゲンらがスプリントを繰り広げ、ここもボームが手堅くボーナスタイム2秒を獲得して首位を固めることに成功。先頭からさらにアタックして抜け出しを図るボアッソンハーゲンをボームはぴったりとマークする。
スプリンターチームが主導権を握り、大集団によるスプリント勝負に持ち込まれると思われた矢先、残り3kmでボアッソンハーゲンが再び飛び立った。クイックステップフロアーズとチームスカイが猛烈な勢いで追いかけたが、高速巡航に持ち込んだボアッソンハーゲンは5秒前後のリードを得たまま残り1kmアーチを通過。
約3秒のリードで残り300mの最終コーナーを先頭で抜けたボアッソンハーゲンが最後の力を振り絞って逃げる。集団先頭で最終コーナーを抜けたマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、エティックス・クイックステップ)がそのまま追撃態勢に入ったが届かず、ボアッソンハーゲンのタイム差なしの独走勝利が決まった。ボアッソンハーゲンは雨に濡れた滑りやすいコーナーを含む残り3kmを平均45km/hで駆け抜けている。
「大集団のスプリントに持ち込まれそうな場合には、残り3kmでアタックしようと決めていた。作戦通りにアタックして、誰にも追いつかせなかった。逃げ切れたことを本当に嬉しく思う。そして総合順位も上げることができてよかった」。超ロングスパートを成功させたボアッソンハーゲンは念願のステージ優勝を喜ぶ。スプリントポイントとフィニッシュで稼いだボーナスタイムによって総合8位から総合2位まで順位を上げた。ボアッソンハーゲンは地元ノルウェーで開催されるロード世界選手権に向けて上々の仕上がりを見せており、ポイント賞を獲得したアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)とタッグを組む予定だ。
ボアッソンハーゲンらの追い上げを振り切り、総合リードを守り抜いたボームは「序盤からハイスピードな展開だった。スプリントポイントでライバルたちの動きを封じ込める必要があったし、想像よりもずっとハードだったけど、幸い脚の状態がとても良くて助かったよ」とコメント。ボームは2011年に続く2度目の総合優勝に輝いた。
ステージ成績
1位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) | 4:19:00 |
2位 | マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、クイックステップフロアーズ) | |
3位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン) | |
4位 | ルカ・メズゲッツ(スロベニア、オリカ・スコット) | |
5位 | ブレントン・ジョーンズ(オーストラリア、JLTコンドル) | |
6位 | アンドレア・パスクアロン(イタリア、ワンティ・グループゴベール) | |
7位 | フローリス・ヘルツ(ベルギー、BMCレーシング) | |
8位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | |
9位 | ヨナス・コッホ(ドイツ、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) | |
10位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ) |
個人総合成績
1位 | ラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ) | 30:56:24 |
2位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) | 0:08 |
3位 | シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) | 0:10 |
4位 | ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロットNLユンボ) | 0:13 |
5位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | 0:18 |
6位 | ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ) | |
7位 | ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) | 0:24 |
8位 | トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) | 0:25 |
9位 | オウェイン・ドゥール(イギリス、チームスカイ) | 0:33 |
10位 | ライアン・ミューレン(アイルランド、キャノンデール・ドラパック) | 0:38 |
ポイント賞
1位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン) | 86pts |
2位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | 70pts |
3位 | ブレントン・ジョーンズ(オーストラリア、JLTコンドル) | 59pts |
山岳賞
1位 | ルーカス・オウシアン(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) | 36pts |
2位 | ジェイコブ・スコット(イギリス、アンポスト・チェーンリアクション) | 34pts |
3位 | ローレンス・デプルス(ベルギー、クイックステップフロアーズ) | 25pts |
スプリント賞
1位 | マーク・マクナリー(イギリス、ワンティ・グループゴベール) | 16pts |
2位 | グラハム・ブリッグス(イギリス、JLTコンドル) | 15pts |
3位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) | 7pts |
チーム総合成績
1位 | ロットNLユンボ | 92:49:50 |
2位 | チームスカイ | 0:24 |
3位 | BMCレーシング | 1:35 |
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