1975年にアメリカで創業したサイクリングアクセサリーブランド、ブラックバーンより、現代のツーリングバイクに適合するキャンピングバッグとラック(キャリア)の発売が開始されている。従来のシステムを大きく刷新するラインナップを取り揃えたツーリングエキップメントだ。



ブラックバーン  バリアー ユニバーサル パニアーと HB ハンドルバー バッグ を取り付けた状態ブラックバーン バリアー ユニバーサル パニアーと HB ハンドルバー バッグ を取り付けた状態 (c)MakotoAYANO

アウトポスト リアアウトポスト リア (c)MakotoAYANO1975年にジム・ブラックバーン氏によって設立されたブランド「Blackburn(ブラックバーン)」。サイクリングバッグ、キャリア、ライト、ポンプ、ボトルケージ、ロック、ミラーなどを展開するサイクル用品の総合メーカーだ。なかでもツーリングバッグとキャリアは同ブランドにとってかつてから大きな柱となっているプロダクツで、世界を旅する多くのツーリストに愛用されてきた。

今季は世界的に「GET OUT THERE」キャンペーンを展開し、日本でも特設サイト「OUT THERE NIPPON(外部リンク)」を立ち上げ、旅の魅力を訴求するコンテンツを発信。ツーリストたちの旅ゴコロを刺激してきた。

テーマとする「GET OUT THERE」のキープロダクツとなるのがここに紹介するバッグやキャリア類だ。キャンプ用品をスマートに収納する完全防水のバッグと、タフなキャリア類。形状的な変化を遂げてきた現代のツーリングバイクにフィットするように工夫されたそれらのプロダクツは、ツーリストたちを新しい旅の出発点へと誘導する。
ここでは製品群紹介とともに、ツーリンググッズに造詣の深い名古屋のサイクルショップ「Circles(サークルズ)」の池山豊繁さんによる製品インプレッションをお届けする。


バリアー ユニバーサル パニアー

バリアー ユニバーサル パニアーバリアー ユニバーサル パニアー (c)MakotoAYANO
ユニバーサルパニアーは、防水素材とシームレス構造により、高い防水性も発揮するキャンピングバッグだ。同社のラックに完全にフィットするアルミ製の取付ブラケット「アジャスタブルマウントシステム」を装備する。コンプレッション&タイダウンストラップ、そしてロールトップデザインは荷物の量に合わせてバッグの大きさを調整できる。
インターロックシステム装備のキャリアを使用すれば、バッグ自体の取り外しと開閉ができなくなり、盗難防止に役立つ。リアフラッシャーライトにぴったりのインターナルポケットは、バッグ内部に入れたライトの光を透過させることで安全をアピールするなど、ギミックが豊富に施されている。

完全防水を実現するロールトップデザイン完全防水を実現するロールトップデザイン (c)MakotoAYANOアルミ製の取付ブラケット「アジャスタブルマウントシステム」が確実な取り付けを実現アルミ製の取付ブラケット「アジャスタブルマウントシステム」が確実な取り付けを実現 (c)MakotoAYANO


バリアー ユニバーサル パニアーバリアー ユニバーサル パニアー (c)インターテックバリアー ユニバーサル パニアー
主な機能:インターロックシステム対応/全てのスタンダードラック対応/ウォータープルーフロールトップデザイン/半透明素材のインテグレートフラッシャ―ポケット/リフレクターロゴデザイン/止水ジッパーのエクステリアポケット/バーティカルコンプレッション&タイダウンストラップ
容量:17リットル
価格:12,000(税抜)

バリアー リアマウントパニアー
リアマウントパニアーは、「ユニバーサル」と同じ機能を持ちつつボリュームアップ。 複数泊するアドヴェンチャーツーリングでも安心して荷物を詰め込むことができる大容量を誇る。「ユニバーサル」がフロント用、「リアマウントパニアー」がリア用という分類ではあるが、あくまで両方を取り付ける際の容量面でのオススメの組み合わせ方と思って差し支えない。
容量:20リットル
価格:12,000(税抜)

