2012年のツール・ド・フランス覇者ブラドレー・ウィギンズ(イギリス)が2015年4月のパリ〜ルーベを最後にチームスカイを離れることが決まった。ウィギンズはUCIコンチネンタルチームのチームウィギンズを立ち上げ、2016年のリオ五輪トラックレースに向けた準備に集中する。



パリ・ルーベ2014  石畳でアタックを仕掛けるブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)パリ・ルーベ2014 石畳でアタックを仕掛けるブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:Tim de Waele


初のカリフォルニア総合優勝を果たしたブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)初のカリフォルニア総合優勝を果たしたブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:Cor Vos2014年にツアー・オブ・カリフォルニアで総合優勝を飾り、ロード世界選手権タイムトライアルで優勝したウィギンズがチームスカイと契約を更新した。しかしその契約は4月30日まで。つまりウィギンズがシーズン半ばでチームスカイを去ることが決まった。

下りを攻めるブラドレー・ウィギンズ(イギリス)下りを攻めるブラドレー・ウィギンズ(イギリス) photo:Tim de Waele「2015年4月末まで契約を更新したことを嬉しく思う。チームスカイには(2010年の)結成時から所属してきた。すでに多くの素晴らしい成功を経験してきたが、最後まで成功を追い求めたい。チームの枠に納まらないスカイの自転車競技への貢献は、イギリスにおける自転車の視野を変えた。その一端を担ったことを誇らしく思う」とプレスリリースの中でウィギンズはコメントしている。

アルカンシェルを手にしたブラドレー・ウィギンズ(イギリス)アルカンシェルを手にしたブラドレー・ウィギンズ(イギリス) photo:Tim de Waeleウィギンズがチームスカイの一員として走る最後のレースは「北の地獄」ことパリ〜ルーベだ。ウィギンズは「パリ〜ルーベは自分にとって特別なレースであり、チームスカイジャージでもう一度活躍したいという使命感をもっている。シーズンの中で最も過酷なレースであり、昨年の9位を上回る結果を出したい」と語る。

チーム離脱後は2016年リオ五輪のトラックレースに向けた準備に100%集中する。これまで五輪トラックレースで合計3つ、世界選手権トラックレースで合計6つの金メダルを獲得しているウィギンズが、2012年ツール制覇や2014年ロード世界選手権TT制覇をはじめとするビッグタイトルを胸に、再びトラックレースにフォーカスする。

なお、ウィギンズが2015年新たに立ち上げたチームウィギンズはすでにUCIコンチネンタルチームとして登録済み。ウィグル・ホンダで監督を務めていたサイモン・コープ氏が率いる同チームには、ブリティッシュサイクリング五輪ポディウムプログラムの中長距離選手が多数所属している。チームは2015年1月末のチャレンジマヨルカでデビュー予定だ。

当然ウィギンズもチームウィギンズに加わることが予想されており、ツアー・オブ・ブリテンをはじめとする国内外のUCIレースでの活躍が期待される。ウィギンズは2015年度中のアワーレコード挑戦も表明しており、今後も注目の存在であることに変わりはない。

text:Kei Tsuji

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