新旧の世界チャンピオンによる接戦に持ち込まれた第108回ミラノ〜サンレモ。勝負を繰り広げたトップスリーや集団スプリントに絡んだスプリンターたちのコメントを紹介します。



レース詳報はこちら→「サガンとアラフィリップを下したクウィアトコウスキー初勝利」

1位 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)

ハンドルを投げ込むペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)、ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)ハンドルを投げ込むペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)、ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) photo: TDWsport / KTチプレッサを越えた時点でまだ集団が大きかったので、95%の確率で集団スプリントに持ち込まれると思った。でもポッジオでサガンがアタックを仕掛けてきた。まさか彼がそこで動いてくるとは思っていなかった。

モニュメント初制覇を果たしたミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)モニュメント初制覇を果たしたミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) photo: TDWsport / KTエリア(ヴィヴィアーニ)の指示で自分がすかさず彼のアタックに反応。仮に飛び出しても集団スプリントに持ち込まれると思っていたけど、サガンは先頭をハイスピードで引き続けた。そこから自分にできることはスプリントに集中することだけだった。

サガンのポッジオでのアタックは強力だったものの、アルカンシェルは目立ちすぎて誰もが注目する存在。同じく後方にエーススプリンターを残したアラフィリップと一緖にサガンにプレッシャーを与え続けた。

どんなクラシックレースでも、切れるカードが多ければ多いほど有利にレースを進めることができる。後ろにエースを残したことが先頭ローテーションに加わらない理由になる。今回は心理的なギャンブルに勝ったんだ。

サガンとはジュニア時代からずっと競り合ってきた仲であり、自分は他の選手よりも彼とのレースに慣れていると思う。彼が他の惑星からやってきた異次元の存在だと思っている選手も多いけど、彼が打ち負かすことができない相手ではないことは自分がよく知っていた。どんなレースでも間違いを犯さずに正しい展開に持ち込めば勝つことができるんだ。

昨年の(アタックした)経験から、自分が独走で勝つのは不可能だと分かっていた。でもサガンと一緖であれば話は別。フィニッシュ手前ではわざと彼が前に飛び出す状況を作ることで、彼に早めのスプリント開始を促したんだ。先頭で振り返って差が開いていることに気づけば、彼が早めに仕掛けると思っていた。すぐ後ろに張り付いた状態からスプリントが始まれば、加速力で負けて付き切れしていたと思う。全てがうまくいったよ。

チームスカイのガブリエル・ラッシュ監督

勝利の一報が入った時、チームカーは歓喜の渦に包まれた。ただただ叫んで喜び合った。同乗していたメカニックのディエゴは泣いていたし、ドクターのジミーに至ってはジャンプして車から飛び出してしまいそうだった。本当にクレイジーな瞬間だった。

チームスカイのエースはエリア(ヴィヴィアーニ)とクウィアトの2人。クウィアトが絶好調だということはスタート前から分かっていた。集団スプリントになればエリアで勝利を狙い、仮にポッジオで誰かが動けばクウィアトの出番だった。集団が大きすぎたのでサガンはアタックせざるを得ない状況に置かれたのだと思う。そのことを含めて全てチームの戦略通りだった。最後までクウィアトはスプリントに向けて平静を保ってくれた。

そしてエリアの走りも讃えたい。彼はこのミラノ〜サンレモに向けて冬場からトレーニングに励んできた。その成果としてチプレッサとポッジオの上りを問題なくクリア。選手として大きくステップアップし、サンレモで勝てることを証明してくれたんだ。

2位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)

ポッジオでアタックを仕掛けるペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)ポッジオでアタックを仕掛けるペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo: TDWsport / KT満足している。もちろん結果は重要だけど、ファンを魅了するショーを演出することができてよかった。最強の選手がいつも勝てるわけじゃない。今日はミラノ〜サンレモで勝つためのすべての手段を尽くした。

レース中は脚の状態を見て動きを決めるべきなので、ポッジオで必ずアタックしようとは決めていなかった。でも他の選手たちが動きを見せなかったので本能のままにアタック。失うものはなかったし、追い風が吹いていたのでチャンスだと踏んだんだ。

今日は先頭グループの中で協調体制を築けず、終盤は自分が前を引かざるを得なかった。彼ら(クウィアトコウスキーとアラフィリップ)が前に出たのは1回だけ。後ろにエースを残していたので彼らが前に出ないのは理解できる。ロードレースにおいてそれは仕方がないことなんだ。

彼らは自分よりも力を貯めることができていたけど、それでもスプリントになればスピードで勝てると思っていた。自分の展開に持ち込めたし、自分の走りには満足している。これがサイクリングであり、300km走って僅差で勝つこともあれば負けることもある。クウィアトはきっとビールを奢ってくれると思う。

このミラノ〜サンレモで本格的にクラシックシーズンが始まった。しっかりリカバリーしてE3ハーレルベーケに挑みたい。その後はヘント〜ウェヴェルヘムやロンド・ファン・フラーンデレン、パリ〜ルーベが控えている。

3位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)

表彰台 2位ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)、1位ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)、3位ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)表彰台 2位ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)、1位ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)、3位ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) photo: TDWsport / KT自分の役割はポッジオでのアタックに反応すること。チームのエースはスプリンターのフェルナンド(ガビリア)で、彼を最高のポジションでスプリントに導くことが作戦Aだった。サガンのアタックに反応するためにポッジオの上りは全開走行。下り区間でリカバリーできることを期待したけど、ペースが速くて休んでいる暇なんてなかった。

