2月8日、スイス・グレンヘンのヴェロドロームでローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)がアワーレコードに挑戦。ブランドルの記録を639m上回る52.491kmの新記録を樹立した。



一定ペースを刻むローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)一定ペースを刻むローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Tim de Waele


スイス・グレンヘンのヴェロドロームを駆けるローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)スイス・グレンヘンのヴェロドロームを駆けるローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Tim de Waele56x14を装着したBMCのスペシャルバイクを駆り、1時間に52.491kmを走りきったデニス。1月のツアー・ダウンアンダーで総合優勝を果たした24歳が歴史に名前を刻んだ。UCI(国際自転車競技連合)のルール改訂後に52kmの壁を破ったのはデニスが初めて。

52.491kmという新記録を樹立したローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)52.491kmという新記録を樹立したローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Tim de WaeleBMC社が本社を置くスイス・グレンヘンのヴェロドロームで行われたアワーレコードの挑戦。開始から30分が経過した時点でデニスは52.7kmペースを維持。後半にかけて少し失速したものの、1時間まで90秒を残してブランドルの51.852kmを通過し、そこからさらに記録を639m伸ばした。

アワーレコード挑戦を発表した際に「目標は52.5km」と語っていたデニスの記録は52.491km。「前半から突っ込みすぎたけど、快適に走り続けることが出来た。折り返しの時点でも感触はよく、これは行けると思った。後半は毎周回秒単位でのペース調整になったよ。ひたすら同じペースを刻んだ。最後の50周は全開だった」と新記録を樹立したデニスは語る。

「新記録を楽しめないほど苦しんだというのが正直なところ。疲れ切っているけど、自分の走りを誇りに思う。ツアー・ダウンアンダーからこの挑戦に至るまでの調整はストレスフルだったけど、プレッシャーは無かった。全てが完璧だった。今はホッとしているよ」。

今回のデニスの新記録についてUCIのブライアン・クックソン会長は「初めて52kmを超える記録を打ち立てたローハンのパフォーマンスは素晴らしかった。ツアー・ダウンアンダーに続く偉業であり、シーズン最初から彼のパフォーマンスが冴えている。ヨーロッパの外からやってきた選手がこの由緒正しき記録を打ち立てたことを嬉しく思う。男女ともに、さらなるアワーレコードへの挑戦を楽しみにしている」とコメントしている。

UCIのルール改訂後、イェンス・フォイクト(ドイツ)がまず2014年9月に51.115kmの新記録を打ち立て、同年10月にマティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)が51.852kmをマーク。今年に入ってジャック・ボブリッジ(オーストラリア、バジェットフォークリフツ)が挑んだものの51.300kmに終わっていた。今後、鎖骨骨折によって挑戦を延期したアレックス・ダウセット(イギリス、モビスター)や、2015年のチーム契約を結べずにいるトーマス・デッケル(オランダ)、2013年ロード世界選手権個人TTで6位に入ったラスムスクリスティアン・クアーデ(デンマーク)、さらにはブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)やトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)もアワーレコードに挑戦予定。デニスが新たに打ち立てた52.491kmが指標となる。



スイス・グレンヘンでアワーレコードを樹立したローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)スイス・グレンヘンでアワーレコードを樹立したローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Tim de Waele



text:Kei Tsuji

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