平均18%勾配区間で単独となった増田成幸(宇都宮ブリッツェン)。2位以下に1分以上の大差をつけてヒルクライム2連戦を連勝で飾った。2位には健闘した乾友行(竹芝サイクルレーシングJPT)が入った。

約800人の選手たちが見守る中、P1選手たちがゴール約800人の選手たちが見守る中、P1選手たちがゴール Haruo.FUKUSHIMA

日本を代表する激坂
6月19日、日本を代表する激坂のふじあざみライン(静岡県小山町)で行われた第8回富士山ヒルクライム。
コースは11.4kmで1200mを上るもので、中盤以降は平均18%の勾配が2kmほど続き、トップレベルの選手たちでさえ蛇行するほどの坂。
スタート後は柿沼章(宇都宮ブリッツェン)先頭にブリッツェン勢が固めるスタート後は柿沼章(宇都宮ブリッツェン)先頭にブリッツェン勢が固める photo:Hideaki.TAKAGI3.5km地点、乾友行(竹芝サイクルレーシングJPT)が先頭をリードする3.5km地点、乾友行(竹芝サイクルレーシングJPT)が先頭をリードする photo:Hideaki.TAKAGI5km地点、狩野智也(チームブリヂストン・アンカー)が遅れだす5km地点、狩野智也(チームブリヂストン・アンカー)が遅れだす photo:Hideaki.TAKAGI日本人コースレコードは、昨年に森本誠(イナーメ・アイランド信濃山形-JPT)が出した42分11秒。それまでは狩野智也(チームブリヂストン・アンカー)の42分31秒。外国人では2009年TOJでのセルヒオ・パルディージャ(カルミオーロ・Aスタイル、現モビスター所属)が出した40分21秒だ。

狩野と増田の戦い
1週間前の栂池で優勝したのは増田。中盤までそのレースをリードしたのは2位となった狩野。ヒルクライム2連戦で、この2人の対決が注目された。スタート前、2人はとなりの選手たちと談笑するが、その目はしっかりとゴール地点の富士山5合目を見据えている。

スタート地点の天候は曇りだが、中間点から上は雲の中で視界が聞かない。路面も濡れてこけなどで滑りやすくなっている。
Eクラスや市民レースがすべて終わる頃、Pクラスがスタート。今年は日程上、この富士山が全日本ロードの1週間前に実施された。ヒルクライムレースの中でもこのあざみラインだけは特別な急勾配のため、通常のロードレースとは違った部位の筋肉を使う。全日本のことを考えるならば出場しないことも選択のうち。シマノレーシングはこの理由で出走していない。

乾が増田と狩野を相手に戦う
スタート直後は柿沼章(宇都宮ブリッツェン)先頭にブリッツェン勢が先頭を固め、増田を援護する。その後小室雅成(湘南ベルマーレ)が引いてペースを維持する。小原賢介(オーベストディープラスデザイン)、屋部佳伸(チバポンズ川口農園cyclowired)、狩野智也(チームブリヂストン・アンカー)らが先頭に立つ。

2km地点で増田が先頭に立ち、そして乾友行(竹芝サイクルレーシングJPT)が先頭に。狩野、増田、そして乾の3人が先頭を回す。南島康一(イナーメ・アイランド信濃山形-JPT)も食い下がるが、4km付近で乾、増田、狩野の3人になる。乾はペースを上げて積極的に前に立つ。3人でいるときは先頭が一番長いほど。

8km地点、独走でゴールを目指す増田成幸(宇都宮ブリッツェン)8km地点、独走でゴールを目指す増田成幸(宇都宮ブリッツェン) photo:Hideaki.TAKAGI

増田が独走態勢に
5km地点で狩野が徐々に離れていき、先頭は増田と乾の2人に。回していくが次第に増田の先頭が長くなる。7km地点で乾が離れ、増田が単独先頭に出る。増田はペースを保って急勾配区間をクリア、ゴールへ向かう。後続はいったんは離れた狩野がペースを戻す。さらに後方では高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形-JPT)、森本誠(イナーメ・アイランド信濃山形-JPT)らが自分のペースで次第に上がってくる。ゴール地点、先にレースを終えたEクラスや市民レーサー達約800人が見守る中で増田がゴール。見事2連勝を飾った。2位には乾が、続いて追い上げた狩野が入った。

