ベルギーのフランドル地方にクラシックシーズンが本格到来。石畳坂が連続して登場する第72回ドワーズ・ドール・フラーンデレンでクイックステップフロアーズが強さを発揮し、フィリップ・ジルベールとのタッグでイヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ)が独走勝利した。



フィニッシュ地点を通過するプロトンフィニッシュ地点を通過するプロトン photo: TDWsport / KT3月22日、「フランドル横断レース」と呼ばれる第72回ドワーズ・ドール・フラーンデレンが、ベルギー北西部フランドル地方のローセラーレからワレヘムまでの203.4kmコースで開催された。平坦な石畳区間の他に「オウデクワレモント」や「パテルベルグ」「ノケレベルグ」など急坂が12カ所設定されたフランドルらしいセミクラシックだ。

落車したリック・ツァベル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)落車したリック・ツァベル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) photo: TDWsport / KTE3ハーレルベーケ、ヘント〜ウェヴェルヘム、デパンヌ3日間レース、ロンド・ファン・フラーンデレンと続く「フレミッシュサイクリングウィーク(フランドルの1週間)」の開幕戦にあたり、2017年からUCIワールドツアーレースとして開催。ヘントやロンドと同じ「フランドルクラシック」が主催する。

オウデ・クワレモントを登る先頭集団オウデ・クワレモントを登る先頭集団 photo: TDWsport / KT6名の逃げグループが序盤から先行したものの、やはりこの日の主役はメイン集団に残ったトップレーサーたちだった。逃げ吸収後、残り78km地点の「ベレンドリース(900m/平均7.2%/最大14%)」でフィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)が動いた。このベルギーチャンピオンのアタックに反応できたのは13名だけ。石畳の「オウデ・クワレモント(1500m/平均4%/最大11.6%)」に差し掛かる頃には、出遅れたバーレーン・メリダやトレック・セガフレードが牽引する追走集団とのタイム差は45秒にまで広がった。

終盤に先頭グループから飛び出したイヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ)終盤に先頭グループから飛び出したイヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ) photo: TDWsport / KTクイックステップフロアーズは攻撃の手を弱めず、「パテルベルグ(365m/平均12.9%/最大20.3%)」でランパールトのペースアップからジルベールがアタック。ここで先頭はジルベール、ランパールト、ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・スコット)、アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)の4名に絞られる。後方では30名弱が追走集団を形成したが、先頭4名とのタイム差は縮まらなかった。

独走でフィニッシュに飛び込んだイヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ)独走でフィニッシュに飛び込んだイヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ) photo: TDWsport / KTそして迎えた最後の石畳坂「ノケレベルグ(500m/平均5.7%/最大6.7%)」で再びジルベールが飛び出し、5秒程度のリードを得て頂上をクリア。ダーブリッジとルツェンコの追走によってジルベールが吸収されると、続く石畳区間「ヘルレーゲム通り」でランパールトがアタックした。

サポーターと勝利を喜ぶイヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ)サポーターと勝利を喜ぶイヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ) photo: TDWsport / KTスタート地点ローセラーレとフィニッシュ地点ワレヘムの中間に位置するイゼゲム出身の25歳ランパールトが独走。追いかける3名とのタイム差は広がり続け、最終的にランパールトが39秒差をつけて単独でフィニッシュした。2位には抑え役を担ったジルベールが入り、クイックステップフロアーズがワンツー勝利を果たした。

地元で自身初のUCIワールドツアーレース勝利を果たしたランパールトは「クイックステップのジャージを着てUCIワールドツアーのクラシックで優勝するなんて。どれほど嬉しい勝利なのかを伝えるのが難しい。今日はフィリップ(ジルベール)が偉大なチャンピオンであることを今一度見せつけてくれた」と語る。タレント揃いのベルギーチームの中では陰に隠れがちだが、ランパールトはこれまでクールネ〜ブリュッセル〜クールネ4位、パリ〜ルーベ7位、パリ〜トゥール6位などの成績を残している。

「今日は数の利を生かしてクイックステップは攻撃した。自分がアタックした時、後ろから誰か追いついてくるんじゃないかと不安だった。でも誰も追いついてこないことが自信になって、そのまま逃げ続けたんだ。終盤はまるで短距離個人タイムトライアルのように踏み続けた。ドワーズ・ドール・フラーンデレンの勝利は夢がかなった気分。ファンタスティックなチームで、多くのサポーターの前での勝利なので格別だ」と、クイックステップフロアーズに今シーズン17勝目をもたらしたローカルライダーは語った。

「クイックステップは常に先頭でレースを展開した」と、チームの活躍を讃えたのは2位に入ったジルベール。「自分から動いてベレンドリースでセレクションをかけたけど、協力しない他チームの選手が多かったのでエイケンベルグで再び攻撃。パテルベルグでも先頭で麓から全開で踏んだ。後方の追走集団の中ではスティービー(スティバル)とニキ(テルプストラ)が抑えの走りに徹してくれたので、タイム差は1分まで広がった。そしてノケレベルグが勝負ポイントだと踏んで、まず最初に自分がアタック。吸収されたところでイヴ(ランパールト)がカウンターアタックした。彼がフィニッシュまで逃げ切り、チームとして最高のパフォーマンスを発揮したことを本当に嬉しく思うよ」。

2日後の3月24日には同じくUCIワールドツアーレースのE3ハーレルベーケが、3月26日にはヘント〜ウェヴェルヘムが開催。4月2日のロンド・ファン・フラーンデレンに向かってフランドル地方のクラシック熱は上がっていく。



表彰台 2位フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)、1位イヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ)、3位アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)表彰台 2位フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)、1位イヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ)、3位アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) photo: TDWsport / KT


ドワーズ・ドール・フラーンデレン2017結果
1位 イヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ)   4h47'26"
2位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)   +39"
3位 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)
4位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・スコット)
5位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)     +1'03"
6位 オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール)
7位 ティエシー・ブノート(ベルギー、ロット・ソウダル)
8位 ディラン・ファンバーレ(オランダ、キャノンデール・ドラパック)
9位 ミッチ・ドッカー(オーストラリア、オリカ・スコット)
10位 フロリアン・セネシャル(フランス、コフィディス)

text:Kei Tsuji
photo:TDWsport

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