「骨格のゆがみを修正することはパフォーマンスを上げ、ケガのリスクを最小限にすることに繋がる」。このコンセプトのもとに、「骨格修正トレーニング」を提供するコスモスパフォーマンスコンサルティング。はたして骨格修正トレーニングとは何か、代表の岡泰誠氏へとインタビューを行った。



茨城県つくば市を拠点にサイクリスト向けのコーチングを行っているコスモスパフォーマンスコンサルティング。その代表を務める岡泰誠氏は、2016年から精力的に骨格修正トレーニング講座を開き、多くのサイクリストのパフォーマンスアップを実現している。ここでは5月と6月に行われた講座からその内容を紹介しよう。

現役の競技者でもある代表の岡氏をご存知の方も多いだろう。岡氏は自転車競技の名門、京都府立北桑田高校で自転車競技に打ち込み、筑波大学生物資源学類へ進学。大学1年目の2011年にJエリートツアーの年間チャンピオン、その後ツアー・オブ・ジャパンなどに出場。卒業後の2015年からトレーナーとしての活動を開始する。徳田鍛造(C.C.ノジョンスールオワーズ)は高校時代の同期。現在Jエリートツアーリーダーであり、来季は宇都宮ブリッツェンで走ることとなる岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)は3歳違いの弟だ。

2011年輪島ロードE1 リーダージャージで優勝の岡泰誠代表2011年輪島ロードE1 リーダージャージで優勝の岡泰誠代表 photo:Hideaki.TAKAGI2011年松川ロードでの岡泰誠代表と弟の岡篤志(spacebikes.com)。当時大学1年と高校1年だ2011年松川ロードでの岡泰誠代表と弟の岡篤志(spacebikes.com)。当時大学1年と高校1年だ photo:Hideaki.TAKAGI


『パフォーマンスの低下は「骨格の歪み」から』
“骨格修正トレーニング講座” をつくば市と東京で開講

2016年5月4日に茨城県つくば市で、6月25、26日に東京八重洲でそれぞれ開講された“骨格修正トレーニング講座”。「骨格の歪み」を解消することで、ペダリング効率UPやケガの防止を目的としたセミナーで、参加者は競技志向から腰や膝の痛みに悩んでいるサイクリストまでと様々だ。

[img_assist|nid=212619|title=代表の岡泰誠氏と2013年全日本選手権U23優勝の徳田鍛造(C.C.ノジョンスールオワーズ)は高校時代の同期。寮の同室でもあった|desc=photo:Hideaki TAKAGI|link=node|align=center|width=730|height=]
そもそも、「骨格の歪みとは?」

そもそも、骨格の歪みとはなんなのだろうか?骨格の歪みがどのようにパフォーマンスへと影響するのか。講座の中で、岡氏は以下のように語った。

「日本では膝や股関節の変形症で、痛くて歩けないという患者さんが大勢います。この方たちの痛みは、歩き方の崩れから骨格が歪み、膝や股関節の軟骨がすり減っていくことで起きています。今回のセミナーに講師として来ていただいた私の師匠は、この方たちが手術をせずに痛みなく、自分の足で歩いて生活できるようにサポートすることをメインの仕事としています。

師匠の場合は、施術でもテープ1本でもインソールでも、歪んだ骨格を正しい位置に戻すことができますが、そのくらい『○○の骨がどう動くと、○○の骨はこう動く』という骨格の仕組みを理解していないと、自転車のポジション出しはできません。というのも、自転車は左右対称に作られていますが、人間の身体はなかなか左右対称には使いにくいものだからです。

しかも、クリートで足の位置が、サドルで骨盤の位置が、ハンドルで上半身の位置が決められてしまい、ほとんど逃げ道がありません。身体をマシンに合わせて左右対称にしないと、どこかでひずみが生じます。これが自転車に乗っているときの膝や腰の痛みの原因で、ひどくなると日常生活にも影響が出るようになります。長時間バイクに乗っている方は特に、関節を正しい位置で使えるようにしていかないと、きつい練習をしてもパフォーマンスは上がらずにケガのリスクだけが大きくなっていくでしょう」

[img_assist|nid=212620|title=骨格修正トレーニング講座会場。10月からはつくば市のほか各地で開催する|desc=photo:COSMOS performance consulting|link=node|align=center|width=730|height=]
自転車のポジション出しが重要な理由

「優れた才能に恵まれたアスリートの中でも、成績が落ちて引退してしまう選手と、今でもMLBで活躍するイチロー選手のように長期的に高いパフォーマンスを発揮し続ける選手がいます。彼らにはどのような違いがあるのでしょうか?」と岡氏は問いかける。その答えは身体を正しく使えるかどうかだとも。

「ケガをせずに長く活躍できる選手は、必ずしも体格やパワーに恵まれているとは限りません。その代わりに、彼らは必ずと言って良いほど、ずば抜けた“スキル”を持っています。その“スキル“の中で重要なのが“フォーム“です。関節の可動域を十分に生かすために、関節をどの位置で使うか、というものです。骨格の仕組みを無視して、筋肉だけを増強して勝負しようとすると、短期的にはパフォーマンスが上がったとしてもケガに苦しみながら早く引退を迎えてしまうのです。

