ドバイツアー第3ステージは17%に達する激坂での登りスプリントをジョン・デゲンコルブが制した。同時に総合成績でもマーク・カヴェンディッシュに対し4秒差をつけ、首位にたった。
ラクダがプロトンを見守るドバイツアー第3ステージ photo:RCS Sport
ファットバイクにのった地元ライダーが観戦中 photo:RCS Sport
砂漠の中をいくプロトン photo:RCS Sport
バルベルデのために集団を牽引するモビスター photo:RCS Sport
子どもたちが応援してくれる photo:RCS Sportペルシャ湾を望む沿海部から、荒涼とした内陸へと向かう205kmの第3ステージ。これまでのフルフラットだった第1、第2ステージとは異なり、短いもののパンチのきいた登りが登場する。
カテゴリ山岳になるほどではないが、コース後半に現れるカルバトンネルへの登りは2.5kmで平均9%と、レース展開を左右する可能性のある登りだ。加えて、ゴールとなるハッタダムの手前には17%をこえる激坂が現れ、ピュアスプリンターにとっては厳しいレイアウト。ちなみに、最高標高地点は440mなので、昨日近くを走ったブルジュハリファの828mには残念ながら及ばない。
レース開始からしばらくは逃げは決まらず、決定的な逃げが決まったのはおよそ40kmを走った後。逃げを形成したのはルカ・ピベルニク(スロベニア、ランプレ・メリダ)、ウラジミール・グセフ(ロシア、スカイダイブドバイ)、モハメド・アル・ムライ(アラブ首長国連邦、スカイダイブドバイ)、マルティン・ヴェルスコール(オランダ、ノボノルディスク)、アレッサンドロ・バッサーナ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)の5名。
最大9分のタイム差を稼いだ5人だったが、総合リーダーを擁するエティックス・クイックステップや、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)のステージ優勝を狙うモビスターが中心となった追走により、タイム差はどんどんと詰まっていく。
カルバトンネルへの登りで、総合リーダーのマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)が遅れる場面もあったが、チームメイトの助けもあり集団に無事復帰している。そして最後まで逃げ続けたピベルニクとバッサーナも残り33km地点で吸収された。
振り出しに戻ったところで、フランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブドバイ)がアタック。そこにアンヘル・ビシオソ(スペイン、カチューシャ)とラース・ボーム(オランダ、アスタナ)が加わる。確かなリードを築きあげた3人だが、ゴールへと向けてスピードを上げる集団には及ばず、残り5.5kmで吸収される。
フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)での勝利を狙うBMCレーシングと、フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ランプレ・メリダ)を擁するランプレ・メリダが集団を牽引するが、残り1kmで前に出てきたのはジャイアント・アルペシン。ジョバンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)らのアタックをものともせずに、ゴールへとハイペースで突き進んでいく。
最初に仕掛けたのは、アレクセイ・ルトセンコ(カザフスタン、アスタナ)。しかしギア選択を間違えたか最後の激坂区間で脚が止まる。その横を異次元のスピードで抜き去ったジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアントアルペシン)が、追いすがるバルベルデに2秒差をつけてゴールに飛び込んだ。
ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシンを先頭に渾身のスプリントでゴールに向かう photo:RCS Sport
全力を振り絞ってゲートをくぐったデゲンコルブ photo:RCS Sport
表彰台ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン) photo:RCS Sportゴール後に倒れこむほどの気迫に満ちたスプリントを見せてくれたデゲンコルブ。「今日は本当にタフなゴールだった。チームがレース全体を通してサポートしてくれた。僕らのチームは本当に賢いレース展開を作れたと思う。ラスト500m地点でチームメイトもまだたくさんいたしね。特にずっと前を引いてくれたルーカ・メスゲツには本当に助けられた。
スプリント自体は200メートルを切ってから開始した。今日みたいな急な登りだと、平坦なスプリントの倍の距離とほとんど同じ。すごくつらかったけれど、その距離が、総合成績にもつながったので早めに仕掛けて成功だったと思う。
後ろのライバルたちは、ゴールラインまでに差せると思っていたんだろうけど、後ろを見ずに完璧なスプリントができた。そうそう、スプリントの出力を確認したら、驚くような数字だったよ。
明日は総合首位を守り抜くために出来ることは何でもやるつもりだ。きっと厳しい戦いになるだろうけれど、ボーナスタイムを獲得して、最高の結果をもってレースを締めくくりたい。それはけして不可能じゃないと思う。そう、何事にも不可能ってことはないんだよ、ドバイみたいにね。」
ドバイツアー2015第3ステージ結果
個人総合成績
ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)
新人賞
ミカエル・アンデルセン(デンマーク、ティンコフ・サクソ)
text:Naoki.YASUOKA
photo:CorVos,RCSsports





カテゴリ山岳になるほどではないが、コース後半に現れるカルバトンネルへの登りは2.5kmで平均9%と、レース展開を左右する可能性のある登りだ。加えて、ゴールとなるハッタダムの手前には17%をこえる激坂が現れ、ピュアスプリンターにとっては厳しいレイアウト。ちなみに、最高標高地点は440mなので、昨日近くを走ったブルジュハリファの828mには残念ながら及ばない。
レース開始からしばらくは逃げは決まらず、決定的な逃げが決まったのはおよそ40kmを走った後。逃げを形成したのはルカ・ピベルニク(スロベニア、ランプレ・メリダ)、ウラジミール・グセフ(ロシア、スカイダイブドバイ)、モハメド・アル・ムライ(アラブ首長国連邦、スカイダイブドバイ)、マルティン・ヴェルスコール(オランダ、ノボノルディスク)、アレッサンドロ・バッサーナ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)の5名。
最大9分のタイム差を稼いだ5人だったが、総合リーダーを擁するエティックス・クイックステップや、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)のステージ優勝を狙うモビスターが中心となった追走により、タイム差はどんどんと詰まっていく。
カルバトンネルへの登りで、総合リーダーのマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)が遅れる場面もあったが、チームメイトの助けもあり集団に無事復帰している。そして最後まで逃げ続けたピベルニクとバッサーナも残り33km地点で吸収された。
