2015/02/22(日) - 10:07
2015年2月21日、ツアー・オブ・オマーン第5ステージは砂嵐によってコースが短縮され、レース開始後も暑さによってパンクが続出したためストップ。レースの危険性を訴える選手たちとコミッセール、オーガナイザーの話し合いの末、レースがキャンセルされることが決まった。
砂嵐の中を移動するレース車両 photo:Tim de Waele
砂嵐の中を移動するレース車両 photo:Tim de Waeleスタート地点に向かう車内で撮影した砂嵐の模様を選手たちがSNSに連投していたオマーン第5ステージの朝。強風に伴う砂嵐がコースを覆ったため、当初151kmで行われる予定のレースの前半部がカットされ、95kmで争われることが急遽決まった。
ファビアン・カンチェラーラ（スイス、トレックファクトリーレーシング）らを中心に意見をまとめる photo:Tim de Waele選手たちは新たなスタート地点までバスで移動し、午後1時半、KOMボシェル・アルアメラットを登っては下るシンプルな周回コースでレースは始動。しかし砂嵐に続いて、今度は暑さがレースにストップをかけた。
エディ・メルクス氏と意見を交わす選手たち photo:Tim de Waeleニュートラルスタートが切られてまもなく、気温と路面温度の高さからタイヤが破裂する選手が続出。ブレーキにトラブルを抱える選手も多数出たため、レースは再びストップする。気温は45度を超え、サイクルコンピューターが50度を指していたとコメントする選手もいたほど。タイヤやホイールに不安を抱えた状態で80km/hオーバーのダウンヒルを含むコースを走るのは危険であると選手たちは訴えた。
フィニッシュ地点に移動する選手たち photo:Tim de Waele「安全な状況ではなかった」。選手たちの輪の中で話をまとめたファビアン・カンチェラーラ（スイス、トレックファクトリーレーシング）はそう振り返る。「ニュートラルゾーンの下りが始まったところで他チームの選手にパンクが続出。リムから剥がれたチューブラータイヤをコミッセールに見せ、選手の意見としてキャンセルを求めた。オーガナイザーがステージキャンセルに同意してくれたことを嬉しく思う。彼らにとっては避けたい事態だったはず。正しい判断だったと思う」。
ステージキャンセル決定後、選手たちはフィニッシュ地点まで安全なスピードで走行。ステージ成績は争われず、ラファエル・バルス（スペイン、ランプレ・メリダ）が9秒の総合リードを守って最終日を迎えることとなった。
ステージキャンセルに異議を唱えたのは、総合逆転を狙っていた総合2位のティージェイ・ヴァンガーデレン（アメリカ、BMCレーシング）だ。「砂嵐に見舞われた前半部をカットしたことは正しい判断だった」と評価しながらも「再スタート後は決して危険な状態ではなかった。自分が見た限りでは、パンクが発生したのは特定のチームだけ。その他の90%のチームにとって問題のない状態だった。レースはいつだってリスキーであり、リスクを完全に取り払うことはできない。特定のチームの悪い機材によって、総合タイムを挽回するチャンスや、次なるレースに向けた乗り込みのチャンスが奪われてしまった」とコメントしている。
選手コメントはチーム公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2015第5ステージ結果
レースキャンセル
個人総合成績
1位 ラファエル・バルス（スペイン、ランプレ・メリダ） 18h05’54”
2位 ティージェイ・ヴァンガーデレン（アメリカ、BMCレーシング） +09”
3位 アレハンドロ・バルベルデ（スペイン、モビスター） +19”
4位 ラファル・マイカ（ポーランド、ティンコフ・サクソ） +32”
5位 ジャック・ジャンセヴァンレンスバーグ（南アフリカ、MTNキュベカ） +1’04”
6位 ルイス・マインティーズ（南アフリカ、MTNキュベカ）
7位 ヤコブ・フグルサング（デンマーク、アスタナ） +1’10”
8位 ベン・ヘルマンス（ベルギー、BMCレーシング） +1’15”
9位 ジュリアン・アレドンド（コロンビア、トレックファクトリーレーシング） +1’25”
10位 パトリック・コンラート（オーストリア、ボーラ・アルゴン18） +1’36”
ポイント賞
アンドレア・グアルディーニ（イタリア、アスタナ）
ヤングライダー賞
ルイス・マインティーズ（南アフリカ、MTNキュベカ）
チーム総合成績
BMCレーシング
