今年で8回目となる埼玉県自転車タイムトライアル・ロードレースが、5月11日に埼玉県加須市で開催された。男子Aではポール・ソールスベリーが、女子オープンでは須藤むつみが昨年に続いて優勝。チームTTはイナーメ信濃山形が優勝し、加須こいのぼり杯を獲得した。



個人TT 3連覇を達成したポール・ソールズベリー(イナーメ信濃山形)個人TT 3連覇を達成したポール・ソールズベリー(イナーメ信濃山形) photo:Satoru.Kato
スタートゲートから10秒〜15秒間隔で出走する個人TTスタートゲートから10秒〜15秒間隔で出走する個人TT photo:Satoru.Kato近年、数が増えてきているタイムトライアルの大会だが、埼玉県自転車競技連盟が主催するこの大会は草分け的存在である。

利根川河川敷に設定されるコースはフラットで初心者でも走りやすく、何の気兼ねなくタイムトライアルバイクを走らせる事が出来るとあって、埼玉県近隣だけでなく、遠方からのリピーターも多い。また、チーム・タイムトライアル部門がある事も特色で、個人TTと併せてダブルエントリーも可能。一日中タイムトライアルに没頭する事も可能だ。

個人TT 2位のステファノ・ヨルダン(FAST LANE RACING)個人TT 2位のステファノ・ヨルダン(FAST LANE RACING) photo:Satoru.Kato今回から開催地である加須市(かぞし)の協力を受け、加須の特産品「こいのぼり」にちなんで「加須こいのぼり杯」として開催される事になった。会場にはこいのぼりが飾られ、チームTTの優勝チームには「こいのぼり杯」が授与される。

個人TT 3位の倉林貴彦(なるしまフレンドレーシングチーム)個人TT 3位の倉林貴彦(なるしまフレンドレーシングチーム) photo:Satoru.Kato個人TTには11クラス計259人、チームTTには2クラス計52チームがエントリー。前日までは嵐のような強風が吹き荒れていたが、当日はほぼ無風。気温は25度以上になり、日焼けするほどの日差しの下、大会は行われた。

個人TT、男子A(エリート+U23)は、ポール・ソールスベリー(イナーメ信濃山形)が3連覇

個人TT Aクラス表彰個人TT Aクラス表彰 photo:Satoru.Katoトップカテゴリーとなる男子Aは85人がエントリーし、20kmで争われた。24番目にスタートしたステファノ・ヨルダン(FAST LANE RACING)が、26分30秒を出し暫定トップ。

その後、昨年3位の倉林貴彦(なるしまフレンドレーシングチーム)や、同4位の林航平(VENTOS TOKYO)、同5位の大谷一弘(シエルヴォ奈良)、中村龍太郎(イナーメ信濃山形)、香西真介(チバポンズ)らが26分台をマークするものの、トップタイムを更新するには至らない。そして最後にスタートした昨年優勝のポール・ソールスベリー(イナーメ信濃山形)が、26分17秒を出し、トップタイムを更新。大会3連覇を達成した。

ポール・ソールスベリーのコメント

昨年は大差で勝てたけれど、年々レベルが上がってきて今年は僅差でなんとか勝てたという感じでした。このコースは10km過ぎから15kmまでの区間でペースを落とさないようにする事が重要で、なるべく出力を落とさないようにペース配分するのがポイント。でも今年は、残り4kmが向かい風気味でスピードにうまく乗れなかったので、タイムがあまりよくありませんでした。来年は4連覇を目指します。

男子A(A登録 U23・エリート) 結果
1位 Sauliousbury Paul イナーメ信濃山形 26分17秒182
2位 Stefano Giordano FAST LANE RACING 26分30秒653
3位 倉林貴彦 なるしまフレンドレーシングチーム 26分35秒302
4位 林 航平 VENTOS TOKYO 26分42秒758
5位 中村龍太郎 イナーメ信濃山形 26分46秒190
6位 大谷一弘 シエルヴォ奈良 26分58秒143



女子オープンは須藤むつみ(Ready Go JAPAN)が連覇

個人TT女子 2位以下に大差で優勝した須藤むつみ(Ready Go Japan)個人TT女子 2位以下に大差で優勝した須藤むつみ(Ready Go Japan) photo:Satoru.Kato10kmで争われた女子オープンには12人がエントリー。最後にスタートした昨年優勝の須藤むつみ(Ready Go JAPAN)が、前走者全員を抜き去る力走で2連覇を達成。2位に約1分の差を付けての圧勝となった。

