ランプレ・メリダの足元を支えるイタリアンホイールブランド、フルクラムが、ロード用フラッグシップモデルを一新。「SPEED」シリーズとしてデビューしたラインアップから、オールラウンドに使用できる40mmハイトのクリンチャーホイール「SPEED 40C」をインプレッションした。



フルクラム SPEED40Cフルクラム SPEED40C (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
イタリアの名門コンポーネントメーカーであり、ホイールブランドとしても数多くの名作を送り出してきたカンパニョーロ。そのホイールを開発してきた技術者たちが新たに興したホイール専業ブランドがフルクラムである。

ブランドの創立時よりラインアップされ、長きにわたってプロ選手やハイアマチュアに愛用されてきたカーボンディープホイール「Racing Speed」シリーズのアップデートバージョンとして用意されたのが、「SPEED」シリーズである。

カーボンシェルにアルミ製フランジが組み合わせられるフロントハブカーボンシェルにアルミ製フランジが組み合わせられるフロントハブ 25Cタイヤに最適化されたC17リムプロファイルを持つ25Cタイヤに最適化されたC17リムプロファイルを持つ


ラインアップには55mmハイトのチューブラーモデル、そして40mmハイトのチューブラーモデルとクリンチャーモデルが用意される。その中から、今回紹介するのは登りから平坦、下りといった様々なコース、そしてレースから練習までオールラウンドに活躍する40mmハイトのクリンチャーモデル、「SPEED 40C」だ。

Racing Speedからの最も大きな変更点はリム幅。4mm拡幅された「C17ワイドリム」は、24.2mmとなり安定したハンドリング、そしてエアロダイナミクスの向上を果たした。ここ数年で一挙に市民権を得た25c以上のワイドタイヤとのマッチングも向上しており、転がり抵抗やグリップ力といったメリットを更に引き出すことが出来るのだ。

リムはこれまでのフルクラムカーボンホイールの特徴であった、織目の細やかな3Kカーボンで表面は覆われており、高級感のあるルックスに仕上がっている。ブレーキゾーンにはリムの平滑度を高める「3Diamant処理」が施されており、安定した制動に貢献している。

バルブホールも丁寧に成形されているバルブホールも丁寧に成形されている ハイローフランジを採用することでスポークテンションを均等化しているハイローフランジを採用することでスポークテンションを均等化している

シマノ仕様のフリーボディーはPEO処理をされた軽量なアルミ製シマノ仕様のフリーボディーはPEO処理をされた軽量なアルミ製 専用シューを始めとした付属品専用シューを始めとした付属品


フロントハブのボディはカーボンファイバー製となっており、高剛性かつ軽量に。一方で、リアハブとフロントのハブフランジはアルミ製とされており、ストレートスポークのテンションをしっかりと受け止める構成だ。リアフランジは駆動側が大きくされたハイローフランジとなっており、フルクラム独自のスポークパターンである「2:1スポークレシオ」と合わせて左右のスポークテンションの差を吸収している。

ベアリングは高精度なセラミックボールを使用した「USB」仕様となっており、滑らかな回転を実現。実走においてもアドバンテージとなる、軽い転がり感を実現している。フリーボディーはシマノ/スラム用とカンパニョーロの2種類が用意され、シマノ/スラム用はプラズマ電解酸化処理(PEO)を施した軽量なアルミ製とされている。

重量も1420gとクリンチャーモデルながらかなり軽量に抑えられており、ヒルクライムでも決してビハインドとなることは無いだろう。プロがレースで使用する、決戦ホイールの性能をそのままに、扱いやすいクリンチャーモデルとして、より身近になったSPEED40C。フルクラム2017年モデルの中でも熱い注目を浴びるオールラウンドホイールの実力をインプレッション。



―インプレッション
「オールラウンドに活躍する扱いやすい優等生」杉山友則(Bicicletta IL CUORE)

