秋田インターハイ最終日は個人ロードレース。「5歳のときから自転車を始めた」大野宏樹(広島・広島城北)が、全国大会で初の優勝を飾った。

95km先のゴールに向けてスタート95km先のゴールに向けてスタート photo:Hideaki.TAKAGI田沢湖畔を走る。1周目メイン集団田沢湖畔を走る。1周目メイン集団 photo:Hideaki.TAKAGI2周目のメイン集団2周目のメイン集団 photo:Hideaki.TAKAGI大野宏樹(広島・広島城北)が優勝大野宏樹(広島・広島城北)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGI8月11日、秋田インターハイ4日目の個人ロードレースは、会場を仙北市田沢湖周回コースへ移して行われた。
コースは「クニマスのふるさと」田沢湖を周回する21.8kmを4周プラス、田沢湖スキー場への登坂8kmの計95.2km。周回コースは片側1車線で基本は平坦。補給地点過ぎに標高差50mほどの上りがある程度。ゴールへの上り標高差は350mほど、およそ6、7%が連続し、終盤に少し勾配がきつくなる。

周回コースは逃げが決まりにくいもので、最後の登坂勝負になると見るのが普通だろう。
1周目からアタックがかかり、数名が集団に先行する展開に。やがて逃げは山口力人(高知・高知工)、伊藤良徳(愛知・愛工大名電)、日野林雄大(愛媛・松山工)の3人になり、メイン集団に最大1分30秒差をつける。しかし3周目に入ってからメイン集団がこの3人を猛追、吸収してから4周目へ。この4周目ではアタックは決まらず上り口へ。

すぐに数人が抜け出す展開に。上りの中盤を過ぎて先頭は2人に。徳田優(京都・北桑田)と原田裕成(岡山・水島工)だ。ここに後続グループから深津智広(島根・出雲工)が追いつき、さらに後続から抜け出した大野宏樹(広島・広島城北)が追いつく。

しばらく4人で上るが徳田と大野が積極的に走り、深津そして原田がやや下がっていく。ゴール近くの急勾配区間で大野が抜け出し独走状態に。そのまま2位の徳田に5秒差をつけ優勝。

この6月のジュニア全日本ロードチャンピオンの西村大輝(東京・昭和第一学園)は6位だったが、貴重なポイントを挙げて、学校対抗では岐阜・岐南工を逆転して総合優勝の立役者となった。

優勝した大野は「とても嬉しい。上りの方が得意だが、優勝が信じられないほど」と語る。5歳のときから自転車を始め、BMXからその後にロードを始めて、自転車歴は10年以上。地方大会では優勝をはじめ上位常連だが、全国大会での優勝は初。「とにかく自転車で走ることが好き」で、冬場はシクロクロスにも出場している。この日は家族が見守る前で優勝。最高の締めくくりとなった。今後については未定で、進学校のため、まずは受験勉強をすると言う。進路にも注目だ。

2位の徳田は「周回コースで逃げようとしたができなかったので、上りで頑張った。でも大野さんのほうが強かった。課題が見つかったのでもっと練習します」と語る。なお、徳田鍛造(鹿屋体育大学)は実兄だ。



全国初制覇の大野宏樹(広島・広島城北)全国初制覇の大野宏樹(広島・広島城北) photo:Hideaki.TAKAGI最終的には登坂勝負となった今年のインターハイ・ロード。だが平坦区間ではあらかじめ差をつけるべく積極的な逃げが生まれ、そしてそれを終盤に登坂勝負のエースのため、アシストが追走し吸収。全体で平均時速42キロオーバー、周回部分の平均時速は45キロに迫るほどの積極的なレースになった。

結果 95.2km
1位 大野宏樹(広島・広島城北)2時間13分18秒1
2位 徳田優(京都・北桑田)+5秒
3位 原田裕成(岡山・水島工)+14秒
4位 深津智広(島根・出雲工)+15秒
5位 金内一行(福島・白川実)+16秒
6位 西村大輝(東京・昭和第一学園)+17秒
7位 大沼尋人(福島・学法石川)+18秒
8位 秋田拓磨(福井・春江工)+24秒
9位 片桐善也(新潟・吉田)+27秒
10位 高士拓也(三重・朝明)+28秒


ロードレース表彰ロードレース表彰 photo:Hideaki.TAKAGI学校対抗総合得点
1位 昭和第一学園高等学校 32点
2位 岐阜県立岐南工業高等学校 31点
3位 学校法人松翠学園岐阜第一高校 30点

photo&text:高木秀彰