多くの市民レーサーがシーズン終わりの集大成として位置づけるおきなわ。頂点である210kmの他にも、50km各クラスと、100km、140kmではそれぞれ熱い戦いが繰り広げられた。その模様をダイジェストでレポートします。



ツール・ド・おきなわ市民140km

市民210kmから、本部半島部分をカットしたコースを走る140km。しかし2回登場する普久川ダムの登りなど、難易度は210kmに次いで非常に高いと言える。アップダウンを耐えた集団によるスプリントになることが多いこのクラスだが、今年は昨年に続く逃げ切り勝利が決まった。

市民140km 羽地ダムをこなす根元侑(内房レーシング)市民140km 羽地ダムをこなす根元侑(内房レーシング) photo:Hideaki.Takagi市民140km 2位グループ市民140km 2位グループ photo:Hideaki.Takagi

市民140km 独走で根本侑(内房レーシング)がゴールに飛び込む市民140km 独走で根本侑(内房レーシング)がゴールに飛び込む photo:So.Isobe
市民140km 表彰台市民140km 表彰台 photo:Hideaki.Takagi勝利を決定づけるアタックが決まったのは、ゴールまで30kmを残した最後の補給地点。内房レーシングクラブの根本侑が抜け出し、およそ1時間に渡る独走を成功させゴールへと飛び込んだ。2位を獲ったのは武富康平(SEKIYA)。

「本当は残り20kmから抜け出す予定でしたが、距離を間違えて30km逃げることになってしまいました(笑)。バイクの無線の調子が悪くタイム差が分からなかったので不安を持ちながらの逃げ。羽地ではインナーローでしたが、なんとか逃げ切れました。」とは根元。「沖縄までアテンドしてくれたチームメイトがいなければ参加すらできなかった。感謝したいですね」と仲間への感謝を口にした。

ツール・ド・おきなわ市民140km結果
1位 根元侑(内房レーシング)           
2位 武富康平(SEKIYA)                
3位 落合明
4位 中村俊介(SEKIYA)
5位 岡理裕
6位 柴田佳典(TeamOyajiAsaren)
4h08'09"
+1'55"

+2'03"
+3'20"
+4'07"




ツール・ド・おきなわ市民100kmオーバー40、アンダー39

市民100kmオーバー40 羽地ダムを登る集団市民100kmオーバー40 羽地ダムを登る集団 photo:Hideaki.Takagi本島最北端に位置する国頭村奥やんばるの里をスタートし、普久川ダムの登りを1回上った後は210km、140kmと同じルートをなぞる市民100km。今年は参加枠を増やすため、オーバー40とアンダー39という2部門に分かれてのレースとなった。

オーバー40では羽地ダムの登りで人数を減らした先頭グループがゴールへと到達し、7人のゴールスプリントが繰り広げられた。伸びのあるスプリントで先頭を奪ったのは岩瀬一憲(しげるん)。「最後は優勝するか7位になるかドキドキでしたが、なんとか勝つことができました。良かったですね。」とコメントした。

市民100kmオーバー40 岩瀬一憲(しげるん)がゴール勝負を制する市民100kmオーバー40 岩瀬一憲(しげるん)がゴール勝負を制する photo:So.Isobe
市民100kmアンダー39 3名によるゴール勝負を永瀬勝彬が制す市民100kmアンダー39 3名によるゴール勝負を永瀬勝彬が制す photo:So.Isobe
そしてアンダー39では3人による先頭グループがゴールまでたどり着き、永瀬勝彬と香川博のイナーメ・信濃山形が有利な形でスプリント。永瀬勝彬が木下翔平(コムリン)を下して勝利した。「最後の羽地ダムが勝負になるとふみ、周りの強い選手をチェックしながら走っていましたね。最後は2対1の展開に持ち込めたので、ゴールでは有利に勝負を進めることができました。」と語った。

ツール・ド・おきなわ市民100kmオーバー40結果
1位 岩瀬一憲(しげるん)                    3h12'30"
2位 中村義竜(Team サコッシュ)
3位 渡辺敦史(Team GIRO)
4位 平瀬拓郎(エイル宮崎レーシング)
5位 新井隆司(COGS)
6位 ダグ・ダルペッツォ(Bikeshop SPIRITO)

ツール・ド・おきなわ市民100kmアンダー39結果
1位 永瀬勝彬
2位 木下翔平(コムリン)
3位 香川博(イナーメ・信濃山形)
4位 東智博(MKⅢ)
5位 金城直樹(宮古島サイクリングチーム 風)
6位 岩井宏彰(カヤマレーシング)
3h09'05"


+37"






ツール・ド・おきなわ市民レース50km

本部半島を一周して争われる50kmレース。美ら島水族館前の登りなど勝負所は多く存在するが、毎年集団スプリントに持ち込まれるのが通例だ。

ツール・ド・おきなわ市民50kmオーバー50 本部半島の海岸線を行く集団ツール・ド・おきなわ市民50kmオーバー50 本部半島の海岸線を行く集団 photo:So.Isobe
まずゴールに飛び込んできたのはオーバー50。昨年集団の先頭を獲りながらも逃げ切りを許し2位に甘んじた福島雄二(ベステックス)が今年も圧倒的なスプリントを披露して優勝。2位には坂本祥一(サイクルプラス福岡)が、3位には遠山良夫(プラシーボ)が入った。

