向かう所敵なしのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が、前日&前々日に続いて、1級山岳の山頂フィニッシュまで制してみせた。ステージ3連勝のバルベルデは大会3連覇に向かって突き進んでいる。



メイン集団を牽引するブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)メイン集団を牽引するブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:Cor Vos


ブエルタ・ア・アンダルシア2014第2ステージブエルタ・ア・アンダルシア2014第2ステージ image:www.vueltaandalucia.es激しい攻防が繰り広げられた第1ステージから一夜明け、第2ステージは1級山岳シエラ・デ・カブラ(平均勾配6.7%・登坂距離7.5km)にフィニッシュする197kmのクイーンステージ。序盤から細かいアップダウンの連続で、一日の獲得標高差は3400mに達する(ステージ14位に入ったテンダムのSTRAVAログはこちら)。

マルケル・イリサール(スペイン、トレックファクトリーレーシング)ら7名が逃げるマルケル・イリサール(スペイン、トレックファクトリーレーシング)ら7名が逃げる photo:Cor Vosレースを徹底的にコントロールしたのはバルベルデ擁するモビスター。レース序盤に形成されたマルケル・イリサール(スペイン、トレックファクトリーレーシング)やサイモン・ゲシュケ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)ら7名の逃げグループとのタイム差を5分以内に抑え込み、後半の勝負どころに備える。

アンダルシアの街並を抜けるアンダルシアの街並を抜ける photo:Cor Vos逃げグループは決定的なリードを奪えず、残り10kmでメイン集団に吸収。1級山岳シエラ・デ・カブラが近づくと、総合逆転を狙うチームスカイによるペースアップが始まった。

メイン集団をコントロールするモビスターメイン集団をコントロールするモビスター photo:Cor Vos登りで長時間にわたってペースを作ったのは、前日の第1ステージで早々に総合争いから離脱したブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)だった。元ツールチャンピオンのハイペースによってメイン集団は瞬く間に人数を減らす。バルベルデはヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)以外のアシストを失ってしまうが、落ち着いてチームスカイの動きに対処する。

ハイペースを刻んだゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)が役目を終えて下がると、残り500mでリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)がペースアップ。しかしリーダージャージのバルベルデを引き離すことは出来ない。

ダニエル・ナバーロ(スペイン、コフィディス)やミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)のアタックも封じ込められ、最後は牽制しながらのゴールスプリントに持ち込まれた。

アシストを失いながらも自力でライバルの動きをマークしたバルベルデが、タイミング良くスプリントを開始する。後方から追い付いたルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルーラル)らも届かず、バルベルデが手を叩きながらフィニッシュラインを駆け抜けた。

プロローグ制覇、3級山岳フィニッシュ制覇、そして1級山岳フィニッシュ制覇。今大会にはボーナスタイムが設定されていないものの、総合2位ポートとの総合タイム差は20秒まで広がっている。

怒濤のステージ3連勝で首位を独走するバルベルデは「チームスカイの牽引は強力だったけど、ずっと調子の良さを感じていたので問題はなかった。自信をもって勝負を挑んで、勝ったんだ。しかも総合リードを広げることに成功した。2日間にわたって仕事を完璧にこなしてくれたチームメイトのための勝利。残りの2ステージは複雑なコースではないけど、総合優勝に向けて一瞬たりとも集中力を切らすことは出来ないよ」とコメントする。大会3連覇がすぐそこに見えてきた。

選手コメントはモビスター公式サイトより。



山頂フィニッシュを制したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)山頂フィニッシュを制したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Cor Vos


ブエルタ・ア・アンダルシア2014第2ステージ結果
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)            5h02'53"
2位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルーラル)              +01"
3位 ダニエル・ナバーロ(スペイン、コフィディス)
4位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)
5位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)
6位 トーマス・デガント(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)          +05"
7位 バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)
8位 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ)
9位 マルコス・ガルシア(スペイン、カハルーラル)                 +09"
10位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)

個人総合成績
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)            10h20'12"
2位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)              +20"
3位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルーラル)             +22"
4位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)                  +33"
5位 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ)                 +43"
6位 バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)                    +44"
7位 トーマス・デガント(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)         +51"
8位 ダニエル・ナバーロ(スペイン、コフィディス)                +55"
9位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)               +1'02"
10位 ルイスアンヘル・マテマルドネス(スペイン、コフィディス)         +1'24"

ポイント賞
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

山岳賞
トム・ファンアスブロック(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)

複合賞
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

チーム総合成績
アスタナ

text:Kei Tsuji