長距離かつ登坂が目立つ過酷なステージ構成だったジロ・デ・イタリア2011。前評判通りコンタドールが圧倒的な力を見せつけて総合優勝。無事に走り終えた選手たちの胸に去来するものは?

36秒差・ステージ3位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)36秒差・ステージ3位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード) photo:Kei Tsuji総合優勝とポイント賞の二冠を獲得し、最終ステージ3位のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)

レースのあいだ、とくに第1週は平坦ステージが続いてたので、自分の能力が疑わしかった。ライバルたちの調子が正確にわからなかったからね。山岳ステージがはじまってからは、順調になった。よい感覚が持てない、いわゆるバッド・デイもあったけど、それも克服した。そんな日には、ジロに勝つなんて無理だと思った。でも、なんとか乗り切った。

――ツール・ド・フランスへの出場について
今はこの勝利を味わうことだけ考えている。ツールについては考えていない。監督やチームと話し合ったり、回復の具合を見る必要がある。それから結論を下すつもりだよ。

――ドーピングなどの問題もなく、実力を発揮できたことについて
勝つことだけを目標にしてきた。そのためにできることはなんでもやった。しっかり意識して準備した。たとえば、屋外練習ではあらゆる機会を利用したんだ。信じられないぐらいのコンディションだったし、目標は誰かになにかを見せることではなく、勝つことだった。

――今年のツールへの出場可能性と、昨年のツール優勝が剥奪される可能性について
トレーニング期間中に、回復の度合いを監督と話し合って結論を出したいと思う。去年のツールについては、ぼくの心の中では、誰もぼくから優勝を剥奪できない。ツールに勝ったのは、ぼくだから。

――自転車競技への信頼を失った人々へ一言
そうだね、山に観戦に来てもらいたいよ。ゾンコランとかマルモラーダにね。現場にきて、この競技が刺激的で楽しいものだということを、その目で直接見てほしい。それに、ミラノの広場にめがけて自転車で乗り込む光景は、ジロのすばらしい締めくくりだったと思う。

――ステージ優勝を譲ったのは人気取りのため?
2つめのジロ総合優勝トロフィーを獲得したアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)2つめのジロ総合優勝トロフィーを獲得したアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード) photo:Kei Tsujiルハノやティラロンゴを勝たせたときは、自分の心の命ずるままにやったんだ。たしかに、ファンからの人気も大切なんだけど、どう思われるかは気にしない。自分の行動について信念を持っているからね。

――突然ジロに呼び出されて優勝した2008年と比べてみると?
2008年のジロはまったく状況が違っていた。監督に強制的に呼び出されたんだ。スポンサーの強い要請だった。1週間だけ出場して帰ればいいという気だったんだけど、好成績だったので長く出場することになった。とても苦しいジロだったよ。タイムを失わないように集中しなければならなかったからね。でも、実際のところ、2008年のジロは人生最高の思い出になっている。

今年は状況がまったく違った。充分にトレーニングしたし、集中できていた。各ステージも熟知していたから、戦略も明確だった。だから、勝利のために100%集中して戦えたんだ。こうして信じられない結果を手にすることができて、満足している。2008年と今年は、まったく別のジロだったよ。

今回の優勝は簡単そうに見えただろうけれど、全然そうじゃなかった。2008年以来のジロでの優勝は格別だ。多大な努力があったし、とても複雑だったからね。この勝利は、いつも身近で支えてくれている家族に、そして友人やファン、チーム、スポンサーに捧げたい。


サクソバンク・サンガードのビャルヌ・リース監督

このチームはとてもやっかいな仕事をやりとげ、各々の選手が与えられた役割を果たした。われわれは各選手の能力を明確にすることに成功し、それぞれに正確に異なる仕事を課した。だから、どの選手も知らず知らずのうちに次にすべき仕事ができていた。
われわれは、集団の前方で働くことができた。また、他のチームと責任を共有することもできたし、やろうともした。わたしは、このチーム全体をとても誇りに思う。(サクソバンク・サンガードの公式リリース)


シャンパンを開けるデーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・サーヴェロ)シャンパンを開けるデーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・サーヴェロ) photo:Kei Tsujiステージ優勝のデーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・サーヴェロ)

最終ステージのタイムトライアルでの優勝なんて、ジロが始まったときは本当に考えてもいなかった。でも、ジロが進むにつれて、調子が上がってきたので、今日は勝ちたかったんだ。最初の1キロで調子よく感じた。だから、このステージ全般で、一定の速さをキープできたんだ。自分やチームにとって、今年のジロの見事な締めくくりになったね。