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
砂嵐の中を移動するレース車両 photo:Tim de Waele砂嵐の中を移動するレース車両 photo:Tim de Waeleスタート地点に向かう車内で撮影した砂嵐の模様を選手たちがSNSに連投していたオマーン第5ステージの朝。強風に伴う砂嵐がコースを覆ったため、当初151kmで行われる予定のレースの前半部がカットされ、95kmで争われることが急遽決まった。ファビアン・カンチェラーラ（スイス、トレックファクトリーレーシング）らを中心に意見をまとめる photo:Tim de Waele選手たちは新たなスタート地点までバスで移動し、午後1時半、KOMボシェル・アルアメラットを登っては下るシンプルな周回コースでレースは始動。しかし砂嵐に続いて、今度は暑さがレースにストップをかけた。エディ・メルクス氏と意見を交わす選手たち photo:Tim de Waeleニュートラルスタートが切られてまもなく、気温と路面温度の高さからタイヤが破裂する選手が続出。ブレーキにトラブルを抱える選手も多数出たため、レースは再びストップする。気温は45度を超え、サイクルコンピューターが50度を指していたとコメントする選手もいたほど。タイヤやホイールに不安を抱えた状態で80km/hオーバーのダウンヒルを含むコースを走るのは危険であると選手たちは訴えた。フィニッシュ地点に移動する選手たち photo:Tim de Waele「安全な状況ではなかった」。選手たちの輪の中で話をまとめたファビアン・カンチェラーラ（スイス、トレックファクトリーレーシング）はそう振り返る。「ニュートラルゾーンの下りが始まったところで他チームの選手にパンクが続出。リムから剥がれたチューブラータイヤをコミッセールに見せ、選手の意見としてキャンセルを求めた。オーガナイザーがステージキャンセルに同意してくれたことを嬉しく思う。彼らにとっては避けたい事態だったはず。正しい判断だったと思う」。ステージキャンセル決定後、選手たちはフィニッシュ地点まで安全なスピードで走行。ステージ成績は争われず、ラファエル・バルス（スペイン、ランプレ・メリダ）が9秒の総合リードを守って最終日を迎えることとなった。
ステージキャンセルに異議を唱えたのは、総合逆転を狙っていた総合2位のティージェイ・ヴァンガーデレン（アメリカ、BMCレーシング）だ。「砂嵐に見舞われた前半部をカットしたことは正しい判断だった」と評価しながらも「再スタート後は決して危険な状態ではなかった。自分が見た限りでは、パンクが発生したのは特定のチームだけ。その他の90%のチームにとって問題のない状態だった。レースはいつだってリスキーであり、リスクを完全に取り払うことはできない。特定のチームの悪い機材によって、総合タイムを挽回するチャンスや、次なるレースに向けた乗り込みのチャンスが奪われてしまった」とコメントしている。
選手コメントはチーム公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2015第5ステージ結果
レースキャンセル
個人総合成績
1位 ラファエル・バルス（スペイン、ランプレ・メリダ） 18h05’54”
2位 ティージェイ・ヴァンガーデレン（アメリカ、BMCレーシング） +09”
3位 アレハンドロ・バルベルデ（スペイン、モビスター） +19”
4位 ラファル・マイカ（ポーランド、ティンコフ・サクソ） +32”
5位 ジャック・ジャンセヴァンレンスバーグ（南アフリカ、MTNキュベカ） +1’04”
6位 ルイス・マインティーズ（南アフリカ、MTNキュベカ）
7位 ヤコブ・フグルサング（デンマーク、アスタナ） +1’10”
8位 ベン・ヘルマンス（ベルギー、BMCレーシング） +1’15”
9位 ジュリアン・アレドンド（コロンビア、トレックファクトリーレーシング） +1’25”
10位 パトリック・コンラート（オーストリア、ボーラ・アルゴン18） +1’36”
ポイント賞
アンドレア・グアルディーニ（イタリア、アスタナ）
ヤングライダー賞
ルイス・マインティーズ（南アフリカ、MTNキュベカ）
チーム総合成績
BMCレーシング
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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