前日までとは打って変わって127.8kmのショートコースで行なわれたツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)第4ステージ。大集団によるゴールスプリントでアイディス・クルオピス(リトアニア、オリカ・グリーンエッジ)が勝利した。中間スプリントのボーナスタイムにより総合成績に変動が起きている。

総合2位のミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)とトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)総合2位のミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)とトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) photo:tourdepologne.plツール・ド・ポローニュ第4ステージがベンジンからカトヴィツェまでの127.8kmで行なわれた。2つの周回コースが組み合わされた平坦コースで、登場するカテゴリー山岳は3級が2つ。大方の予想通り、勝負は大集団によるゴールスプリントに持ち込まれた。

レース序盤、集団は一つの塊のまま28km地点の最初のスプリントポイントに突入する。トム・ボーネン(ベルギー)の力を借りたミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)がここを先頭通過した。

レース序盤からアタックが繰り返されるレース序盤からアタックが繰り返される photo:tourdepologne.plボーナスタイム3秒を獲得したクヴィアトコウスキーはモレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール)を抜いて総合首位に。その後、アンヘル・マドラソルイス(スペイン、モビスター)を含む4名の逃げグループが形成されるも、カトヴィツェの周回コースで吸収。スプリンターチームが牽引する大集団がゴールに突進した。

主導権を握ったのは、第2ステージの覇者ベン・スウィフト(イギリス)擁するチームスカイ。台本通りイアン・スタナード(イギリス)が強力に引き、マシュー・ヘイマン(オーストラリア)がスウィフトを発射する。

しかしスウィフトの番手をキープしたクルオピスが後方から猛加速。クルオピスは大きくバイクを左右に振りながらスウィフトに並び、そしてゴール前で先行。テオ・ボス(オランダ、ラボバンク)も届かず、クルオピスがガッツポーズを繰り出した。

ゴールスプリントを制したアイディス・クルオピス(リトアニア、オリカ・グリーンエッジ)ゴールスプリントを制したアイディス・クルオピス(リトアニア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Riccardo Scanferla

総合首位に立ったミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)総合首位に立ったミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) photo:tourdepologne.plクルオピスは今年ランドバウクレジットからオリカ・グリーンエッジに移籍した25歳。これがツアー・オブ・ノルウェーの第3ステージに続く今シーズン2勝目。昨年ツアー・オブ・ベルギーで並みいるスプリンターを蹴散らして優勝しているが、UCIワールドツアーレースでの勝利は初だ。「キャリアの中で最も重要な勝利であり、自分とチームの走りに満足している。調子の良さは感じていたけど、勝つのはまた別の話。チームメイトの力を借りて最高のポジション(スウィフトの後ろ)をキープして、そこから全力で踏んだ」とコメントしている。

総合上位陣は同じ集団内でゴール。中間スプリントでボーナスタイムを獲得した地元ポーランドのクヴィアトコウスキーがイエロージャージに袖を通した。

「いつかは獲得出来ると思っていたけど、モゼールから首位を奪うのは簡単なことじゃなかった。このイエロージャージキープに全力を尽くしたい」とクヴィアトコウスキーは話す。翌日から始まる山岳ステージで、クヴィアトコウスキーの真価が問われる。

レース展開や選手コメントはストリーミング&レース公式サイトより。

ツール・ド・ポローニュ2012第4ステージ結果
1位 アイディス・クルオピス(リトアニア、オリカ・グリーンエッジ)       2h43'04"
2位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
3位 テオ・ボス(オランダ、ラボバンク)
4位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)
5位 アレクサンドル・ポルセフ(ロシア、カチューシャ)
6位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、アスタナ)
7位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
8位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
9位 マシュー・ヘイマン(オーストラリア、チームスカイ)
10位 ルーカスセバスティアン・アエド(アルゼンチン、サクソバンク・ティンコフバンク)
16位 宮澤崇史(日本、サクソバンク・ティンコフバンク)
33位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ)

個人総合成績
1位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)18h07'33"
2位 モレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール)           +02"
3位 ファビアン・ウェーグマン(ドイツ、ガーミン・シャープ)             +08"
4位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)
5位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、レディオシャック・ニッサン)           +11"
6位 マヌエーレ・モーリ(イタリア、ランプレ・ISD)                 +12"
7位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)
8位 アレクサンドル・コロブネフ(ロシア、カチューシャ)
9位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)
10位 ミカル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
105位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ)                 +14'43"
175位 宮澤崇史(日本、サクソバンク・ティンコフバンク)             +34'53"

山岳賞
ダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、オリカ・グリーンエッジ)

ポイント賞
ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)

チーム総合成績
チームスカイ

text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla, tourdepologne.pl

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