バリアー トランク ラックトップ バッグ

キャリア天板に取り付けることができる バリアー トランク ラックトップ バッグキャリア天板に取り付けることができる バリアー トランク ラックトップ バッグ (c)MakotoAYANO防水素材をシームレス構造で使用した、バリアシリーズのラックトップバッグ。キャリア天板に取り付けることができる。開口部は広い間口で、マグネットフォブにより荷物の取り出しも簡単。単体でも、バリアパニアシリーズと合わせてシステムとして使うこともできる。内部には2つの仕切り(インテリアディバイダー)を備える。

主な機能:インターロックシステム対応/全てのスタンダードラック対応/マグネットフォブ付きスーパーワイドメインコンパ―トメント/止水ジッパーのエクステリアポケット/カスタマイズ可能なパッドタイプのインテリアディバイダー
容量:9.5リットル
価格:13,500(税抜)

バリアー HB ハンドルバー バッグ
バリアー HB ハンドルバー バッグバリアー HB ハンドルバー バッグ (c)MakotoAYANO
ツーリングサイクリストの定番的なフロントバッグ。独自設計のクイックリリース式マウントシステムを備え、着脱も簡単。モバイルやGPS、マップなどの収納に最適なクリアコンパートメントを備え、完全防水機能など他のバリアシリーズ同様、贅沢なテクノロジーを投入している。

クイックリリースマウントシステムで取り付けた状態クイックリリースマウントシステムで取り付けた状態 (c)MakotoAYANOクイックリリースマウントシステムがワンタッチ着脱を可能にするクイックリリースマウントシステムがワンタッチ着脱を可能にする (c)MakotoAYANO


バリアー HB ハンドルバー バッグ
主な機能:モバイルフォン/GPSクリアウィンドウトップパネル/バリアマップケース用マグネットアタッチメント/クイックリリースマウントシステム/マルチインテリアポケット/止水ジッパーのエクステリアポケット/収納可能なショルダーストラップ
対応ハンドルバー径:25.4-31.8mm
容量:7.5リットル
価格:13,500(税抜)



ラック(キャリア)
アウトポスト リア ラック
ブラックバーン アウトポスト リア ラックブラックバーン アウトポスト リア ラック (c)MakotoAYANO
イーストン社製スカンジウムを使用したアウトポスト リアラックは、市場にあるラックの中で最軽量を誇るひとつ。多くの取り付け/固定方法を選べることで、26インチから29インチまですべてのホイール系、カンティからディスクブレーキまでほとんどすべてのブレーキシステムに対応する。重量は軽いが、バイクへの簡単な取り付けやフィット、安定性に抜かりはない。

ラック上部 同社の取付ブラケット「アジャスタブルマウントシステム」にベストフィットするラック上部 同社の取付ブラケット「アジャスタブルマウントシステム」にベストフィットする (c)MakotoAYANOイーストン製スカンジウムを素材にしているイーストン製スカンジウムを素材にしている (c)MakotoAYANO


フレキシブルなアームと小物によりどんなフレームにも対応するフレキシブルなアームと小物によりどんなフレームにも対応する (c)MakotoAYANOアイレットさえあれば取り付けが可能で、上下の高さの調整も可能だアイレットさえあれば取り付けが可能で、上下の高さの調整も可能だ (c)MakotoAYANO


アウトポスト リア
イーストン社製スカンジウムとエアクラフトグレード6061アルミチューブを素材としたラック。ブラックバーンフィットシステムにより、26”/29”/700c/ディスクブレーキの、ほぼ全てのブレーキ&フレームマウントに対応。パニアーの重心を中心に運ぶことでバイクのバランスを確保する幅狭のプロフィール。
主な機能:ライト&リフレクターマウントループ/2つの高さのパニアマウント
積載重量:25kg
価格:15,000(税抜)


ブラックバーン アウトポスト フロント ラックブラックバーン アウトポスト フロント ラック (c)インターテックアウトポスト フロント
主な機能:アウトポスト・リアーとの抜群のマッチングを誇るフロントラック。トップラックは取り外しもでき、荷物の少ない時はさらなる軽量化が可能。2つのパニアマウントを選べるが、低い位置を選べばバッグの重心を低く設定でき、安定感あるライドが可能となる。ほぼ全てのブレーキ&フレームマウントに対応し、サスペンションフォークにも対応する。

