4日間の日程で開催されたツール・ド・フィリピンで、キナンサイクリングチームのジャイ・クロフォード(オーストラリア)が最終日に逃げ逆転総合優勝を達成。鈴木龍(ブリヂストンアンカー)も連日入賞し総合5位でフィニッシュした。



第1ステージ リラックスしてスタートを待つダニエル・ホワイトハウス(イギリス、トレンガヌサイクリングチーム)第1ステージ リラックスしてスタートを待つダニエル・ホワイトハウス(イギリス、トレンガヌサイクリングチーム) (c)www.letourdefilipinas.com第1ステージ スタート前にマップを確認するキナンサイクリングチーム第1ステージ スタート前にマップを確認するキナンサイクリングチーム (c)www.letourdefilipinas.com



第1ステージ 60kmを独走して勝利したダニエル・ホワイトハウス(イギリス、トレンガヌサイクリングチーム)第1ステージ 60kmを独走して勝利したダニエル・ホワイトハウス(イギリス、トレンガヌサイクリングチーム) (c)KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU第2ステージ スタートを待つチーム右京第2ステージ スタートを待つチーム右京 (c)www.letourdefilipinas.com第2ステージ この日逃げる大久保陣(ブリヂストンアンカー)がスタートサイン第2ステージ この日逃げる大久保陣(ブリヂストンアンカー)がスタートサイン (c)www.letourdefilipinas.com第2ステージ 中間スプリントで先着した大久保陣(ブリヂストンアンカー)第2ステージ 中間スプリントで先着した大久保陣(ブリヂストンアンカー) (c)www.letourdefilipinas.com第3ステージ 集団スプリントを制したフェルナンド・グリハルバ(スペイン、クウェートカルトゥーチョ.es)第3ステージ 集団スプリントを制したフェルナンド・グリハルバ(スペイン、クウェートカルトゥーチョ.es) (c)KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU第4ステージ 昨年までブリヂストンアンカーに在籍した椿大志(キナンサイクリングチーム)がダミアン・モニエ(フランス)と談笑第4ステージ 昨年までブリヂストンアンカーに在籍した椿大志(キナンサイクリングチーム)がダミアン・モニエ(フランス)と談笑 (c)www.letourdefilipinas.com2月18日から21日までの4日間、フィリピンはルソン島で開催されたツール・ド・フィリピン(UCI2.2)。今年で8回目を迎える今大会にはアジア・オセアニアの広範囲から15チームが参加。日本からはブリヂストンアンカー、キナンサイクリングチーム、そしてスペインでの初戦を終えたチーム右京が顔を揃えた。

ルソン島南東部のレガスピから同島南部のルセナへと至る道程は726.55km。一昨年総合を制しているトマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)らが大会の注目株だ。

1級山岳を中盤に擁す164.5kmの開幕ステージは、登りで抜け出して独走に持ち込んだダニエル・ホワイトハウス(イギリス、トレンガヌサイクリングチーム)がゴールまでの60kmを単独で逃げ切る鮮烈な走りで勝利。2分弱遅れた後続グループでは昨年のジャパンカップで山岳賞を獲ったベンジャミン・ヒル(オーストラリア、アタッキ・チームグスト)が2位、鈴木龍(ブリヂストンアンカー)が3位と続いた。

第2ステージは前日5位に入ったジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)と大久保陣(ブリヂストンアンカー)を含む3名が逃げる展開となり、後半に単独となったクロフォードは合計4秒のボーナスタイムを獲得。逃げ切りは至らなかったものの100km以上に渡って逃げ、存在感を大きくアピールしてみせる。ステージ争いは集団スプリントに持ち込まれ、シーン・ウィットフィールド(オーストラリア、オリヴァースリアルフード)が制した。

続く第3ステージにはホワイトハウスの総合首位を脅かす動きが発生。ステージ中盤から始まるアップダウン区間でトレンガヌのアシストが崩壊し、メイン集団からルバや石橋学と鈴木龍のブリヂストンアンカー勢を含む複数名が抜け出して最初から逃げていた先頭グループに合流。最終的に11名が逃げ切り、鈴木は再び3位に。メイン集団に残ったホワイトハウスは首位をキープしたものの、逃げ切ったメンバーとの総合タイム差短縮を許してしまう。