優勝の増田成幸(宇都宮ブリッツェン)優勝の増田成幸(宇都宮ブリッツェン) photo:Hideaki.TAKAGI増田は狩野とそして乾を、アタックではなく自分のハイペースを守ることで振り落とし、終盤まで崩れることなく走りきった。驚くのは2位の乾だ。その順位もさることながら、増田と狩野が口をそろえて「強かった。ペースの上げ下げが応えた」と言う。3人で走っているときは、先頭交代というよりはむしろ、ほか2人のペースを上げるかのような走り方だった。2人ともその乾のペース加減を、そのうちに放置したというほどだ。

優勝した増田成幸(宇都宮ブリッツェン)のコメント
「今日は大崩れしなければ勝てるかと思っていた。中盤は2位の人がペースを上げていたが、自分は冷静になってゴールで全力を出し切る走りにした」
「レースなので勝つことを重視して、軽量化のためメーターも外した。右京さんにいただいた軽いデュラエースのチェーンホイールが嬉しいです。ギアは39x28Tを使った」
「全日本が1週間後だが、それに向けたきつい練習の間にこのレースを入れた。だからこのレースに出たことは全日本に対してマイナスではない。全日本はワンデイだからこの方法がいいと思っている」


F1/2 トップの橋本みどり (なるしまフレンド)F1/2 トップの橋本みどり (なるしまフレンド) Haruo.FUKUSHIMA2位の乾友行(竹芝サイクルレーシングJPT)のコメント
「2位にまでなれるとは思っていなかった。狩野さんを目標に今まで走ってきた。調子良かったので前へ出られるときには出た。それでほかの人は消耗したかもしれない。作戦とも言えるかも」
「ここが一番得意なコースなのでこの日のために調整してきた。とにかく予想以上でびっくりしている。乗鞍も出ます」


結果
JPT
1位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)42分58秒
2位 乾友行(竹芝サイクルレーシングJPT)+1分12秒
3位 狩野智也(チームブリヂストン・アンカー)+1分22秒
4位 奈良基(ボンシャンス飯田JPT)+2分09秒
5位 菅野正明(Fuji-Cyclingtime.com Japon)+2分21秒
6位 高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形-JPT)+2分29秒
7位 南島康一(イナーメ・アイランド信濃山形-JPT)+2分47秒
8位 森本誠(イナーメ・アイランド信濃山形-JPT)+3分00秒
9位 栂尾大知(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)+3分03秒
10位 中野清太郎(オーベストディープラスデザイン)+3分10秒

JPT 表彰JPT 表彰 photo:Hideaki.TAKAGIF1/2
1位 橋本みどり(なるしまフレンド)1時間01分19秒
2位 佐藤咲子(Ready Go JAPAN)+2分20秒
3位 角尾恵(スミタ・ラバネロ)+8分36秒

E1
1位 高橋聡一(シマノドリンキング)45分44秒
2位 河合玄太(リベルタスTOCHIGI BICYCLE CLUB)+1分12秒
3位 堀孝明(ブラウ・ブリッツェン)+2分32秒
4位 足立智弘(クラブGiro)+3分01秒
5位 鈴木和典(チームオーベスト)
6位 奥田瑛史(クラブシルベスト)+3分03秒

E2
1位 兼子博昭(スワコレーシングチーム)48分34秒
2位 山中健治(ナカガワAS.K'デザイン)+1分03秒
3位 福岡直樹(HIRAKO.mode)+3分57秒
4位 坂井裕紀(BREZZAカミハギRT)+4分00秒
5位 馬場克行(HIRAKO.mode)+4分04秒
6位 塚野英俊(大福屋)+4分24秒

E3
1位 ルーク・クレイトン(Fuji-Cyclingtime.com)47分52秒
2位 松村和浩(Tyrell Kagawa Racing)+10秒
3位 ブライアン・バークハウス(NSR)+1分01秒
4位 小味智靖(クラブシルベスト)+1分23秒
5位 田久保和也(イナーメ・アイランド信濃山形)+1分29秒 
6位 雨澤毅明(ブラウ・ブリッツェン)+1分34秒

photo:高木秀彰、Haruo.Fukushima text:高木秀彰
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