アンディ・シュレクにツール・ド・フランス主催者A.S.Oからマイヨジョーヌが授与された。アルベルト・コンタドールの2010年ツールの優勝が剥奪された約4ヶ月後、正式に勝者として認める式典が用意されたのだ。

ベルナール・イノー氏からマイヨジョーヌを授与されたアンディ・シュレクベルナール・イノー氏からマイヨジョーヌを授与されたアンディ・シュレク (c)CorVos

5月29日、アンディ・シュレクのホームタウンであるモンドルフ・レ・バン(ルクセンブルグ)においてツール・ド・フランス優勝者の証マイヨジョーヌの授与式が行われた。
この式典はツール主催者A.S.O(アモリー・スポール・オルガニザシヨン)が企画したもので、総合ディレクターのクリスティアン・プリュドム氏、ベルナール・イノー氏らも出席。アンディ・シュレクにマイヨジョーヌが手渡たされた。

ツール・ド・フランス2010年大会は、アルベルト・コンタドール(スペイン、当時アスタナ)がアンディ・シュレクを破って総合優勝。しかしレース後、コンタドールのレース期間中のドーピング検査において禁止薬物クレンブテロールの陽性反応が出た。検出量が微量だったために裁定が長引き、2012年2月6日になってようやく出場停止処分が決定し、コンタドールの2010年ツール優勝のタイトルは剥奪された。アンディ・シュレクはその繰り上げ優勝のマイヨジョーヌを22ヶ月越しに受け取ることになった。

アンディは受賞の気持ちを次のようにコメントしている。

「ジャージを受け取るのは嬉しいね。でもそれで何かが大きく変わるわけじゃない。ちゃんと勝ったとは感じられないね。ロードの上でツールに勝って、シャンゼリゼでマイヨジョーヌを受け取るのとは同じじゃない。
これはお祝いじゃない。でもこのセレモニーを催してくれたことは嬉しいし、僕が気にかけているすべての人がいる。
僕はあの(2010年の)ツールで2つステージを勝って、数日間マイヨジョーヌを着た。あのツールを観た人は、誰もが僕とコンタドールが総合優勝に向けてどう闘ったかを目撃したはずだ。彼はロード上で僕を打ち負かしたんだ。その勝利を彼から奪うのは、僕の決めたことじゃなかった。
今、僕はオフィシャルにツールの勝者だ。でも僕はロード上での勝利に対してハングリーなんだ」。

プリュドム氏は次のようにコメントし、アンディに謝罪。そして2010年ツールの勝者として讃えた。

マイヨジョーヌを着たアンディ・シュレクとクリスティアン・プリュドム氏、ベルナール・イノー氏らマイヨジョーヌを着たアンディ・シュレクとクリスティアン・プリュドム氏、ベルナール・イノー氏ら (c)CorVos「この決定までに長い時間がかかってしまった。我々は皆、それが良いことではなかったことを認めます。我々にとって、シュレックの街に来て、アンディに対して敬意を表すことは大変重要なことだったのです。
偉大なチャンピオンのアンディに対して、これからたくさんのマイヨジョーヌをとってくれることを私は望むばかりです。彼は昨年のツールで、ガリビエ峠で独りアタックし、勝利しました。素晴らしい勇気を見せて、自転車レースのファンたちのハートを揺さぶってくれました」。

アンディ・シュレクはこれで記録上はツール・ド・フランスに1勝したことになる。
最大のライバルであるコンタドールがレースに戻ってくるのは、今年のツールが終わった8月5日だ。今年のツールでアンディは優勝候補のひとりだが、コンタドールとの勝負は2013年ツールまでお預けということになる。


コメントはチームリリースより。

photo:CorVos
text:Makoto.AYANO

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