世界中で開催されるUCI公認のアマチュアレースサーキット、グランフォンドワールドシリーズの決勝大会が9月にオーストラリアのパースで開催された。世界中から強豪レーサーが集まった国際大会に参加したスポーツジャーナリスト「ハシケン」が、海外遠征のコツを紹介します。(参戦レポートはこちらから



日本からも多くの選手が参加したグランフォンド世界選手権日本からも多くの選手が参加したグランフォンド世界選手権 photo:Kenji.Hashimoto
今回、海外遠征をともにした4人は、4泊5日の滞在期間中にレース以外にも様々な経験をしてきた。来年は、今年以上に多くの日本人が世界に挑戦することが予想される。ここでは、海外遠征を快適に楽しく過ごすためのコツをまとめた。海外レースに挑戦する際の参考になれば幸いだ。

まず、国内ではスムーズに行くことも海外ではうまくいかないことが多い。トラブルにあったときなど、単独での遠征はリスクがあると言える。海外遠征は複数人で行くことがオススメだ。今回、私はレース中にケガを負い、現地パース市内の病院で縫合手術を受けることになった。この時、病院までの送迎を仲間に頼むことができた。ちなみに、オーストラリアでの手術費用は、日本の保険が適応され、現地では一切支払うことはなく、帰国後に市役所で支払い手続きを行うことになった。

今回宿泊したコンドミニアム今回宿泊したコンドミニアム photo:Kenji.Hashimotoパース市街のスタート会場パース市街のスタート会場 photo:Kenji.Hashimoto

本大会は10台の救急車がサポートしていた本大会は10台の救急車がサポートしていた photo:Kenji.Hashimoto美しく輝くメダル達美しく輝くメダル達 photo:Kenji.Hashimoto


ロードレースで落車による怪我を100%回避することはできない。そのため、最低限の応急手当グッズは事前に用意しておいておくことをオススメしたい。また、宿泊先のホテルから近い病院を事前に下調べしておくことも大切だ。

そのホテル選びの第一条件は、会場に近いことだ。今回はスタートとゴール地点が異なったが、スタート会場まで自走圏内に泊まることは、レース前の大きな安心感が生まれる。直前まで部屋で準備を進めることができるメリットは大きい。

広々とした店構えのスーパーで買い出し広々とした店構えのスーパーで買い出し photo:Kenji.Hashimoto食材を品定めする食材を品定めする photo:Kenji.Hashimoto


毎晩ホームパーティのようなコンドミニアム生活毎晩ホームパーティのようなコンドミニアム生活 photo:Kenji.Hashimoto
やはりたんぱく質は重要です、肉はやっぱりオージービーフ!やはりたんぱく質は重要です、肉はやっぱりオージービーフ! photo:Kenji.Hashimoto仲間たちとキッチンで自炊中仲間たちとキッチンで自炊中 photo:Kenji.Hashimoto


また、今回は、コンドミニアム型のホテルに滞在した。みんなが同じ空間で、寝食をともにする。すると、自然にお互いの距離が近づき、レースに向けてチームとしての一体感も生まれていった。現地での食事も、スーパーへ買い出しへ行き、みんなで自炊をする。レースだけでなく、それ以外の時間も楽しむことができるのでオススメだ。

実は、今回、レースに参加した4人以外に、現地でサポートをしてくれるメンバーがいた。ゴール地点への荷物運搬はもちろん、滞在中大いに助けてもらうことになった。

また、携行品は、事前に話し合いをしておき、可能なものは共有化したい。例えば、かさ張るアイテム代表のフロアポンプ。これも、誰か一人が持っていけばよい。マッサージツールなどのアイテムも全員が持っていく必要はないだろう。メンバーの中で分担すると旅がコンパクトになる。

海外遠征時の輪行は厳重にパッキングを行います海外遠征時の輪行は厳重にパッキングを行います photo:Kenji.Hashimoto

最終日は、ワイナリーをめぐり観光も満喫した最終日は、ワイナリーをめぐり観光も満喫した photo:Kenji.Hashimoto世界大会完走を祝して!世界大会完走を祝して! photo:Kenji.Hashimotoこのほか、海外遠征時の輪行は丁寧にパッキングを行うことや、あらゆる天候に対処できるように幅広くウエアを持参するなど、海外遠征ならではの基本ポイントも忘れずにしたい。

最後に、グランフォンド世界大会に参加するには、JCF(日本自転車競技連盟)への登録が必須だ。レース前日のレジストレーションで、JCFライセンスを提示しなければ参加はできないので注意が必要だ。JCF登録は、各都道府県の車連に登録手続きをすることになる。

ニセコクラシックはじめ、市民レースの多くはJCFライセンスを必要としないが、ニセコクラシックやツール・ド・おきなわも、JCF登録すると、エントリーフィーの割引サービスがあるのでお得だ。世界大会を目指すなら、登録しておてい損はないだろう。なお、グランフォンド世界大会では、国際ライセンスは不要だった。

事前準備とちょっとした工夫次第で、現地で快適に過ごせるようになる。海外レースでは、実力以外の要素もパフォーマンスの発揮には欠かせない要素になるだろう。



[img_assist|nid=212892|title=世界大会に挑戦した4人の仲間たち|desc=photo:Kenji.Hashimoto|link=node|align=center|width=730|height=]
世界大会に挑戦した4人のプロフィール

福田昌弘
ハムスタースピン代表。LEOMO Bellmare Racing Team トレーナー。ツール・ド・おきなわ市民140km8位(2014)、11位(2015)。2016ニセコクラシック年代11位(総合55位・パンクトラブルあり)。世界大会完走(年代98位)。

居鶴悠史
Racing CUBE所属。実業団 E2ライダー。2015石川ロード11位。2016赤城山ヒルクライム12位。2016ニセコクラシック年代14位(総合26位)。世界大会完走(年代80位)。

柴田佳典
なるしまフレンド(鶴班)所属。ツール・ド・おきなわ市民140km6位(2014)、17位(2015)。2016ニセコクラシック年代5位(総合23位)。世界大会完走(年代48位)。

ハシケンこと橋本兼司
スポーツジャーナリスト。2014ツール・ド・宮古島160km優勝。2016Mt.富士ヒルクライム一般の部優勝。2016ニセコクラシック年代7位(総合14位)。世界大会DNF。


photo&text:Kenji.Hashimoto

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