ジロ前哨戦のトレンティーノ開幕 初日TTTはBMCが最速タイム

今年も北イタリアのトレント州で、ジロ・デル・トレンティーノ（UCI2.HC）が開幕した。初日となる4月17日に行われた14.3kmのチームタイムトライアルを制したのはBMCレーシングチーム。

第1ステージ コースプロフィール (c)Giro del Torentino今年で36回目の開催を迎えるジロ・デル・トレンティーノ。チームタイムトライアルで開幕する4日間のステージレースが舞台とするのは、北イタリアはトレント州の山岳地域。初日こそフラットなコースが組まれるものの、続く2・3・4ステージはいずれも超級カテゴリーを含む厳しい山岳コースだ。

ステージ6位 リクイガス・キャノンデール photo：Riccardo Scanferlaそのため、翌月に控えるジロ・デ・イタリアに焦点を合わせる、イタリアンチームを中心としたステージレーサーが毎年多く出場するのがこの大会の特徴で、昨年大会からはレースのカテゴリーが1級からHCへとランクアップしている。

昨年度覇者のミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)は、チームメイトのダミアーノ・クネゴ(イタリア)を従えて大会連覇を狙う。アルデンヌクラシックに出場するヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)を除き、ほぼフルメンバーを揃えるリクイガス・キャノンデールはイヴァン・バッソ(イタリア)がエースだ。

ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)やアレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム)、ホセ・ルハノ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトーリ)ら豪華メンバーを含む、計17チーム164名がスタートラインに並ぶ。


第1ステージ　リーヴァ・デル・ガルダ～アルコ 14.3km(チームタイムトライアル)

ステージ2位 アスタナ photo：Riccardo Scanferlaトレンティーノ初日はチームタイムトライアルで幕を開けた。ドロミテの麓にあるガルダ湖畔から北上し、アルコへ至る14.3kmがその舞台。コースはほとんどフラットで、チームの平坦路での走力が試されるレイアウトだ。

スカルポーニの大会連覇を狙うランプレ・ISDが暫定首位に経つと、これを23秒上回る15分50秒を叩きだしたのはテイラー・フィニー(アメリカ)やマルコ・ピノッティ(イタリア)を擁するBMCレーシングチーム。好走を見せたアスタナもBMCには10秒届かず、BMCが初日ステージ優勝に輝いた。

先頭でゴールラインを切ったのはアメリカ期待のテイラー・フィニー。リーダージャージに袖を通したフィニーは、「チームのパフォーマンスは素晴らしく、ボクがリーダージャージを獲得したのは間違いなくチーム全体の力によるもの。完全にボクらの脚質にコースは合っていたし、うまく追い風に乗ることができたんだ。」と語る。

シャンパンを開けるBMCレーシングチーム photo：Riccardo Scanferlaリーダージャージを獲得したテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) (c)Giro del Trentino


3位にはクライマーを多く揃えたコルナゴ・CSFイノックス。バッソ擁するリクイガス・キャノンデールは18秒差の6位に入っている。レース展開、選手コメントは大会公式HPより。

ジロ・デル・トレンティーノ2012第1ステージ結果
1位　BMCレーシングチーム　15'50"
2位　アスタナ　＋10”
3位　コルナゴ・CSFイノックス　＋12"
4位　アンドローニ・ジョカトーリ　＋14"
5位　アックア・エ・サポーネ　＋16"
6位　リクイガス・キャノンデール　＋18"
7位　ランプレ・ISD　＋22"
8位　チームネットアップ　＋22"
9位　ウテンシルノルド・ネイムド　＋37"
10位　スパイダーテック　＋42"

個人総合成績
1位　テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)　15'50"
2位　アレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム)
3位　マルコ・ピノッティ(イタリア、BMCレーシングチーム)
4位　ヤニック・エイセン(ベルギー、BMCレーシングチーム)
5位　マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)
6位　イヴァン・サンタロミータ(イタリア、BMCレーシングチーム)　＋06"
7位　ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)　＋10"
8位　ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、アスタナ)
9位　ケヴィン・シールドライヤース(ベルギー、アスタナ)
10位　パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ)


text：So.Isobe
photo：Riccardo Scanferla