200kmを超える距離の中に2級山岳を含んだ最終第4ステージでは、総合で2分差のクロフォードが再び逃げグループにジョイン。ダミアン・モニエ(フランス)と面手利輝のブリヂストンアンカーコンビらと共に、7名で大きなリードを稼いでいく最中、逃げグループ内で最も総合優勝に近い37秒差の総合7位エドガー・ノハレス(スペイン、セブンイレブン・ロードバイクフィリピン)が登りで脱落してしまう。

好機を得たクロフォードは全力で逃げ集団を率い、そのままパク・サンホン(韓国、LXサイクリングチーム)を先頭に逃げ切り。ホワイトハウスを含むメイン集団の追撃は2分25秒、総合タイム差で28秒届かず、クロフォードの劇的な逆転総合優勝が決定。自らの積極的な動きを大成功に繋げて見せた。

優勝したクロフォードは以下のようにチームブログにコメントしている。「ツール・ド・フィリピンのタイトルは獲得したことがなかった。UCIポイント獲得にもつながったし、申し分ないね。今大会はあらゆる可能性があったけれど、とにかく自分のペダルに力を込めるだけだった。この勝利は自分だけではなく、チームみんなで勝ち取ったものだ。

今日のレースに関しては、エドガー(・ノハレス)選手が要注意だった。今大会は強さを発揮していたし、一緒の逃げに入ったことで、勝負を左右する存在となった。ラスト20kmで僕がアタックしたときに、彼が続けなかったんだ。これが僕にとって今日最大の仕事となったね。山岳賞狙いだったマリオ(・フォイト)選手との利害が一致して、よい展開に持ち込むことができた」。



第4ステージ レース後半の2級山岳で先頭を引き続けるジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)第4ステージ レース後半の2級山岳で先頭を引き続けるジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) (c)KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU第4ステージ 逃げグループを牽き続け、3秒遅れのステージ5位でフィニッシュするジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)第4ステージ 逃げグループを牽き続け、3秒遅れのステージ5位でフィニッシュするジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) (c)KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU

総合優勝を収めたジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)をチームメイトが囲む総合優勝を収めたジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)をチームメイトが囲む (c)KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU


ツール・ド・フィリピン2017第1ステージ結果
1位 ダニエル・ホワイトハウス(イギリス、トレンガヌサイクリングチーム)  3h56’16”
2位 ベンジャミン・ヒル(オーストラリア、アタッキ・チームグスト)      +1’51”
3位 鈴木龍(ブリヂストンアンカー)
4位 サルヴァドール・グアルディオラ(スペイン、チーム右京)
5位 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)

ツール・ド・フィリピン2017第2ステージ結果
1位 シーン・ウィットフィールド(オーストラリア、オリヴァースリアルフード) 4h29’21”
2位 パク・サンホン(韓国、LXサイクリングチーム)
3位 フェルナンド・グリヤルバ(スペイン、クウェート)
4位 チャ・ドンヒョン(韓国、LXサイクリングチーム)
5位 鈴木龍(ブリヂストンアンカー)

ツール・ド・フィリピン2017第3ステージ結果
1位 フェルナンド・グリハルバ(スペイン、クウェートカルトゥーチョ.es)  4h14’03”
2位 ベンジャミン・ヒル(オーストラリア、アタッキ・チームグスト)
3位 鈴木龍(ブリヂストンアンカー)
4位 パク・サンホン(韓国、LXサイクリングチーム)
5位 バエ・デヒョン(韓国、LXサイクリングチーム)

ツール・ド・フィリピン2017第4ステージ結果
1位 パク・サンホン(韓国、LXサイクリングチーム)             5h00’13”
2位 マット・ボーイズ(オーストラリア、クウェートカルトゥーチョ.es)
3位 マリオ・ ヴォークト(ドイツ、アタッキ・チームグスト)
4位 ダミアン・モニエ(フランス、ブリヂストンアンカー)
5位 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)     +03”

個人総合成績
1位 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)  17h33’07”
2位 ダニエル・ホワイトハウス(イギリス、トレンガヌサイクリングチーム)    +28”
3位 フェルナンド・グリハルバ(スペイン、クウェートカルトゥーチョ.es)    +51”
4位 ベンジャミン・ヒル(オーストラリア、アタッキ・チームグスト)       +52”
5位 鈴木龍(ブリヂストンアンカー)                      +55”

text:So.Isobe
photo:KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU,www.letourdefilipinas.com