11月19日から20日にかけて開催された南アルプスロングライド。山梨県南西部を流れる富士川エリアを舞台に、多くのサイクリストが駆け抜けた2日間のレポートをお届けしましょう。



山梨県の中央部に広がる甲府盆地。その南部を流れる富士川流域を中心に開催されたサイクリングイベントが南アルプスロングライドである。その名の通り、南アルプスの山々と富士川や釜無川といった清流の織りなすコントラストを楽しむことが出来るコースがサイクリストを迎えてくれる。

南アルプスの景観を味わう2日間南アルプスの景観を味わう2日間
昨年までは、「ツール・ド・富士川」という名称で開催されていたワンデイイベントが発展、2日間のライドイベントとして規模を拡大してリニューアルしたのが、この南アルプスロングライドなのだ。メイン会場となるのは、中部横断道、増穂インターチェンジから車で2分の「道の駅富士川」。都心からも2時間半ほどでアクセスできる至便な立地に、多くのサイクリストが集まった。

このエリアの魅力を味わい尽くすべく、2日間へと拡大された南アルプスロングライドには甲府盆地を駆け巡る3つのコースが用意された。前身となったツール・ド・富士川と同じコースを辿るのは、2日目の「ツール・ド・富士川ステージ」。道の駅富士川から、南側の南アルプスと天子山地に囲まれた峡南エリアを舞台とするコースだ。

そして、今年より新たに加わったのが、北へと走る2つの新コース。一つがウィスキーの醸造で有名な白州、そして韮崎を回る約ア83kmの「白州・韮崎ステージ」、もう一つが南アルプス市のスイーツを堪能する約35kmのグルメライド、「プチ・南アルプスステージ」となっている。

今回シクロワイアード編集部では、3コース全てを実走取材。それぞれのレポートをお届けする予定だ。まずは、もっとも初心者向けのプチ・南アルプスステージの様子からお伝えしよう。



兜をかぶりスタート列を盛り上げる青木理事長兜をかぶりスタート列を盛り上げる青木理事長 あったかーいコーヒーと「ねじりがし」あったかーいコーヒーと「ねじりがし」


出発前にエイエイオー!出発前にエイエイオー!
11月19日、土曜日の朝。南アルプスロングライドの1日目は、しとしとと降り続く雨で幕を開けた。早朝には4mm程度の降水量で、少しハードな取材になりそうだな、と思いつつ会場へと車を走らせる。そんな天気の中でも、道の駅富士川に設けられた特設駐車場には、続々と自転車を積んだ車が滑り込んでくる。

スタート地点には、「いきなりエイド」と銘打って、あったかーいコーヒーと「ねじりがし」が振る舞われる。ねじりがしとは、小麦をベースに作ったお菓子で、例えるならばサーターアンダギーを棒状にしてひねりを加えたような形に仕上げたもの。気温の低さもあって、コーヒーの温かさとねじりがしの甘さが身体に沁み渡っていく。

雨で下がったテンションも、これで少し上向きに。そしていよいよ整列開始だ。「白州・韮崎ステージ」が前列に並び、その後方に「プチ・南アルプスステージ」が並ぶ。スタート前、普通の大会であれば、お偉いさんが校長先生の訓示のようなお話をされた後に、走行上の注意、そしてスタートという流れだが、南アルプスロングライドは一味違った。

日向さんを含む第一グループがしゅっぱーつ日向さんを含む第一グループがしゅっぱーつ
秋らしく、柿のなる横を走っていきます秋らしく、柿のなる横を走っていきます 美しく色づく並木道美しく色づく並木道


主催者であるやまなしサイクルプロジェクトの理事長を務める青木さんのトークが冴えわたり、参加者たちも一緒になって盛り上がる。ゲストの今中さんや日向さん、エース栗原さんらも挨拶し、スタートを迎えるころには雨もすっかり止んでおり、参加者のテンションもマックスに。

10名ほどのグループごとにスタートしていく方式は、他のロングライドイベントにも多く見られる方式だが、この大会ほど多くのサポートライダー達が一緒に走ってくれるイベントはないだろう。1グループにつき、最低でも2人、多ければ4人ほどのライダー達が共に走ってくれ、先導やトラブル対応など、手厚くサポートしてくれるのだ。

「プチ・南アルプスステージ」には、ゲストライダーとして「坂バカモデル」として知られる日向涼子さんが参加。日向さんと共に、第1グループがスタートしていく。富士川の支流を遡上しながら、一路富士川町から南アルプス市へと北上していく。

第1エイドとなるのは山梨県全域に展開する地域密着型の人気スイーツショップ「清月」。その本店であり、工房でもある南アルプス店がこのコース初めて、そしてこのコースだけのエイドステーションとして登場するのだ。

盛りだくさんのスイーツをいただきます!盛りだくさんのスイーツをいただきます!
イタリアンロールやマドレーヌ、どら焼きとこれでもか!と言わんばかりのラインアップイタリアンロールやマドレーヌ、どら焼きとこれでもか!と言わんばかりのラインアップ 東京から来られたというこちらの2人もスイーツにメロメロ東京から来られたというこちらの2人もスイーツにメロメロ


