ともにツール・ド・フランスを落車リタイアし、ブエルタ・ア・エスパーニャで総合争いを繰り広げた2人のトップレーサーがスペインで始動。「ルタ・デル・ソル(太陽のレース)」と呼ばれるブエルタ・ア・アンダルシア(UCI2.1)で早速アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)が首位に立っている。



アンダルシアでシーズンインしたクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)アンダルシアでシーズンインしたクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Tim de Waele
スタートを待つアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)スタートを待つアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Tim de Waele第1aステージ ピム・リヒハルト(オランダ、ロット・ソウダル)第1aステージ ピム・リヒハルト(オランダ、ロット・ソウダル) photo:Tim de Waele


第1aステージを制したピム・リヒハルト(オランダ、ロット・ソウダル)第1aステージを制したピム・リヒハルト(オランダ、ロット・ソウダル) photo:Tim de Waele2月18日から22日まで、スペイン南部のアンダルシア地方を舞台に行われるブエルタ・ア・アンダルシア。オーストラリアや南米、中東などの遠隔地レースを避けた選手たちがここでスタートを切る。

第1bステージで優勝したハビエル・モレーノ(スペイン、モビスター)第1bステージで優勝したハビエル・モレーノ(スペイン、モビスター) photo:Tim de Waele奇しくも揃ってこのアンダルシアを開幕戦に選んだのはアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)とクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)の二強だ。ともに強力なアシスト陣を揃えてのシーズンデビューを迎える。

第1bステージ 2位に入ったウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)第1bステージ 2位に入ったウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ) photo:Tim de Waele他にもウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)やバウク・モレマ(オランダ、トレックファクトリーレーシング)、ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)らがアンダルシアに顔を揃えた。

第1bステージ4位のアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)第1bステージ4位のアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Tim de Waeleレース初日は午前中にロードレース、午後に個人タイムトライアルが行われるハーフステージ方式。平坦な121.3kmで行われた第1aステージはジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)のスプリント勝利に注目が集まったが、残り2kmを切って発生した大落車によって集団が分裂してしまう。混乱の隙をついて残り1.5kmでアタックしたピム・リヒハルト(オランダ、ロット・ソウダル)がフィニッシュまで独走した。

8.2kmの第1bステージ・個人タイムトライアルでトップタイムをマークしたのは地元アンダルシア出身のハビエル・モレーノ(スペイン、モビスター)。6秒差のステージ4位に入ったコンタドールが総合首位に立っている。

「結果的に良い成績で一日を終えることが出来たけど、それよりも自分のコンディションと感触の良さを感じることが出来てよかった。それに、午前中の落車に巻き込まれなくて良かったよ。4人後ろで落車が発生したので危なかった。まだレースは始まったばかりだし、総合2位以下の選手たちとの総合タイム差は僅か。総合首位に立ったことはそれほど重要じゃない」とコンタドール。翌日からはイヴァン・バッソ(イタリア)、ヘスス・エルナンデス(スペイン)、セルジオ・パウリーニョ(ポルトガル)らのサポートを受けてライバルたちを迎え撃つ。

対するフルームは14秒差のステージ10位に。5月のジロ・デ・イタリアと7月のツール・ド・フランスの「ダブルツール」を目標にしているコンタドールとは対照的に、3連覇がかかったツアー・オブ・オマーンをパスしたフルームは例年よりも遅めのシーズンイン。7月に向けてゆっくりとコンディショニングを行っている。2つある山岳ステージでは、ピーター・ケノー(イギリス)やニコラス・ロッシュ(アイルランド)、ミケル・ニエベ(スペイン)らとともにコンタドールを崩しにかかる。

選手コメントはチーム公式サイトより。



地元アンダルシアで勝利したハビエル・モレーノ(スペイン、モビスター)地元アンダルシアで勝利したハビエル・モレーノ(スペイン、モビスター) photo:Tim de Waele総合首位に立ったアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)総合首位に立ったアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Tim de Waele



ブエルタ・ア・アンダルシア第1aステージ
ラ・ラビダ〜イノホス 121.3km
1位 ピム・リヒハルト(オランダ、ロット・ソウダル)             3h01’44”
2位 ファビオ・シルベストレ(ポルトガル、トレックファクトリーレーシング)
3位 グレガ・ボーレ(チェコ、CCCスプランディポルコウィチェ)
4位 ミカエル・ファンスタイエン(ベルギー、コフィディス)
5位 タイラー・ファラー(アメリカ、MTNキュベカ)
6位 ミルコ・セルヴァッジ(イタリア、ワンティ・グループグベルト)
7位 エドワード・テウンス(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
8位 マチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCスプランディポルコウィチェ)
9位 ダニエーレ・ラット(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
10位 シュールト・ファンヒネケン(オランダ、ルームポット)

ブエルタ・ア・アンダルシア第1bステージ
コリア・デル・リオ 8.2km
1位 ハビエル・モレーノ(スペイン、モビスター)                9’51”
2位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)             +02”
3位 ジェローム・コッペル(フランス、IAMサイクリング)             +04”
4位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)          +06”
5位 ボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング)
6位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)              +07”
7位 ゴルカ・イサギーレ(スペイン、モビスター)                 +11”
8位 ジェローム・ピノー(フランス、IAMサイクリング)
9位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ)              +13”
10位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)                +14”

個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)         3h11'43"
2位 ボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング)
3位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)              +01"
4位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)                 +08”
5位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、IAMサイクリング)
6位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)                 +12"
7位 イヴァン・バッソ(イタリア、ティンコフ・サクソ)              +17"
8位 エドワード・テウンス(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)       +18"
9位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)          +20"
10位 ミカエル・アンデルセン(デンマーク、ティンコフ・サクソ)

山岳賞
カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームスカイ)

ポイント賞
ピム・リヒハルト(オランダ、ロット・ソウダル)

チーム総合成績
チームスカイ

text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele