2012/03/30(金) - 12:02
3月27日から29日まで、ベルギーでVDKデパンヌ3日間レース（UCI2.HC）が開催された。この、3日間に4ステージが設定されたフランドルステージレースで、勢いに乗るオメガファーマ・クイックステップのシルヴァン・シャヴァネル（フランス）が総合優勝。いよいよロンド・ファン・フラーンデレンが週末に迫る。
第2ステージ ベルギー北西部のフランドル地方を走る photo:Cor Vosベルギー・フランドル地方を舞台にしたVDKデパンヌ3日間レース（正式名称VDK Driedaagse De Panne - Koksijde）。その名の通り開催は3日間だが、最終日に2ステージ（短距離ロードレースと個人TT）が行なわれるため、ステージ数は4つだ。
フランドル名物の急坂が多数登場するが、メジャークラシックほど破壊力は無く、スプリンターにチャンスとなるステージが多い。今年も前半からスプリンターたちの独壇場となり、最終個人タイムトライアルで総合争いが決着した。
第1ステージ 接戦スプリントを制したペーター・サガン（スロバキア、リクイガス・キャノンデール） photo:Cor Vos元チームメイトのジャコポ・グアルニエーリ（イタリア、アスタナ）を下し、第1ステージを制したのはペーター・サガン（スロバキア、リクイガス・キャノンデール）。ヘント〜ウェベルヘムで2位の成績を収めた22歳が、12カ所の急坂を克服した50名によるスプリントで力を見せつけた。
しかしサガンは続く第2ステージで集団から脱落し、リーダージャージは同ステージ2位のアレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ）の手に。大集団によるゴールスプリントで、23歳のマルセル・キッテル（ドイツ、プロジェクト1t4i）が勝利している。
第2ステージ 大集団スプリントを制したマルセル・キッテル（ドイツ、プロジェクト1t4i） photo:Cor Vosなお、プロジェクト1t4iは3月30日に新スポンサーと新チーム名を発表する。その模様は日本時間18時30分からチーム公式サイトでストリーミング放送される予定だ。
リーダージャージを手にしたクリストフは、最終日午前中の第3aステージで勝利し、総合リードを広げて最終個人タイムトライアルへ。しかし、北海沿いのデ・パンヌとコクスアイデを往復する14.7kmの平坦コースで、クリストフは1分15秒遅れのステージ34位。総合リードを守ることは出来なかった。
第3aステージ ゴールスプリントを制したアレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ） photo:Cor Vos代わって総合首位に立ったのは、17分49秒のトップタイムでステージ優勝したシャヴァネル。パリ〜ニース総合2位のリエーベ・ヴェストラ（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM）が総合2位、マチェイ・ボドナール（ポーランド、リクイガス・キャノンデール）が総合3位という結果に終わっている。
「今シーズンはチームメイトが多くの勝利を収める中、自分はここまで勝てていなかった。だからスーパーハッピーだ」。チーム公式サイトのインタビューでシャヴァネルはそう語っている。オメガファーマ・クイックステップはこれがシーズン23勝目。勝利数では、2位のリクイガス・キャノンデール（14勝）を大きく引き離している。
第3bステージ トップタイムで優勝したシルヴァン・シャヴァネル（フランス、オメガファーマ・クイックステップ） photo:Cor Vos「そして、この勝利がタイムトライアルによってもたらされたことに喜びを感じている。昨年背中を痛めてから本来の力を出せずにいたので、この冬はタイムトライアルのフォーム改善に取り組んだんだ。その努力がこうして形になって嬉しい」と、シャヴァネル。
オメガファーマ・クイックステップは、E3プライスとヘント〜ウェベルヘムを制したトム・ボーネン（ベルギー）をエースに据え、週末に迫ったロンド・ファン・フラーンデレンを闘う。その中でシャヴァネルはアシストとして重要な役割を担うことになるだろう。シャヴァネルは「フランドルのレースは大好きで、その頂点がロンド・ファン・フラーンデレン。この1週間でコンディションの良さは確認出来た。チームとして、ロンド・ファン・フラーンデレンに挑む準備が出来ている」と意気込んだ。
レース内容はレース公式サイトより。
第3bステージ 4秒差の2位、リエーベ・ヴェストラ（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM） photo:Cor Vos
第3bステージ 17秒差の3位、スヴェイン・タフト（カナダ、グリーンエッジ） photo:Cor Vos
第3bステージ 32秒差の8位、ルーク・ダーブリッジ（オーストラリア、グリーンエッジ） photo:Cor Vos
第3bステージ 最終総合表彰台 photo:Cor Vos
3月27日（火） 第1ステージ ミッデルケルケ〜オーデナールデ 201.6km
1位 ペーター・サガン（スロバキア、リクイガス・キャノンデール） 4h33'41"
2位 ジャコポ・グアルニエーリ（イタリア、アスタナ）
3位 ファビオ・サバティーニ（イタリア、リクイガス・キャノンデール）
4位 アレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ）
5位 エリア・ファヴィッリ（イタリア、ファルネーゼヴィーニ）
3月28日（水） 第2ステージ ゾッテヘム〜コクスアイデ 216.1km
1位 マルセル・キッテル（ドイツ、プロジェクト1t4i） 4h51'16"
2位 アレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ）
3位 ボイ・ファンポッペル（オランダ、ユナイテッドヘルスケア）
4位 ケニーロバート・ファンヒュンメル（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM）
5位 アンドレ・グライペル（ドイツ、ロット・ベリソル）
3月29日（木） 第3aステージ デパンヌ〜デパンヌ 112.1km
1位 アレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ） 2h22'58"
2位 アンドレ・シュルツ（ドイツ、チームネットアップ）
3位 ケニーロバート・ファンヒュンメル（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM）
4位 フランチェスコ・キッキ（イタリア、オメガファーマ・クイックステップ）
5位 ダニエーレ・コッリ（イタリア、チームタイプ1）
3月29日（木） 第3bステージ デパンヌ〜デパンヌ 14.7km（個人TT）
1位 シルヴァン・シャヴァネル（フランス、オメガファーマ・クイックステップ） 17'49"
2位 リエーベ・ヴェストラ（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM） +04"
3位 スヴェイン・タフト（カナダ、グリーンエッジ） +17"
4位 ニキ・テルプストラ（オランダ、オメガファーマ・クイックステップ） +18"
5位 マチェイ・ボドナール（ポーランド、リクイガス・キャノンデール） +19"
個人総合成績
1位 シルヴァン・シャヴァネル（フランス、オメガファーマ・クイックステップ）12h05'44"
2位 リエーベ・ヴェストラ（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM） +04"
3位 マチェイ・ボドナール（ポーランド、リクイガス・キャノンデール） +14"
4位 スヴェイン・タフト（カナダ、グリーンエッジ） +17"
5位 ニキ・テルプストラ（オランダ、オメガファーマ・クイックステップ） +18"
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
第2ステージ ベルギー北西部のフランドル地方を走る photo:Cor Vosベルギー・フランドル地方を舞台にしたVDKデパンヌ3日間レース（正式名称VDK Driedaagse De Panne - Koksijde）。その名の通り開催は3日間だが、最終日に2ステージ（短距離ロードレースと個人TT）が行なわれるため、ステージ数は4つだ。フランドル名物の急坂が多数登場するが、メジャークラシックほど破壊力は無く、スプリンターにチャンスとなるステージが多い。今年も前半からスプリンターたちの独壇場となり、最終個人タイムトライアルで総合争いが決着した。
第1ステージ 接戦スプリントを制したペーター・サガン（スロバキア、リクイガス・キャノンデール） photo:Cor Vos元チームメイトのジャコポ・グアルニエーリ（イタリア、アスタナ）を下し、第1ステージを制したのはペーター・サガン（スロバキア、リクイガス・キャノンデール）。ヘント〜ウェベルヘムで2位の成績を収めた22歳が、12カ所の急坂を克服した50名によるスプリントで力を見せつけた。しかしサガンは続く第2ステージで集団から脱落し、リーダージャージは同ステージ2位のアレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ）の手に。大集団によるゴールスプリントで、23歳のマルセル・キッテル（ドイツ、プロジェクト1t4i）が勝利している。
第2ステージ 大集団スプリントを制したマルセル・キッテル（ドイツ、プロジェクト1t4i） photo:Cor Vosなお、プロジェクト1t4iは3月30日に新スポンサーと新チーム名を発表する。その模様は日本時間18時30分からチーム公式サイトでストリーミング放送される予定だ。リーダージャージを手にしたクリストフは、最終日午前中の第3aステージで勝利し、総合リードを広げて最終個人タイムトライアルへ。しかし、北海沿いのデ・パンヌとコクスアイデを往復する14.7kmの平坦コースで、クリストフは1分15秒遅れのステージ34位。総合リードを守ることは出来なかった。