お店の前に用意されたテントには、3種類のスイーツが並べられている。「好きなものを選ぶ方式かな?」と思って近づくと、スタッフさんから「全部とってくださーい!」と衝撃の一言が。スタートからここまで、約10km。確実にカロリーオーバーだが、これこそがまさにスイーツライドたる由縁なのだろう。迷うことなくお皿に3種を載せ、ホクホク顔で休憩所へ。

ちなみに3種類のスイーツは、山梨県産の卵を使った「太陽のマドレーヌ」、大粒の小豆が特徴的な「駒どらやき 小倉」、そして清月のロングセラーであり一番人気の「イタリアンロール プレーン」という塩梅。そして休憩所の中には、個包装されジャージのポケットにも入れやす「駒千両饅頭」が用意され、都合4種類のスイーツが待ち受けていたのだ。

どれも、ほっぺたが落ちそうなほど甘く美味しいスイーツぞろい。しかも雨の影響もあり、出走者数が少なかったことで、お代わりも可能に。雨も悪いことばかりじゃない、ということで一番好みだったイタリアンロールをお代わり。後半戦への補給は十分である。

お腹を満たして、再度スタートお腹を満たして、再度スタート 果樹園の横を走っていきます果樹園の横を走っていきます


ループ橋を横目に見る。あそこまで登ることに驚きループ橋を横目に見る。あそこまで登ることに驚き
さて、糖分をたっぷりと補給したら、今度は山沿いのアップダウンを走っていく。途中、葡萄棚が広がる果樹園や、渋柿を硫黄で燻蒸したあんぽ柿の工場などを横目に見ながら走り抜けていく。まさに、フルーツ王国山梨を感じながらのサイクリングになった。フルーツの収穫時期に走れば、また違った表情を見せてくれそうだ。

そして、登り区間に突入しようというタイミングでパラパラと雨が降り出してしまう。ただ、皆さん防寒対策も十分な様でそこまで問題はなく、パンチの利いたアップダウンをこなしていく。小学生ほどの子どもも走っており、サポートライダーが押してあげる微笑ましい一幕も。

少し雨が降ってきたが、幻想的な雰囲気少し雨が降ってきたが、幻想的な雰囲気
子供も頑張る、サポートライダーも頑張る子供も頑張る、サポートライダーも頑張る ダイナミックなループ橋、夜景スポットだそうダイナミックなループ橋、夜景スポットだそう


ループ橋である桃花橋を下り、一路第2エイドとなる「ほたるみ館」へピットイン。農産物の加工施設や味噌造りなどを体験できる実習室が併設される、ほたるみ館では、味噌おでんやイチゴやブルーベリーなどのジャムを乗せたクラッカーなどが用意される。

雨で冷えた身体に暖かいお茶は沁み込むよう。味噌おでんも素朴な味で大満足だ。地元のおばちゃんたちが手ずから作ってくれた品々は、どこか懐かしい味。そのことを伝えると、「まちの駅で買えるから、お土産にしてね!」とすかさず営業されてしまった(笑)

ほたるみ館では、手作りの味噌おでんが振る舞われたほたるみ館では、手作りの味噌おでんが振る舞われた 小麦饅頭もボリューミーでおいしい小麦饅頭もボリューミーでおいしい


このジャムも手づくりですこのジャムも手づくりです
さて、そんなお茶目なおばちゃんたちに別れを告げ、下り基調の道を30分ほど走れば、ゴールの道の駅富士川へと到着。平均時速10km程度のまったりサイクリングは、自転車初心者や女性、家族連れにもぴったりのはずだ。

道の駅富士川では、農作業用の道具である「箕」の形をしたほうとうのような郷土料理「みみ」が振る舞われ、あったまる。他にもさまざまなケータリングカーが出店しているほか、道の駅施設内のレストランでも馬刺し定食など、さまざまなグルメが用意され、まさに食い倒れライドの様相だ。

そしてフィニッシュ!そしてフィニッシュ!
日向さんもみみに舌鼓日向さんもみみに舌鼓 そして午後からはトークショーが開かれる。沢山の聴衆が集まったそして午後からはトークショーが開かれる。沢山の聴衆が集まった


ゴール後には、ゲストライダーである日向涼子さんの著作「式 知識ゼロからのロードバイク入門 」の出版記念イベントとして、今中さんやエース栗原さん、そして日向さんらを交えたトークショーが開催された。かなりディープな話も飛び出し、あっという間に時間が過ぎていく。最後にはじゃんけん大会が開催され、新刊が2人にプレゼントされるなど、大盛り上がりの中で一日目は終幕した。

まったりグルメサイクリングとして、大満足の「プチ・南アルプスステージ」。次回は、完全新コースとなる「白州・韮崎ステージ」の様子をレポートします。お楽しみに。

text&photo:Naoki.Yasuoka
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