バイクポジションとインソールを導入した窪木一茂選手(NIPPOヴィーニファンティーニ)。 2016年10月から骨盤を立てたフォームに変えたことで、「今までよりハムストリングスなど、脚の後ろ側の筋肉を使えるようになった」バイクポジションとインソールを導入した窪木一茂選手(NIPPOヴィーニファンティーニ)。 2016年10月から骨盤を立てたフォームに変えたことで、「今までよりハムストリングスなど、脚の後ろ側の筋肉を使えるようになった」 photo:COSMOS performance consulting
では、自転車乗りが関節を正しい位置で使い、可動域を十分に生かすのには、どうすれば良いでしょうか?他の多くのスポーツと自転車で大きく違うのは、自転車の場合“機材のセッティング”(サドル位置、ハンドル位置、クリート位置)によってある程度はフォームが決まってしまうということです。つまり、普段の生活からどんなに歩き方に気を遣い、きれいなペダリングを意識したとしても、ポジションの出し方に問題があれば、関節を正しく使うことはできないのです。

例えば、野球やゴルフで、素振りなどスイングの練習をするとき、下手なフォームで一日1000回もやったら、下手なフォームが身についてしまいます。それは治りにくい“クセ”になってしまうでしょう。逆に、最初から上手なフォームを教わって、それを一日1000回もやったら、上手なフォームでボールを打てるようになるでしょう。

ポジションに問題があるということは、下手なフォームをクセとして身につける練習をしているということになります。逆に、最初から良いポジションにセッティングしていれば、ある程度は上手なフォームで乗れるようになります。ポジション出しを行った上で、正しい位置で関節を動かすというペダリングの基礎練習、骨格のバランスを整えるためのストレッチや、床の上でできるエクササイズを提案しています」。

基礎練習と実戦的な練習

股関節の可動域が制限されたポジション(左)と、十分な可動域を確保したポジション(右)股関節の可動域が制限されたポジション(左)と、十分な可動域を確保したポジション(右) photo:COSMOS performance consultingつまり、ポジション出しは正しいフォーム・ペダリングで自転車に乗るためのスタート地点だということだ。しかし、コスモスパフォーマンスコンサルティングでは、そこにとどまらず、更に実戦的なプログラムも用意されている。ポジション出しを行い、基礎を身に付けた人へ向けた実走コーチングも行っているのだとか。走行中のフォームについて、リアルタイムでフィードバックを受けることができるので、より左右バランスが良く効率に優れたペダリングやダンシングを覚えることができるという。

実際にセミナーや実走トレーニングへ参加した方々には、様々な効果が出ているのだとか。ポジション出しの翌日、いつもの練習場所の峠の自己記録を更新できた人、ヒルクライムレースでライバルを破って優勝出来た人、ケイデンス80rpmが限界だった人が100rpmを維持できるようになった、腰痛が改善し100km以上のロングライドが出来るようになった人など。自転車に乗る上で土台となる骨格が持つ影響力の大きさが窺える。

セミナーやトレーニングの内容についてコスモスパフォーマンスコンサルティングのホームページで詳細を見ることができる。

http://cosmos-tsukuba.com

2016年内のイベントスケジュール

11月22日(火) 実走&[email protected]
11月23日(祝) ローラー&[email protected]
11月26日(土) 骨格修正トレーニング講座、バイクフィッティ[email protected]
11月27日(日) 実走&[email protected]
福井県での開催の詳細 http://cosmos-tsukuba.com/2016/11/01/post-272/

12月10日(土) 実走&[email protected]
12月22日(木)、23日(祝) 実走&[email protected]
そのほか各地で計画中

岡泰誠(おか やすまさ) プロフィール

主催は茨城県つくば市を拠点にサイクリスト向けのコーチングを行っているCOSMOS performance consulting代表の岡泰誠氏主催は茨城県つくば市を拠点にサイクリスト向けのコーチングを行っているCOSMOS performance consulting代表の岡泰誠氏 大学1年目の2011年に、Jエリートツアーの年間チャンピオンとなり、翌年の2012年はUCIコンチネンタルチームに所属し、Jプロツアーやツアー・オブ・ジャパンなどに出場。その後は競技と一線を引くものの、筑波大学の体育学部で運動や身体の仕組みについて学ぶ。フィットネスジムのトレーナーとしてアルバイトをしながら、数多くのコーチ・トレーナー向けのセミナーや、著名なトレーナーの個人指導を受ける。

大学を卒業した2015年からサイクリスト向けのトレーナーとして活動を始める。当初は、筋肉へのアプローチをメインにクライアントへの指導をしていたが、その途中で、骨格修正トレーニングに出会う。「骨格の歪み」こそが筋肉の痛みが抜けない、あるいはどこかの筋肉が使えないことの根本原因であることに気付いた。最短でパフォーマンスを上げ、ケガのリスクを最小限にするトレーニングを提供できるよう、日々勉強中。


edit:Hideaki TAKAGI