脚は空っぽで、強力な2人にスプリントで挑める状態ではなかった。負けたけど、初めて出場したこの美しいレースで勝負に絡むことができたし、何も後悔していない。いつかミラノ〜サンレモで勝ちたいと強く思う。

今日はジュリアン(ヴェルモト)が200km以上にわたって集団を牽引して、フィリップ(ジルベール)が危険なライバルたちのアタックを封じ込め、トム(ボーネン)がポッジオに向かって強力な牽引をしてくれた。すべての走りが素晴らしく、心から感謝している。

4位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)

5秒遅れのメイン集団はアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)先頭5秒遅れのメイン集団はアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)先頭 photo: TDWsport / KT先行した強力な3人を捕まえることができなかったけど、集団の中では自分が最速だった。今日の展開では4位が最高の結果。自分のようなタイプの選手は(サガンらの)上りのアタックに反応することはできない。チプレッサでもポッジオでもリミットぎりぎりだったので、集団内で上りをこなすことしかできなかった。これまで出場したミラノ〜サンレモの中で最も速いチプレッサとポッジオの登坂だったと思う。

2度目の優勝を果たすためには、全てが完璧に進行して、集団スプリントに挑む以外に方法はなかった。スプリントに持ち込めれば勝機があったと思うけど、今回はレースをコントロールしきれなかった。ポッジオでサポートしてくれたシモン(スピラク)や集団牽引に力を使ってくれたマキシム(ベルコフ)にはとても感謝している。

今回の走りを受けて、自信をもってベルギーのクラシックに向かいたい。登場する上りがミラノ〜サンレモよりもずっと短い自分向きのコースが待っている。

7位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)

ジャスパー(ストゥイヴェン)のおかげでハイスピードなチプレッサでポジションをキープできたし、ポッジオではファビオ(フェリーネ)が強力にサポートしてくれた。チームは前でレースを展開できていたけど、サガンのアタックには反応できなかった。彼との間に生まれた差を詰めることができなかった。

結論として理想的な展開には持ち込めなかった。失望しているけど、トップ10に入ることができて良かったとも思う。この先のクラシックレースに向けて調子の良さは確認できたし、チームのサポートも強力だった。

8位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)

ポッジオの時点でチームメイトのジュリアン・シモン、ジェフリー・スープ、クリストフ・ラポルトが脇を固めてくれていた。表彰台の3名(サガン、アラフィリップ、クウィアト)が飛び出した時に自分は10番手あたりに位置していたけど、周りの選手は誰も反応できる状態ではなかった。誰もが限界の状態だったと思う。

最後はジェフリー・スープにアシストされて位置取り。トレックの隊列の後ろに控えていたけど、彼らのリードアウトが早めに終わってしまったので長めのスプリントを強いられた。残り20mの時点で力は残っておらず、何人もの選手に追い抜かれてしまった。このミラノ〜サンレモに照準を合わせてトレーニングを積み、その成果として良いコンディションで挑むことができたと思う。今からすぐにスペインに移動して、ボルタ・ア・カタルーニャでステージ優勝を目指すよ。

10位 カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)

前半は比較的スローペースだったので、思ったより疲労感がないまま勝負に挑んだ。良い位置で上りをこなしたので、調子も良かったし最後のスプリントに残れる自信があった。でも今日は例年よりもイージーな展開だったのかもしれない。初出場だったので自分がどこまで戦えるのか分からなかった。上りの感触はとても良く、いつの日かこのミラノ〜サンレモで勝てると実感したよ。

12位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)

チプレッサでメイン集団のペースを作るトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)チプレッサでメイン集団のペースを作るトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) photo: TDWsport / KTピュアスプリンターたちが苦しむハードな展開に持ち込む作戦だった。チプレッサとポッジオでペースを上げない限り、彼らは簡単に集団スプリントに臨んでしまう。だからチプレッサでソーレン(アンデルセン)とサイモン(ゲシュケ)が、ポッジオでトム(デュムラン)がハイペースを作る作戦だったんだ。

自分の脚の状態もすこぶる良かったし、ピュアスプリンターをふるい落とすチームメイトたちの走りは素晴らしかった。チーム全体で強力なパフォーマンスを発揮できたと思う。でも最後のスプリントでは前を塞がれて出遅れてしまった。

17位 ベン・スウィフト(イギリス、UAEチームエミレーツ)

チームメイトから手厚いサポートを受けたし、ポッジオまでは完璧な展開だった。良いポジションで上りをこなしていたものの、前を走る選手が急に減速したのでブレーキング。そこでポジションを失ってしまった。マルカートとウリッシと一緖に集団前方までポジションアップしたタイミングでサガンがアタック。その時点で追走に力を使っていたので、離れていく世界チャンピオンの背中を眺めることしかできなかった。

前半スローペースだった影響で、フレッシュな状態で集団スプリントに挑んだスプリンターが多かったように思う。トップ10に入りたかったけどそれは叶わなかった。気を取り直して次なる目標レースであるアムステル・ゴールドレースにフォーカスしたい。

コメントはレース公式リリースやチーム公式サイトより。

text:Kei Tsuji
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