振り出しに戻ったところで、フランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブドバイ)がアタック。そこにアンヘル・ビシオソ(スペイン、カチューシャ)とラース・ボーム(オランダ、アスタナ)が加わる。確かなリードを築きあげた3人だが、ゴールへと向けてスピードを上げる集団には及ばず、残り5.5kmで吸収される。
フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)での勝利を狙うBMCレーシングと、フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ランプレ・メリダ)を擁するランプレ・メリダが集団を牽引するが、残り1kmで前に出てきたのはジャイアント・アルペシン。ジョバンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)らのアタックをものともせずに、ゴールへとハイペースで突き進んでいく。
最初に仕掛けたのは、アレクセイ・ルトセンコ(カザフスタン、アスタナ)。しかしギア選択を間違えたか最後の激坂区間で脚が止まる。その横を異次元のスピードで抜き去ったジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアントアルペシン)が、追いすがるバルベルデに2秒差をつけてゴールに飛び込んだ。



スプリント自体は200メートルを切ってから開始した。今日みたいな急な登りだと、平坦なスプリントの倍の距離とほとんど同じ。すごくつらかったけれど、その距離が、総合成績にもつながったので早めに仕掛けて成功だったと思う。
後ろのライバルたちは、ゴールラインまでに差せると思っていたんだろうけど、後ろを見ずに完璧なスプリントができた。そうそう、スプリントの出力を確認したら、驚くような数字だったよ。
明日は総合首位を守り抜くために出来ることは何でもやるつもりだ。きっと厳しい戦いになるだろうけれど、ボーナスタイムを獲得して、最高の結果をもってレースを締めくくりたい。それはけして不可能じゃないと思う。そう、何事にも不可能ってことはないんだよ、ドバイみたいにね。」
ドバイツアー2015第3ステージ結果
1位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアントアルペシン)
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
3位 フアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)
4位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ランプレ・メリダ)
5位 マルコ・カノーラ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
6位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
7位 グレガ・ボーレ(スロベニア、CCCスプランディポルコワイス)
8位 ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング)
9位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
10位 エドガー・ピント(イタリア、スカイダイブドバイ)
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
3位 フアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)
4位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ランプレ・メリダ)
5位 マルコ・カノーラ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
6位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
7位 グレガ・ボーレ(スロベニア、CCCスプランディポルコワイス)
8位 ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング)
9位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
10位 エドガー・ピント(イタリア、スカイダイブドバイ)
4h50'40"
+02"
+07"
+02"
+07"
個人総合成績
1位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアントアルペシン)
2位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
4位 フアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)
5位 アレッサンドロ・バッザーナ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
6位 グレガ・ボーレ(スロベニア、CCCスプランディポルコワイス)
7位 マルコ・カノーラ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
8位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
9位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ランプレ・メリダ)
10位 エドガー・ピント(イタリア、スカイダイブドバイ)
2位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
4位 フアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)
5位 アレッサンドロ・バッザーナ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
6位 グレガ・ボーレ(スロベニア、CCCスプランディポルコワイス)
7位 マルコ・カノーラ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
8位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
9位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ランプレ・メリダ)
10位 エドガー・ピント(イタリア、スカイダイブドバイ)
12h45'29"
+04"
+06"
+08"
+11"
+12"
+17"
+04"
+06"
+08"
+11"
+12"
+17"
ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)
新人賞
ミカエル・アンデルセン(デンマーク、ティンコフ・サクソ)
text:Naoki.YASUOKA
photo:CorVos,RCSsports
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