個人TT女子 表彰個人TT女子 表彰 photo:Satoru.Kato須藤むつみのコメント

優勝した経験はあるけど連覇は初めてなので嬉しいです。今回は昨年の自分の記録を上回る事と、TTが初めてのチームメートを見守る事を目標として走りました。昨年は残り2kmのペース配分を失敗してしまったので、最後まで追い込めるペースを考えて臨みました。来月には全日本選手権タイムトライアルも控えているので、良いシミュレーションになったと思います。

F(オープン女子)結果
1位 須藤むつみ Ready Go JAPAN 16分4秒331
2位 高山真由子 竹芝サイクルレーシング 17分3秒496
3位 高橋由圭 Ready Go JAPAN 17分19秒364
4位 斉藤千夏 Ready Go JAPAN 17分29秒144
5位 横山幸子 ORCA CO.,LTD 17分56秒925
6位 風間 望 18分20秒094



加須こいのぼり杯はイナーメ信濃山形に

チームTT 優勝したイナーメ信濃山形チームTT 優勝したイナーメ信濃山形 photo:Satoru.Kato
チームTT 3位のなるしまフレンドKYKチームTT 3位のなるしまフレンドKYK photo:Satoru.KatoチームTT 2位のFLR beer powerチームTT 2位のFLR beer power photo:Satoru.Kato


午後から行われたチームTTは20kmで争われ、A登録チームのクラスとB登録チームのクラスの2つに分けて行われた。

チームTT A登録チーム表彰チームTT A登録チーム表彰 photo:Satoru.Kato加須こいのぼり杯が懸かったA登録クラスでは、個人TTで優勝したポール・ソールスベリーを含むイナーメ信濃山形がトップタイムを記録。最後にスタートした前年優勝チームのなるしまフレンドKYKは「直前にスタートしたイナーメチームを意識しすぎて、ペースを乱してしまった」事から、途中で1人を欠く厳しいレースに。結局トップタイム更新はならず、3位に終わった。

イナーメ信濃山形(ポール・ソールズベリー、中村龍太郎、高山亮寛)のコメント

今年は最強メンバーで臨んで優勝出来たので嬉しいです。それぞれが調子が良かったので、誰か1人に頼る事なくペースを保てたのが勝因だと思います。

チームTT A登録 結果
1位 イナーメ信濃山形 25分14秒959
2位 FLR beerpower 26分6秒363
3位 なるしまフレンドKYK 26分30秒424

表彰式やその他写真はフォトギャラリーから!



その他結果
B(A登録 U23・エリート)10km
1位 山本健一 なるしまフレンド 14分6秒111
2位 菅原秀一 Synerzy 14分25秒811
3位 澤田 光 14分34秒621

C(A登録 40歳〜49歳)10km
1位 加藤明豊 RITHCHY BREZZAカミハギRT 14分6秒525
2位 岡田修一 MORNING STAR 14分16秒432
3位 上澤 剛 14分20秒852

D(A登録 50歳〜59歳)10km
1位 五味 実 SEKIYA 15分19秒759
2位 田中克典 シクロクラブ 15分26秒829
3位 秋郷伸一 パインヒルズ‘90 15分27秒088

E(A登録 60歳以上)10km
1位 小林英樹 COGS 16分1秒042
2位 渡辺正彦 ALPHWAK 16分28秒081
3位 藤田照夫 18分5秒854

H(A登録 男子高校生)10km
1位 藤田一鷹 狭山工業高校 15分15秒179
2位 岸 嵩寛 日大豊山高等学校自転車部
3位 袖山耕輔 日大豊山高等学校自転車部 15分22秒685

I(B登録 高校生〜39歳)10km
1位 田中数馬 14分28秒316
2位 岩田雄司 TEAM・Y 14分44秒337
3位 南 潤 15分5秒794

J( B登録 40歳〜49歳)10km
1位 小野澤 修 15分7秒838
2位 松井 快 15分10秒711
3位 岡崎 崇 15分19秒905

K(B登録50歳〜59歳)10km
1位 忍田隆広 Synerzy 14分33秒517
2位 小野 忠 パインヒルズ‘90 14分43秒495
3位 石川智之 チーム物見山 15分3秒522

L(B登録 60歳以上)10km
1位 大塚和平 15分4秒880
2位 中村宗哲 ラバネロ 16分47秒547
3位 小笠原敏孝 ARAI MURACA 17分6秒270

チームTT B登録 20km
1位 チバポンズ&毒?企鵝 26分45秒972
2位 チーム・Y/志木A 27分4秒541
3位 synerzy TTT 27分47秒180

text&photo:Satoru.Kato

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