第3aステージ ゴールスプリントを制したアレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ） photo:Cor Vos代わって総合首位に立ったのは、17分49秒のトップタイムでステージ優勝したシャヴァネル。パリ〜ニース総合2位のリエーベ・ヴェストラ（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM）が総合2位、マチェイ・ボドナール（ポーランド、リクイガス・キャノンデール）が総合3位という結果に終わっている。「今シーズンはチームメイトが多くの勝利を収める中、自分はここまで勝てていなかった。だからスーパーハッピーだ」。チーム公式サイトのインタビューでシャヴァネルはそう語っている。オメガファーマ・クイックステップはこれがシーズン23勝目。勝利数では、2位のリクイガス・キャノンデール（14勝）を大きく引き離している。
第3bステージ トップタイムで優勝したシルヴァン・シャヴァネル（フランス、オメガファーマ・クイックステップ） photo:Cor Vos「そして、この勝利がタイムトライアルによってもたらされたことに喜びを感じている。昨年背中を痛めてから本来の力を出せずにいたので、この冬はタイムトライアルのフォーム改善に取り組んだんだ。その努力がこうして形になって嬉しい」と、シャヴァネル。オメガファーマ・クイックステップは、E3プライスとヘント〜ウェベルヘムを制したトム・ボーネン（ベルギー）をエースに据え、週末に迫ったロンド・ファン・フラーンデレンを闘う。その中でシャヴァネルはアシストとして重要な役割を担うことになるだろう。シャヴァネルは「フランドルのレースは大好きで、その頂点がロンド・ファン・フラーンデレン。この1週間でコンディションの良さは確認出来た。チームとして、ロンド・ファン・フラーンデレンに挑む準備が出来ている」と意気込んだ。
レース内容はレース公式サイトより。
第3bステージ 4秒差の2位、リエーベ・ヴェストラ（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM） photo:Cor Vos第3bステージ 17秒差の3位、スヴェイン・タフト（カナダ、グリーンエッジ） photo:Cor Vos第3bステージ 32秒差の8位、ルーク・ダーブリッジ（オーストラリア、グリーンエッジ） photo:Cor Vos第3bステージ 最終総合表彰台 photo:Cor Vos3月27日（火） 第1ステージ ミッデルケルケ〜オーデナールデ 201.6km
1位 ペーター・サガン（スロバキア、リクイガス・キャノンデール） 4h33'41"
2位 ジャコポ・グアルニエーリ（イタリア、アスタナ）
3位 ファビオ・サバティーニ（イタリア、リクイガス・キャノンデール）
4位 アレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ）
5位 エリア・ファヴィッリ（イタリア、ファルネーゼヴィーニ）
3月28日（水） 第2ステージ ゾッテヘム〜コクスアイデ 216.1km
1位 マルセル・キッテル（ドイツ、プロジェクト1t4i） 4h51'16"
2位 アレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ）
3位 ボイ・ファンポッペル（オランダ、ユナイテッドヘルスケア）
4位 ケニーロバート・ファンヒュンメル（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM）
5位 アンドレ・グライペル（ドイツ、ロット・ベリソル）
3月29日（木） 第3aステージ デパンヌ〜デパンヌ 112.1km
1位 アレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、カチューシャ） 2h22'58"
2位 アンドレ・シュルツ（ドイツ、チームネットアップ）
3位 ケニーロバート・ファンヒュンメル（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM）
4位 フランチェスコ・キッキ（イタリア、オメガファーマ・クイックステップ）
5位 ダニエーレ・コッリ（イタリア、チームタイプ1）
3月29日（木） 第3bステージ デパンヌ〜デパンヌ 14.7km（個人TT）
1位 シルヴァン・シャヴァネル（フランス、オメガファーマ・クイックステップ） 17'49"
2位 リエーベ・ヴェストラ（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM） +04"
3位 スヴェイン・タフト（カナダ、グリーンエッジ） +17"
4位 ニキ・テルプストラ（オランダ、オメガファーマ・クイックステップ） +18"
5位 マチェイ・ボドナール（ポーランド、リクイガス・キャノンデール） +19"
個人総合成績
1位 シルヴァン・シャヴァネル（フランス、オメガファーマ・クイックステップ）12h05'44"
2位 リエーベ・ヴェストラ（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM） +04"
3位 マチェイ・ボドナール（ポーランド、リクイガス・キャノンデール） +14"
4位 スヴェイン・タフト（カナダ、グリーンエッジ） +17"
5位 ニキ・テルプストラ（オランダ、オメガファーマ・クイックステップ） +18"
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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