西日射しこむマドリード周回コースで、マグナス・コルトニールセンが集団スプリント2勝目。総合上位陣に順位変動はなく、ナイロ・キンタナが自身初のブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝を達成した。



大挙押し寄せたコロンビア人ファンの前を集団が通過していく大挙押し寄せたコロンビア人ファンの前を集団が通過していく photo:CorVos


カンタン・ハウレギ(フランス、AG2Rラモンディアール)ら逃げグループがマドリードで逃げるカンタン・ハウレギ(フランス、AG2Rラモンディアール)ら逃げグループがマドリードで逃げる photo:CorVosコロンビア人ファンの前を走るナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)コロンビア人ファンの前を走るナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:Bettiniマイヨモンターニャのオマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ)マイヨモンターニャのオマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ) photo:CorVosバルベルデをマークし続けたファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)バルベルデをマークし続けたファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:A.S.O.ボーラ・アルゴン18やジャイアント・アルペシンが集団を加速させるボーラ・アルゴン18やジャイアント・アルペシンが集団を加速させる photo:Bettiniダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、ティンコフ)を追い抜くマグナス・コルトニールセン(デンマーク、オリカ・バイクエクスチェンジ)ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、ティンコフ)を追い抜くマグナス・コルトニールセン(デンマーク、オリカ・バイクエクスチェンジ) photo:CorVos2016年のグランツアー最終ステージ。今年も動きに動いたブエルタ・ア・エスパーニャは遂に最終日を迎え、スペインの首都であるマドリードに到達した。今年は159名がブエルタに別れを告げるように、完走を祝うように、そして数チームは最終スプリントに向けてマドリード郊外のラス・ロサスから、中心街へと向けてスタートを切っていく。

マイヨロホのナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)は赤一色に染め上げたスペシャルバイクを駆り、モビスターのチームメイトもバーテープやブラケット、ソックス、アイウェアをマイヨロホカラーに。

各選手は観客からの声援を受けながら、グランツール最終日恒例のパレード走行を経てマドリード中心街に到達。18世紀後期から20世紀初頭にかけ建てられたブエナビスタ宮殿、リナーレス宮殿、マドリード市庁舎であるコムニカシオネス宮殿など、歴史的な建造物を横目に、5.8kmの周回コースを駆け抜けていく。

2つの90度コーナーと3つの180度ターンを含むT字型の平坦サーキットコースでレースが動いたのは63.5km地点のスプリントポイント前。クリスティアン・クネース(ドイツ、チームスカイ)の動きをきっかけにアタックが活発となり、 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)、カンタン・ハウレギ(フランス、AG2Rラモンディアール)、ロイック・シェトゥー(フランス、コフィディス)が抜け出し、コエン・ボウマン(オランダ、ロット NLユンボ)が合流して4名の逃げグループが形成された。

TTスペシャリストを含む逃げを1分差で追走する集団では、モビスターに代わってスプリント勝負に意気込むジャイアント・アルペシン、オリカ・バイクエクスチェンジ、ボーラ・アルゴン18、BMCレーシングなどがアシストを送り込み、数の利を生かしタイム差を徐々に削り取っていく。

西日が差し込む、夕暮れ迫るマドリード周回コース。終盤には総合4位のアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)がメカトラで遅れたものの、問題なく集団に復帰。最終周回に入ると先頭はクリテリウムを得意とするシェトゥーのみとなり、その抵抗も敢え無く残り5kmで吸収された。

ポイント賞を奪還の可能性があるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)は最終盤にアタックしたが、マイヨプントスのファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)がきっちりとマークし、集団に飲み込まれる。

ジャイアント・アルペシンとBMCレーシングが火花を散らしながら残り1kmアーチを通過したが、ゴール前でトレインを組みきったのは、マグナス・コルトニールセン(デンマーク)を連れたオリカ・バイクエクスチェンジ。ジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)とダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、ティンコフ)が真っ先に仕掛ける中、コルトニールセンはベンナーティの番手に滑り込み残り100mでスプリント開始する。

一人伸びたコルトニールセンはリードを失うことなく先頭フィニッシュし、第18ステージに続く大会2勝目を達成。その後方では総合1位のキンタナがガッツポーズしながらゴールラインを割り、コース脇に大挙集結したコロンビア人ファンの前で2014年のジロ・デ・イタリアに続く2つ目のグランツアータイトルを獲得した。コロンビア人選手がブエルタを制したのは、1987年のルイス・エレラ以来のこと。

また新城幸也(ランプレ・メリダ)と別府史之(トレック・セガフレード)はスプリントに絡み、トップ10入りは叶わなかったもののそれぞれ12位と13位でフィニッシュ。新城10度目、別府は6度目のグランツアー完走を果たしている。

各選手のコメントは追って掲載します。



ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)を中心に総合トップスリーが表彰台に上がるナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)を中心に総合トップスリーが表彰台に上がる photo:A.S.O.
キンタナ、フルーム、チャベスが豪快にカヴァを開けるキンタナ、フルーム、チャベスが豪快にカヴァを開ける photo:CorVos


ブエルタ・ア・エスパーニャ2016第21ステージ結果
1位 マグナス・コルトニールセン(デンマーク、オリカ・バイクエクスチェンジ)  2h48’52”
2位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、ティンコフ)
3位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)
4位 クリスティアン・ズバラーリ(イタリア、ディメンションデータ)
5位 ニキアス・アルント(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)
6位 ロレンツォ・マンジン(フランス、FDJ)
7位 ロマン・ハーディ(フランス、コフィディス)
8位 ヨナタン・レストレポ(コロンビア、カチューシャ)
9位 リュトガー・ゼーリッヒ(ドイツ、ボーラ・アルゴン18)
10位 サルヴァトーレ・プッチオ(イタリア、チームスカイ)

マイヨロホ(個人総合成績)
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
2位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
3位 エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ)
4位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)
5位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック)
6位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ)
7位 ダヴィド・デラクルス(スペイン、エティックス・クイックステップ)
8位 ダニエル・モレーノ(スペイン、モビスター)
9位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ドラパック)
10位 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)
83h31’28”
+1’23”
+4’08”
+4’21”
+7’43”
+8’33”
+11’18”
+13’04”
+13’17”
+14’07”


マイヨプントス(ポイント賞)
1位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
2位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) 
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
100pts
97pts
93pts


マイヨモンターニャ(山岳賞)
1位 オマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ)
2位 ケニー・エリッソンド(フランス、FDJ)
3位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)
58pts
57pts
37pts


マイヨコンビナーダ(複合賞)
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
2位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
3位 ケニー・エリッソンド(フランス、FDJ)
8pts
17pts
34pts


チーム総合成績
1位 BMCレーシング
2位 モビスター
3位 キャノンデール・ドラパック
249h48’23”
+4’43”
+22’44”


総合敢闘賞
アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)

text:So.Isobe

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