残すところ2ステージとなったツアー・オブ・カリフォルニア。昨日のTTに引き続き、総合争いを決定づける山岳ステージを制したのは期待のフレンチライダー、ジュリアン・アラフィリップ(エティックス・クイックステップ)。総合成績でもサガンを上回り首位へ立ったが、タイム差はわずか2秒。総合争いは最終日までもつれこんだ。
山間を縫って走るツアー・オブ・カリフォルニア2015第7ステージ photo:www.amgentourofcalifornia.com
スタート前に話すメルクス親子 photo:www.amgentourofcalifornia.com
総合ジャージを着て走るペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) photo:www.amgentourofcalifornia.com
集団を牽引するクリスティアン・クネース(ドイツ、チームスカイ) photo:www.amgentourofcalifornia.com
雪残るマウントバルディ山頂に次々と選手がなだれ込む photo:www.amgentourofcalifornia.com今大会のクイーンステージとなる第7ステージ。カリフォルニア南部のオンタリオ市街から、2つの2級山岳を超えて、超級山岳マウントバルディ山頂へと向かう128㎞の山岳ステージだ。ステージの距離は短いながらも、平坦区間はほとんどないため、厳しいレースとなることが予想された。
総合成績を大きく左右する重要ステージで逃げを決めたのは、ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)らを中心とした6名のライダー。山岳賞ジャージをトムス・スクジンス(ラトビア、ヒンカピーレーシング)から奪い取るべく、オスが逃げの集団を積極的にペースメイクしていく。
グレンドラ山で、ヨハン・ヴァンジル(南アフリカ、MTN-キュベカ)が逃げ集団からアタック。20秒ほどの差がついた段階で、ダニエル・オスが一人ブリッジをかけることに成功し、先頭は2人体制に。山岳ポイントでは争うことなくオスが先頭で通過し、山岳賞を確実なものとする。
ゴールとなるマウントバルディへの登り口までは尾根伝いに登りと下りが入れ替わっていく。その中で、逃げていた2人は吸収され、集団は一つへと戻ることとなった。
集団をコントロールするのは、セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア)の総合ジャンプアップを狙うチームスカイ。クリスティアン・クネース(ドイツ、チームスカイ)の牽引で集団はどんどんとスリムになっていく。残り20kmを切った時点でメイン集団は50名程度に縮小。
スカイの牽引は残り10kmを切っても力強さを失わない。次々と選手が脱落し、優勝候補が絞られていくなか、3年前にこのステージを制したロバート・ヘーシンク(オランダ、ロット・NLユンボ)も耐えきれず千切れていくなか、山岳を不安視されていたペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)は先頭グループに食らいつく。
しかし、勾配が厳しくなる残り5.5km地点でエナオモントーヤがアタックすると、完全に先頭グループは崩壊。唯一着いていけたのはジュリアン・アラフィリップのみ。何度かのアタックの応酬の後、ライバルを突き放したのはアラフィリップだった。
急勾配の登りに表情をゆがめながらも、ペースを維持して登るアラフィリップ。ステージ優勝、そして総合優勝へと向けて標高約1964mのゴール地点へと登っていく。追いすがるエナオモントーヤを徐々に引き離しながら、観衆の集まったゴールへと飛び込んだ。
ステージ優勝を決め総合首位に立ったジュリアン・アラフィリップ(エティックス・クイックステップ) photo:www.amgentourofcalifornia.com
リーダージャージの袖に腕を通したジュリアン・アラフィリップ(エティックス・クイックステップ) photo:www.amgentourofcalifornia.com
ゴール後にへたり込むほどの追い込みを見せたペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ) photo:www.amgentourofcalifornia.comステージ優勝を決めたアラフィリップだが、このステージはまだ終わらない。アラフィリップから遅れること47秒でサガンがゴールラインを越える。ゴール後、立っていられないほどに追い込んだサガン。スタート前にはアラフィリップに対して45秒の差をつけていたが、このステージ終了時点では、リーダージャージを手放し、2秒のビハインドを背負うことに。しかし、最終ステージのスプリントポイント、およびフィニッシュでのボーナスタイムで逆転可能なタイム差に抑え込み、希望を繋いだ。
「最高にハッピーな勝利だ。」とアラフィリップ。「エナオモントーヤが着いてこれなかったのを確認しても、すぐ追いついてくるんじゃないかと思って、出来る限りのペースで踏み続けた。特にラスト2kmは人生で最高に追い込んだ区間だった。全身全霊を叩きこんだし、脚は爆発するんじゃないかってぐらいで、ラスト200mまで勝ったなんて思えなかった。」と今日のステージについて語った。
総合成績については、「明日のステージで、総合ジャージを守るのが難しいのは明らかだね。サガンは僕よりも速いし、総合成績についてあまりプレッシャーになるのも嫌なんだ。だから、カヴを勝たせるという当初通りのプランを遂行するつもりさ。イエロージャージを守れても、失っても、僕らのチームは既に4勝しているし、僕はヤングライダー賞、カヴがポイント賞を獲得している。こんな素晴らしいレースは僕はきっと忘れないさ。」とコメントしている。
ツアー・オブ・カリフォルニア2015第7ステージ結果
個人総合成績
ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)
山岳賞
ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)
ヤングライダー賞
ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
チーム総合成績
BMCレーシング
text:Naoki.Yasuoka
photo:www.amgentourofcalifornia.com





総合成績を大きく左右する重要ステージで逃げを決めたのは、ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)らを中心とした6名のライダー。山岳賞ジャージをトムス・スクジンス(ラトビア、ヒンカピーレーシング)から奪い取るべく、オスが逃げの集団を積極的にペースメイクしていく。
グレンドラ山で、ヨハン・ヴァンジル(南アフリカ、MTN-キュベカ)が逃げ集団からアタック。20秒ほどの差がついた段階で、ダニエル・オスが一人ブリッジをかけることに成功し、先頭は2人体制に。山岳ポイントでは争うことなくオスが先頭で通過し、山岳賞を確実なものとする。
ゴールとなるマウントバルディへの登り口までは尾根伝いに登りと下りが入れ替わっていく。その中で、逃げていた2人は吸収され、集団は一つへと戻ることとなった。
集団をコントロールするのは、セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア)の総合ジャンプアップを狙うチームスカイ。クリスティアン・クネース(ドイツ、チームスカイ)の牽引で集団はどんどんとスリムになっていく。残り20kmを切った時点でメイン集団は50名程度に縮小。