主な機能:ブラックバーンフィットシステム:26”/29”/700c/ディスクブレーキ/ほぼ全てのブレーキ&フレームマウントに対応/リムーバブルトップラック/サスペンションフォーク対応/2つの高さのパニアマウント/エアクラフトグレード6061アルミチューブ
積載重量:20.5kg
価格:12,000(税抜)

取り付け車両:KONA ROVE
協力:アキコーポレーション



インプレッション
by池山豊繁さん(Circles/サークルズ)


バリアー ユニバーサル パニアーを取り付けたSALSA VAYAに乗る池山豊繁さん(Circles)バリアー ユニバーサル パニアーを取り付けたSALSA VAYAに乗る池山豊繁さん(Circles) (c)MakotoAYANO
ここでは名古屋のサイクルショップ、Circles(サークルズ)の店長、池山豊繁さんにキャンプライドで2日使用してのインプレを語ってもらった。池山さんはSALSAのオンロードツーリングバイク”VAYA” ディスクブレーキ&700Cホイール仕様を27.5インチ化したバイクに、フロントキャリア「アウトポスト フロント」を取り付け、バリアー ユニバーサル パニアーを取り付けて使用した。

ブラックバーンのバッグ類をキャンプライドでテストしてくれた池山豊繁さん(Circles)ブラックバーンのバッグ類をキャンプライドでテストしてくれた池山豊繁さん(Circles) (c)MakotoAYANO
フロントバッグは低い位置に取り付け、安定感を向上させているフロントバッグは低い位置に取り付け、安定感を向上させている (c)MakotoAYANO池山 まずアウトポストフロントラックは、ラピッドシステムによって車輪径やブレーキシステムなどを問わずフレームに取り付けられ、とても使いやすく設計されています。実際、取り付けはとても簡単でした。カンティブレーキのフレームや、ダボ(アイレット)のないタイプのフレームでも取り付けが簡単で確実に行える製品はかなり限られているし、それが自在にできるという点はキャリアの大きな進歩だと思います。

ほぼ全てのブレーキ&フレームマウントに対応するブラックバーンフィットシステムを構成するパーツほぼ全てのブレーキ&フレームマウントに対応するブラックバーンフィットシステムを構成するパーツ (c)MakotoAYANOアウトポスト フロントラックの耐荷重は約20kgですが、かなりしっかりしていて、重い荷物でも不安なく積むことができます。そして意外と使い勝手が良かったのがラックの上面部の「トップラック」。ラック全体が一般的な製品に比べて前方向に位置しているため、ドロップハンドルを使う人でもバッグ類がハンドルやケーブルに干渉しないこと。今までフロントバッグや荷物をハンドルの幅の中に収めなくてはならなかったのが、上部に積む荷物の制限を受けにくくなっています。
トップラック上面は広い面積があるわけではないのですが、荷物を載せやすくなっています。今回は1〜2人用のテントを載せて固定しました。ハンドルに荷物が干渉しないので、ハンドルの選択肢を広げてくれることにもつながります。なおトップラックは使わない場合は取り外すことができ、軽量化ができます。

サイドバッグの「バリアー ユニバーサル パニアー」はとてもしっかりした造りで、防水・耐久性ともに良く、長期ツーリングでも天候にかかわらずまったく不安なく使えます。防水が完全で、雨でも浸水は一切ありません。シースルーになったバッグサイドは中に入れたセーフティライトの光を透過するので、便利で安全面も良いですね。バッグの固定システムも安定度が高いです。単体で1万2千円台という低価格ながらそれを超えるほど造りが良く、とても高品質な製品だと思います。
今回はフロント用でやや小さい容量の17Lのユニバーサルを使用しましたが、上部のマチが広がるので、かなりの容量を入れることができます。ツーリングにはもちろん、通勤などのデイリーユースでも使い勝手のいいバッグだと思いますから、幅広くオススメできますね。

インプレッション by 池山豊繁(Circles

photo&text:Makoto.AYANO