フォーティーも大集団によるゴールスプリントが繰り広げられ、後方で落車が発生する中白鳥興寛(A.R.C.Cレーシングクラブ)が後続を大きく引き離すスプリントで勝利。2位には岡野哲也(SPACE ACE)、3位は宮本利彦。

市民50kmオーバー50 福島雄二(ベステックス)が圧倒的なスプリントで優勝市民50kmオーバー50 福島雄二(ベステックス)が圧倒的なスプリントで優勝 photo:So.Isobe市民50kmフォーティー 白鳥興寛(A.R.C.Cレーシングクラブ)がスプリント勝利市民50kmフォーティー 白鳥興寛(A.R.C.Cレーシングクラブ)がスプリント勝利 photo:So.Isobe


サーティーでは過去に優勝経験を持つ遠藤優が中盤から仲松千尋(やんばら〜ず)を引き連れて逃げ、ゴール前で仲松を引き離して独走勝利を飾った。1分半遅れの集団争いを制したのは具志堅哲也。

市民50kmアンダー29でも逃げ切り勝利が決まる。中盤から独走した23歳の森田裕紀(GreenSCT)が狙い澄ましたアタックで抜け出し、そのまま大集団を尻目にゴールまで逃げ切ってみせた。1分52秒遅れの集団の頭は高良和郎(沖縄国際大学自転車競技部)が獲り、2位を獲得。「一昨年は140kmで28位、昨年は210kmで足切り。今年は勝つつもりでした。」と語る。

市民50kmサーティー 遠藤優が独走勝利市民50kmサーティー 遠藤優が独走勝利 photo:So.Isobe市民50kmアンダー29 森田裕紀(GreenSCT)が独走でゴールに飛び込む市民50kmアンダー29 森田裕紀(GreenSCT)が独走でゴールに飛び込む photo:So.Isobe

市民レディース 松井優佳(大阪府自転車競技連盟)が勝利市民レディース 松井優佳(大阪府自転車競技連盟)が勝利 photo:So.Isobe中学生レース50km 成海大聖(チームコメス)が独走勝利を飾る中学生レース50km 成海大聖(チームコメス)が独走勝利を飾る photo:So.Isobe


そして市民50km唯一の女子レースであるレディースクラスは5名によるゴール勝負で決着。ゴール前で伸びた松井優佳(大阪府自転車競技連盟)が儀間光希らを下してガッツポーズ。3位には田島洋子が入っている。

中学生クラスでは成海大聖(チームコメス)による逃げ切り勝利が決まり、ゴールライン上では力強いガッツポーズが繰り出された。54秒遅れの2位は陳柏維(台湾)、同タイムの3位は佐藤健。

ツール・ド・おきなわ市民50kmオーバー50結果
1位 福島雄二(ベステックス)                   1h22'232
2位 坂本祥一(サイクルプラス福岡)
3位 遠山良夫(プラシーボ)
4位 上園展生(PMW)
5位 賢賀雅紀(ニコンレーシング)
6位 安和守夫

ツール・ド・おきなわ市民50kmフォーティー結果
1位 白鳥興寛(A.R.C.Cレーシングクラブ)              1h19'21"
2位 岡野哲也(SPACE ACE)
3位 宮本利彦
4位 重田一義
5位 谷口敦史(ぼらC.C)
6位 仲原哲(チーム池原)

ツール・ド・おきなわ市民50kmサーティー結果
1位 遠藤優
2位 仲松千尋(やんばら〜ず)
3位 具志堅哲也
4位 仲田裕一郎(チームイトマン)
5位 和宇慶哲郎(カデナロケッツふぇーぬかじ)
6位 仲松太一郎(チームけんしん)
1h20'40"
+25"
+1'34"


+1'40"


ツール・ド・おきなわ市民50kmアンダー29結果
1位 森田裕紀(GreenSCT)
2位 高良和郎(沖縄国際大学自転車競技部)
3位 新城直明(チームけんしん)
4位 飯塚航 
5位 湧川将樹
6位 井下晴登(DOKYU HOKKAIDO)
1h19'36"
+1'52'


+2'01"
+2'05"


ツール・ド・おきなわ市民レディース結果
1位 松井優佳(大阪府自転車競技連盟)
2位 儀間光希
3位 田島洋子
4位 リディア・ダール(komesu)
5位 成海綾香(チームコメス)
6位 鶴田美智留(southcrank)
1h26'19"




+10"


中学生レース50km
1位 成海大聖(チームコメス)
2位 陳柏維(台湾)
3位 佐藤健
1h23'48"
+54"



小学生10km
1位 山城侑大(チームゴーヤ)
2位 北西佳暢(苦楽園小学校)
3位 和宇慶悠之郎(カデナロケッツふぇーぬかじ)
14'28"
+41"
+1'12"


text:So.Isobe
photo:Hideaki.Takagi


最新ニュース(全ジャンル)