「脚への負担が少なく、何度でも踏んでいけるような剛性感です」杉山友則(Bicicletta IL CUORE)「脚への負担が少なく、何度でも踏んでいけるような剛性感です」杉山友則(Bicicletta IL CUORE)
オールラウンドでとにかくシチュエーションを選ばないホイールですね。55mmハイトのSPEED 55Tよりも剛性感が高く、ダンシングで思い切りしならせるように走ってもヨレるような弱さは全く感じませんでした。

クリンチャーモデルということで、リム自体は重いはずなのですが、実際に走らせてみるとそんな印象は全く受けませんでしたね。本当に良くできた軽量ホイールというイメージで、登りでもとても軽やかに走ってくれますから、チューブラーホイールだと言われれば信じてしまいそうです。

「大きな負荷がかかる下りのコーナーでもスムーズな回転をキープしてくれます」杉山友則(Bicicletta IL CUORE)「大きな負荷がかかる下りのコーナーでもスムーズな回転をキープしてくれます」杉山友則(Bicicletta IL CUORE) 短い登りで、パワーを掛けて一気に登ることもできますし、長い登りを淡々と一定ペースでこなすような走り方も得意です。この懐の深さは、初代のレーシングスピードから受け継ぐリム剛性の高さが為せる業なのだと感じます。

一方で、スポークテンションはガチガチに高いわけではないので、踏みこんだ力を一瞬溜めてから解放するような、伸びやかさのある加速感が楽しめます。反応性自体はとても機敏で軽快な一方、脚への負担が少なく、何度でも踏んでいけるような剛性感ですね。

ブレーキングもとても良好で、純正シューとのマッチングも最高です。今回のテストはドライコンディションのみとなりましたが、ウェットでもきちんと制動してくれそうなフィーリングでした。ベアリングも最上位グレードのCULTではありませんが、回転には定評のあるUSBですし、斜め方向からの荷重にも強いカップアンドコーン方式と相まって、大きな負荷がかかる下りのコーナーでもスムーズな回転をキープしてくれます。

5点満点のレーダーチャートで性能を示せば、全ての項目で4.5点となる優等生タイプのホイールです。強いて欠点を挙げるとすれば、5点満点をとれる項目がない、という事でしょうか。とにかく、どんなコースをどんな乗り方で走っても、しっかりと受け止めて速さに繋げてくれる、懐の深いホイールです。扱いやすいクリンチャー仕様ということを考えれば、練習からレースまで、これ1本で必要十分ではないでしょうか。

「オールラウンドに活躍する扱いやすい優等生」杉山友則(Bicicletta IL CUORE)「オールラウンドに活躍する扱いやすい優等生」杉山友則(Bicicletta IL CUORE)
フルクラム SPEED 40C
リム形式:クリンチャー
リム:フルカーボン/3Kカーボンフィニッシュ
ブレーキ面:3Diamant処理
リムハイト:40mm
リム幅:24.2mm
ハブ:カーボン製ボディー/アルミ製フランジ、アルミ製アクスル
ハブベアリング:USB
フリーボディ:シマノ用HG(プラズマ電解酸化PEO処理済み)、カンパニョーロ用UD
スポークキング:フロント18本(ラジアル)/リア21本(2:1、左7本/右14本)
スポーク:ステンレス・スチール製、エアロ形状、ストレートプル仕様
ニップル:アルミ製
重 量:1,420g(シマノ/スラム用)
価 格:260,000円(税抜)



インプレッションライダーのプロフィール

杉山友則(Bicicletta IL CUORE)杉山友則(Bicicletta IL CUORE) 杉山友則(Bicicletta IL CUORE)

東京都台東区のBicicletta IL CUORE 下谷本店店長。ダミアーノ・クネゴがジュニアチャンピオンだったころからクネゴのファンだという、自他ともに認めるミーハー系自転車乗り。グエルチョッティやコルナゴ、ルックなどヨーロピアンブランドへの造詣が深い。ショップ店長としては、ユーザーがサイクルライフを楽しめる遊び方の提案を心がけている。

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