――三大グランツールのリーダージャージ着用という快挙について

ぼくはマリアローザを着る運命だったんだ。とくにワウテル・ウェイラントの事故の後で。みんながワウテルのために自転車に乗った日に、マリアローザを着用できたのは、本当に栄誉だった。ぼくは、このジロでもう一度本物の選手になれた気がする。アタックもできた。マリアローザも着た。ステージで勝った。自分のチームのアシストもできた。チームにとっては、上出来なジロだったよ。(ガーミン・サーヴェロの公式リリース)


ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)が2年連続マリアヴェルデを獲得ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)が2年連続マリアヴェルデを獲得 photo:Kei Tsuji山岳賞のステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)

山岳賞を獲得できたことを誇らしく思う。2011年のトロフィーに自分の名前を見つけることができて、すばらしい満足感を味わっている[トロフィーには毎年の勝者名が記銘されている]。今はとても感動している。この感動はとても言葉には表せない。

とてもきついジロだった。やらなければならないことが膨大だったし、ストレスも多く、家族にもたくさんの犠牲を強いてしまった。それでも、言葉にしようのないほどの満足感だ。

トリノでのチームタイムトライアルに始まり、南下してエトナを下り、行ったり来たりして、昨日またトリノを通って戻ってきた。実に面白かった。ほんとうにイタリア全土を駆け抜けたんだ。


新人賞を獲得、総合6位、チーム総合優勝のロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)

いい結果だった。最初の目標は5位以内に入ることだったけど、自分のレースにも、新人賞ジャージの獲得にも満足だ。今回はエースとして初めてのグランツールで、自分にとって初めてのジロだったから、大きな経験になった。ほんとうにきついレースだったし、すべてのコースが脚質に合っていたわけじゃなかったけれど、最大限の力は出した。
マリアビアンカを獲得したロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)マリアビアンカを獲得したロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) photo:Kei Tsujiこのジロという大舞台で、チームの働きもすばらしかった。結果として、美しいステージ1勝とチーム総合優勝が付いてきたんだ。とても満足している。

ちょっと休んだら、アレクサンドル・ヴィノクロフをアシストするために、ツール・ド・フランスに出場する予定だよ。


これでジロ・デ・イタリアも本当におしまいだ! スタッフやスポンサー、アスタナの選手みんなと夕食も済ませた。いまは自宅に戻る途中だ! 自分のベッドに入るのは1ヵ月ぶりだ!


総合2位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)

コンタドールに次いで2位になったことに、とても満足している。タイムトライアルにも積極的に挑んだから、この結果を勝ちとることができたんだ。それだけのことはやったと思うし、ぼくをずっと支えてくれたチームや仲間、スタッフ、スポンサーにも感謝したい。ジロ・デ・イタリアでの良いときも悪いときも立ち向かうには、こうした人々の支えが重要なんだ。


総合9位、新人賞2位のステフェン・クルイスウィック(オランダ、ラボバンク)

去年のジロも大変だったけど、最終週の調子はよかった。今年も同じ状態に持って行けたことで、自分がステージレーサーに向いていると確信した。こうして結果を出したので、またステージレースを狙える。

今年はプロとして2年目。U23カテゴリーではあまり勝っていない。でも、ステージレースではいつも、いい感じに走れていたんだ。スペインに引越して、登りの技術を鍛えた。たくさん登りのトレーニングをやった。ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)が一緒のときもあったよ。


ジロ・デ・イタリアを完走した別府史之(日本、レディオシャック)ジロ・デ・イタリアを完走した別府史之(日本、レディオシャック) photo:Kei Tsuji36位、総合67位の別府史之(日本、レディオシャック)

今日のゴール地点の何千人も集まるドォーモの広場のステージでインタビューを受けて、「皆さん声援どうもありがとう!」と答えたら「Beppu!」「Beppu!」って名前を何度もコールしてもらった。気分はまるでロックスターのようだった! Beppuって、こちらでは特別な意味があるんです(Beppe=シニョーリの愛称)
あんな大勢の人が「BEPPU!」って声を出すと地鳴りのような感覚になるんだと実感した。 また応援してもらえるように頑張りたいです!

ありがとう! 「ひとりじゃない You are NOT alone.」!


アスタナのマッサー、中野喜文さん

ジロ無事終了。区間優勝、チーム総合優勝、新人賞、個人総合6位。クロイツィゲルはゾンコランとチームTTの失速が痛かった。でもよく頑張った。はぁ、どっと疲れが・・ (写真




ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、主催新聞ガゼッタ・デッロ・スポルト紙、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。




translation & text : Taiko.YAMASAKI + Seiya.YAMASAKI
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