ゴール8km手前で飛び出したリゴベルト・ウラン(コロンビア)とアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン)。「脚が残っていなかった」と話す25歳のウランをスプリントで振り切って、38歳のヴィノクロフが先頭でゴールに飛び込んだ。

イギリスを先頭にザ・マルをスタートしていくイギリスを先頭にザ・マルをスタートしていく photo:Cor Vosロンドンオリンピック2日目、7月28日、ロンドン市内の中心地「ザ・マル」を発着する250kmで、男子ロードレースが行なわれた。65カ国の選手が集まる4年に1度の大一番。優勝候補の地元イギリスを先頭に、144名がスタートを切った。

レースは開始直後から慌ただしく動く。ユルゲン・ルーランズ(ベルギー)、マルコ・ピノッティ(イタリア)、スチュアート・オグレディ(オーストラリア)、デニス・メンショフ(ロシア)、そして2大会連続出場の別府史之ら12名が逃げグループを形成し、ロンドン郊外のボックスヒル周回コースへと向かった。

逃げるマルコ・ピノッティ(イタリア)や別府史之(日本)逃げるマルコ・ピノッティ(イタリア)や別府史之(日本) photo:Cor Vos地元イギリスが徹底的にコントロールするメイン集団に対し、逃げグループは最大で5分30秒のリード。登坂距離2.2km・平均勾配7%の登りを含む15.7kmの周回コース(合計9周)を淡々とこなしていった。

周回コース4周目に入ると、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)やフィリップ・ジルベール(ベルギー)がメイン集団からアタック。揺さぶりをかけるが、イギリスがこれを封じ込める。ここからメイン集団内でアタックが活発化した。

ボックスヒルの登りをこなすメイン集団ボックスヒルの登りをこなすメイン集団 photo:Cor Vos5周目で再びニーバリとジルベールが動き、これにシルヴァン・シャヴァネル(フランス)やラース・ボーム(オランダ)、ヤコブ・フグルサング(デンマーク)らがジョイン。11名の追走グループが形成される。カヴェンディッシュで集団スプリントを狙うイギリスは不必要なペースアップは行なわず、じわりじわりと逃げグループとのタイム差を詰めることに徹した。

やがて7周目で先頭に追走が追いつき、22名の大きな逃げグループが形成。イギリスが支配するメイン集団が45秒で追う展開に。

8周目に入ると先頭グループからジルベールが飛び出して独走。ジルベールは独走のまま9周目のボックスヒルを登りきる。この最後のボックスヒルでメイン集団からアタックが多発し、ファビアン・カンチェラーラ(スイス)やアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)らが飛び出し、そのまま前の追走グループに追いついた。

観客が詰めかけたボックスヒルの登りをこなす観客が詰めかけたボックスヒルの登りをこなす photo:Cor Vosメイン集団を牽引するブラドレー・ウィギンズ(イギリス)メイン集団を牽引するブラドレー・ウィギンズ(イギリス) photo:Cor Vos
追走グループを形成するシルヴァン・シャヴァネル(フランス)やロマン・クロイツィゲル(チェコ)追走グループを形成するシルヴァン・シャヴァネル(フランス)やロマン・クロイツィゲル(チェコ) photo:Cor Vos先頭グループの中からアタックするフィリップ・ジルベール(ベルギー)先頭グループの中からアタックするフィリップ・ジルベール(ベルギー) photo:Cor Vos

ボックスヒルの登りで飛び出したヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)ボックスヒルの登りで飛び出したヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア) photo:Cor Vosボックスヒルの周回コースを終えると、ゴール地点「ザ・マル」まで40km。独走していたジルベールに後続の大きな追走グループが追いつき、先頭は32名の大所帯に。ここから「ザ・マル」に向けて先頭グループとメイン集団のマッチレースが始まった。

メイン集団はツール覇者ブラドレー・ウィギンズ(イギリス)らがハイスピードで牽引する。しかし人数を送り込んだスイスとスペインのアシストたちが積極的に先頭グループのローテーションを回したため、タイム差が縮まらない。

ウランをスプリントで下したアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン)ウランをスプリントで下したアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン) photo:Cor Vosタイム差は1分前後を推移。ラスト20kmでタイム差1分、ラスト10kmで55秒。逃げ切りをほぼ確実にした先頭グループの中ではアタック合戦が繰り広げられる。そんな中、コーナーでオーバーランして落車したカンチェラーラが戦線を離脱する。

フグルサングやシャヴァネル、ニーバリ、アレクサンドル・コロブネフ(ロシア)らのアタックはどれも決まらず、先頭グループはロンドン市内に突入。するとラスト8kmでほぼ同時にウランとヴィノクロフがアタックする。この動きが決定的となった。

表彰台、左から2位リゴベルト・ウラン(コロンビア)、優勝アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン)、3位アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー)表彰台、左から2位リゴベルト・ウラン(コロンビア)、優勝アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン)、3位アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー) photo:Cor Vosウランとヴィノクロフが先頭でラスト1km。最終ストレートに入り、ウランの後方確認の隙を突いてヴィノクロフがスプリントをスタートさせる。一歩反応が遅れたウランを置き去りにし、ヴィノクロフが先頭でゴールへ。カザフスタンの大将が、自身初の金メダルを掴み取った。

今シーズン限りでの現役引退を表明しているヴィノクロフ。2000年のシドニー五輪では銀メダルを獲得している。念願の金メダルを手にした38歳のベテランは「金メダルを手にキャリアを締めくくるなんて最高だ。まだ水曜日のタイムトライアルが残っているけど、これで引退に気持ちが向くよ」とコメントしている。

ヴィノクロフとウランから遅れること8秒で追走グループがゴール。スプリントでテイラー・フィニー(アメリカ)をかわしたアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー)が銅メダルを手にしている。レース序盤から逃げに乗ったフミはこの8秒遅れのグループ内でゴール。逃げ切りを果たし、22位という成績を残した。

メイン集団はアンドレ・グライペル(ドイツ)を先頭に40秒遅れでゴール。逃げに選手を送り込むこと無くカヴェンディッシュの集団スプリントに固執した地元イギリスの作戦は失敗に終わった。集団スプリントに備えて集団内に待機した新城幸也は48位でレースを終えている。

選手コメントは大会公式サイト(www.london2012.com)より。

ロンドンオリンピック2012男子ロードレース結果
1位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン)      5h45'57"
2位 リゴベルト・ウラン(コロンビア)
3位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー)          +08"
4位 テイラー・フィニー(アメリカ)
5位 セルゲイ・ラグティン(ウズベキスタン)
6位 スチュアート・オグレディ(オーストラリア)
7位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー)
8位 グレゴリー・ラスト(スイス)
9位 ルーカ・パオリーニ(イタリア)
10位 ジャック・バウアー(ニュージーランド)
22位 別府史之(日本)
48位 新城幸也(日本)                     +40"

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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