スカイの牽引は残り10kmを切っても力強さを失わない。次々と選手が脱落し、優勝候補が絞られていくなか、3年前にこのステージを制したロバート・ヘーシンク(オランダ、ロット・NLユンボ)も耐えきれず千切れていくなか、山岳を不安視されていたペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)は先頭グループに食らいつく。
しかし、勾配が厳しくなる残り5.5km地点でエナオモントーヤがアタックすると、完全に先頭グループは崩壊。唯一着いていけたのはジュリアン・アラフィリップのみ。何度かのアタックの応酬の後、ライバルを突き放したのはアラフィリップだった。
急勾配の登りに表情をゆがめながらも、ペースを維持して登るアラフィリップ。ステージ優勝、そして総合優勝へと向けて標高約1964mのゴール地点へと登っていく。追いすがるエナオモントーヤを徐々に引き離しながら、観衆の集まったゴールへと飛び込んだ。



「最高にハッピーな勝利だ。」とアラフィリップ。「エナオモントーヤが着いてこれなかったのを確認しても、すぐ追いついてくるんじゃないかと思って、出来る限りのペースで踏み続けた。特にラスト2kmは人生で最高に追い込んだ区間だった。全身全霊を叩きこんだし、脚は爆発するんじゃないかってぐらいで、ラスト200mまで勝ったなんて思えなかった。」と今日のステージについて語った。
総合成績については、「明日のステージで、総合ジャージを守るのが難しいのは明らかだね。サガンは僕よりも速いし、総合成績についてあまりプレッシャーになるのも嫌なんだ。だから、カヴを勝たせるという当初通りのプランを遂行するつもりさ。イエロージャージを守れても、失っても、僕らのチームは既に4勝しているし、僕はヤングライダー賞、カヴがポイント賞を獲得している。こんな素晴らしいレースは僕はきっと忘れないさ。」とコメントしている。
ツアー・オブ・カリフォルニア2015第7ステージ結果
1位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
2位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)
3位 イアン・ボスウェル(アメリカ、チームスカイ)
4位 ジョセフ・ロスコプフ(アメリカ、BMCレーシング)
5位 ジョー・ドンブロウスキー(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)
6位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
7位 アイマル・スベルディア(スペイン、トレックファクトリーレーシング)
8位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)
9位 ペーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)
10位 ローレンス・テンダム(オランダ、ロットNLユンボ)
2位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)
3位 イアン・ボスウェル(アメリカ、チームスカイ)
4位 ジョセフ・ロスコプフ(アメリカ、BMCレーシング)
5位 ジョー・ドンブロウスキー(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)
6位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
7位 アイマル・スベルディア(スペイン、トレックファクトリーレーシング)
8位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)
9位 ペーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)
10位 ローレンス・テンダム(オランダ、ロットNLユンボ)
3h42'13"
+23"
+36"
+45"
+47"
+53"
+1'00"
+1'17"
+1'26"
+23"
+36"
+45"
+47"
+53"
+1'00"
+1'17"
+1'26"
個人総合成績
1位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
2位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
3位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)
4位 ジョー・ドンブロウスキー(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)
5位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)
6位 アイマル・スベルディア(スペイン、トレックファクトリーレーシング)
7位 イアン・ボスウェル(アメリカ、チームスカイ)
8位 リカルド・ゾイドル(オーストリア、トレックファクトリーレーシング)
9位 ペーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)
10位 ロブ・ブリットン(カナダ、スマートストップ)
2位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
3位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)
4位 ジョー・ドンブロウスキー(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)
5位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)
6位 アイマル・スベルディア(スペイン、トレックファクトリーレーシング)
7位 イアン・ボスウェル(アメリカ、チームスカイ)
8位 リカルド・ゾイドル(オーストリア、トレックファクトリーレーシング)
9位 ペーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)
10位 ロブ・ブリットン(カナダ、スマートストップ)
25h58'21"
+02"
+33"
+1'10"
+1'11"
+1'12"
+1'19"
+1'20"
+1'40"
+2'06"
+02"
+33"
+1'10"
+1'11"
+1'12"
+1'19"
+1'20"
+1'40"
+2'06"
ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)
山岳賞
ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)
ヤングライダー賞
ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
チーム総合成績
BMCレーシング
text:Naoki.Yasuoka
photo:www.amgentourofcalifornia.com
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