5月17日(日)から始まる今年のツアー・オブ・ジャパン。24日(日)までの7ステージ752.6kmで行われる。クリテリウムになった初日の堺ステージや激坂の富士山ステージなど、コースから見どころを紹介しよう。

会場では選手と触れ合えるのも楽しみだ。昨年の堺ステージ・新城幸也会場では選手と触れ合えるのも楽しみだ。昨年の堺ステージ・新城幸也 photo:Hideaki.TAKAGI初日はクリテリウムの堺ステージ
5月17日(日)12時スタート、1周2.7kmを38周102.6kmのクリテリウム。各チームのスプリンターが主役のステージだ。当日は雨模様の予報。常に数人が逃げる展開になるだろう。それが幾度も繰り返され、逃げのままゴールを迎えるかもしれない。ここでメイン集団と数十秒の差がつくと、飯田ステージまでの上位陣に大きく影響する。
選手ではシマノレーシングの鈴木真理に注目だ。大阪地元チームとして、そして個人として目標に掲げている。

観戦はしやすい。JR阪和線の百舌鳥駅横がすぐのコースだ。コースの内側はレース前から各種イベントが行われている。準備中の選手も見られる。スタート後は、コースを逆方向に歩くといいだろう。観戦しながらゆっくり歩いてちょうど1周するくらいだ。外周を回ると一通り見られる。当日はミニFM放送による実況も行われるため、例年全ステージ中で一番の観客数なので、混雑するゴール地点をあえて外すのもいいだろう。

※ミニFM放送周波数 自転車博物館基地局近く:88.8MHz  遠方用のサブ周波数:83.8MHz



上りゴールの奈良ステージ。昨年のウェズリ・サルツバーガーとキャメロン・マイヤー上りゴールの奈良ステージ。昨年のウェズリ・サルツバーガーとキャメロン・マイヤー photo:Hideaki.TAKAGIゴール前の坂が厳しい奈良ステージ
大仏殿前がパレードスタート。特に外国選手が記念撮影したり鹿と戯れるシーンが毎年見られる。レースは1周10.1kmを12周の121.2km。周回コースまでは上り坂をパレード走行。周回はゴール前が1.5kmの上り坂。ほか2箇所に少しの上りがある。一部狭い区間もあり、毎年数人の逃げが絶えずできる。多くは秒差のつく細長い集団ゴールだが、昨年は14人が1分半の差をつける逃げを決めた。

観戦はスタートを見てシャトルバスに乗るか、あるいは自走やマイカーならば、周回前に余裕持ってゴール地点付近へ入ることだ。周回が始まってからは外部から一切中へ入れないので注意。ゴール付近は、ダムのえん堤を使えば、1周で2回見られる。コース内の移動は自転車・歩行者ともにできない。

美濃ステージは一箇所上りがある美濃ステージは一箇所上りがある photo:Hideaki.TAKAGIスピードレースになるか?美濃ステージ
昨年は梅丹の福島晋一が独走優勝を決めたコース。一箇所に1.5kmほどのやや急な上りがある、1周長めの21.3kmを7周する160.7kmのコース。ポイントはやはりこの上りで、アタックが見られるだろう。
また平坦区間が長いため、いったん人数の多い逃げが決まると決定的なものになりやすい。昨年は奈良ステージの逃げメンバーを多く含む17人の逃げが決まり、総合成績に大きな影響を与えた。

観戦はゴール地点付近か、または補給地点から山岳ポイントの大矢田トンネルまでの区間がいい。ただし後者はゴール地点への移動がレース中にできないためゴールを見られない。それでも間近に見られるメリットは大きい。

山岳の南信州ステージ山岳の南信州ステージ photo:Hideaki.TAKAGI地元の応援が熱い南信州ステージ
第4ステージは飯田市で5月20日(水)8時45分にスタート。飯田は今や言わずと知れた自転車のまち。市長から市民まで皆が途切れることなく沿道で声援を送る。
コースは1周12.2kmを12周してゴールする148km。標高差150mを一気に駆け上がり、山岳コースの部類に入る。毎年逃げが決まり、小集団でのゴールとなる。スプリント力のあるオールラウンダータイプが有利だ。

観戦は山岳ポイント周辺がおススメだ。コース外側の道を使えば車または自転車でゴール地点へ向かうこともできなくはないが、ここは落ち着いて内側で観戦してみよう。

ふじあざみラインで2位となりリーダーとなったゴン・ヒョソクふじあざみラインで2位となりリーダーとなったゴン・ヒョソク photo:Hideaki.TAKAGI激坂を駆け上がる富士山ステージ
第5ステージは移動日をはさんで5月22日(金)に、ふじあざみラインで行われるタイムトライアルだ。ここは言わずと知れた日本を代表する激坂。11.4kmで1200mを上る。特に中間点を過ぎた2kmほどは15%以上の坂が連続する。コースレコードは05年にアンドレイ・ミズロフの出した40分27秒。日本人では08年Jツアー(マスドスタート)で狩野智也の出した42分31秒。このステージで個人総合優勝候補が数人に絞られる。

観戦はスタート地点、または先回りしてゴール地点に車を止めてそこから歩くといいだろう。コース脇に車の駐車スペースは無い。前もって自走しておく手段もあるが、勾配のきつさに注意。食料とカメラを持って観戦しよう。また選手の機材にも注目だ。リアに28Tや29Tをつけたり、あるいはホイールも注目だ。コンパクトドライブが比較的少ないのが最近の傾向だ。

伊豆ステージは絶えず逃げができる伊豆ステージは絶えず逃げができる photo:Hideaki.TAKAGI総合がほぼ決まる伊豆ステージ 
選手の疲労もピークに達する第6ステージは伊豆・修善寺の日本CSC8kmコースを12周する96km。上りと下りしかないハードなコースは容赦なく選手をふるいに掛ける。10秒程度以上の差をひっくり返す事実上最終ステージのため、各チームのアタックが繰り返される。数十秒差を逆転することも不可能ではない。いっぽうで完全にグルペットとなって周回するスプリンター達も見られる。

観戦はサーキットなのでしやすい。山岳ポイントへ至る上りが一番いいだろう。会場内を移動して余裕を持ってゴールを見られる。

東京ステージは観戦しやすい東京ステージは観戦しやすい photo:Hideaki.TAKAGI熾烈なスプリントの東京ステージ
最終第7ステージは東京・大井埠頭周回コースで、日比谷シティ前をパレードスタートしてから7kmを14周する112.7km。完全なフラットコースで、スピードマンたちのバトルが繰り広げられる。総合上位が10秒程度の差である場合は、途中に設けられるスプリントポイントでのボーナスタイム獲得のための逃げやスプリントが見られる。総合上位者にとってはチームの力も試されるステージだ。

観戦は、スタートを見てからシャトルバスに乗り、周回コースで見るのがいいだろう。場所柄、自走で周回コースに向かうのもいい。区間の多くが往復コースなので、たくさん見られる。表彰会場は多くの人が集まるので、早めに前方を確保するといい。
また、このステージにはツール個人総合優勝3回、世界戦ロード2勝のグレッグ・レモン氏がパレードと表彰式に登場する。

東京ステージの表彰台でグリーンジャージを着るのは果たして誰だろうか。
そして選手たちの大半は中3日で次のツール・ド・熊野へと突入する。