平坦基調ながらも最後は強烈な登りが待ち受けたジロ・デ・イタリア第8ステージ。コンタドールのサプライズアタックの真意は? 純粋なスプリンターたちは、今大会の登りゴールの多さに嘆きの声をあげている。

ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、主催新聞ガゼッタ・デッロ・スポルト紙、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。


ラスト2kmから始まる登りでアタックを成功させたオスカル・ガット(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)ラスト2kmから始まる登りでアタックを成功させたオスカル・ガット(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ) photo:Kei Tsujiステージ優勝したオスカル・ガット(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)

本能のままにアタックした。レース中になにか考えたとは思うけど、自然に動いてしまったんだ……自分でも何だったのかわからない。RAIで(ダヴィデ・)カッサーニが解説しているのを見たけれど、あれは本当に本能的なものだったんだ。

(キャリアについて)
僕はジュニア・カテゴリーでよく勝っていた。プロとしての最初の2年間は、選手ではあったけれど、ほとんど無駄に過ごしたようなものだった。勝てなかったし、自信も失っていた。そんなときにチーム(ファルネーゼ・ネーリソットリ)が進むべき道を見つけてくれて、それがこの結果につながったんだ。

ステージ優勝したオスカル・ガット(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)、後ろに宮島正典マッサーステージ優勝したオスカル・ガット(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)、後ろに宮島正典マッサー photo:Riccardo Scanferla(レースの舞台となったカラブリア州について)
ゴール直後に頭に浮かんだのは、今シーズン最初に勝ったのもこの地域(レッジョ・カラブリア)だったということ。今日の勝利はキャリアのターニングポイントになるだろう。

(コンタドールが秒差で詰めてきていたが?)
近づいてきたら撃ち落とそうと思ったよ(笑)。4回振り返って、追ってくるのが見えた。コンタドールだとは思わなかったけれど、恐れることはなかった。自分に「行け、誰が来てるか考えるな」と言い聞かせて。これも、少しでも勝とうとする衝動だったんだろう。

(スプリントのタイプは?)
誰にも言ったことはなかったけれど、ぼくは自分を「フィニスール」だと長いあいだ思ってきた。優れた脚と幸運が求められるタイプだ。もちろん今回のすばらしい勝利の後でも、また狙うつもりだよ。

(勝利を誰に捧げる?)
チームマネージャー、特にルーカ・シント監督に勝利を捧げたい。ぼくのベストを「引き出して」くれたんだ。


集団から飛び出して秒数を稼いだアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)

ラスト2kmから始まる登りでサプライズアタックを仕掛けるアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)ラスト2kmから始まる登りでサプライズアタックを仕掛けるアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード) photo:Kei Tsujiまず、最後までぼくを牽いてくれたチームの偉大な働きに感謝したい。そのおかげで数秒を稼ぐことができたんだ。危険なゴールで注意が必要だということはわかっていた。明日のステージではアタック合戦になると思う。地元のニーバリや強さを見せているスカルポーニのように、それぞれの戦う理由を持った選手たちがいるからね。
明日の戦いは激しいものになるだろうし、どんなことでも起こる可能性がある。


サクソバンク・サンガードのビャルヌ・リース監督

アタックの計画はなかった。ラスト3~4kmまでに集団前方に彼を連れて行って安全をはかる計画だった。だがアルベルトは機会があれば進んでその機会を手にする選手だ。スタート時には計画していなかったが、機会があるならアタックを仕掛け、機会をつかまなければならない。

昨日は特別で、登りはそんなにきつくなかった。彼はただついて行くことにしたんだ。普通なら今日もついて行くはずだったけれど、機会があったから、それをつかんだんだ。


集団前方でゴールに向かうマリアローザのピーター・ウェーニング(オランダ、ラボバンク)集団前方でゴールに向かうマリアローザのピーター・ウェーニング(オランダ、ラボバンク) photo:Kei Tsujiマリアローザを守ったピーター・ウェーニング(オランダ、ラボバンク)

明日、ぼくがマリアローザをキープできたら、今年のジロに対する期待と願望は変わってくると思う。

(エトナ山のステージについて)
明日はぼくにとって、とても重要な日になる…。その質問についてはわからない。ぼくは今年のジロではすでに成功を収めた。でも、たしかに、マリアローザの維持と防衛を望んでいる…。できるだけ長いあいだキープしたい。
ぼくのような選手にとって、マリアローザを着る毎日はすばらしい日々なんだ。山の斜面を見ながら、マリアローザを手放して、誰かの気力を回復させようとは思わない。キープするつもりだよ。

(マリアローザを着用する自信について)
もちろん初日以降、ぼくは強く自負しているし、チームも強くなってきた。とてもモチベーションが高いんだ。

(コンタドールについて)
彼は、明日ぼくを打ち負かせる可能性のあるひとりだ。でも、彼ひとりじゃない。ニーバリやスカルポーニ、他にも多くの選手がいる。ぼくは、マリアローザを彼らに渡さないように出来る限りのことをするつもりだよ。

ゴール前に勝利を諦めたフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)

ステージは平穏に進んだけれど、ラスト30kmはむちゃくちゃだった。途中でホアキン・ロドリゲスが、「ゴールは2005年にベッティーニが勝ったときと同じだ」と言った。だから最後の3kmで道がどう狭くなるか、はっきりと思い出すことができた。チームには重ねて感謝したい。ずば抜けた脚もなかったから、アローヨがタイムを失わないよう彼についていてくれと言った。でも彼らは残って最後の登りで完璧な位置取りをしてくれた。登りではガットが見事なアタックをした。それからコンタドールが飛び出すのを見た時、今日はもうだめだと思ったんだ。

スカルポーニらと一緒に集団前方で登りをクリアする別府史之(日本、レディオシャック)スカルポーニらと一緒に集団前方で登りをクリアする別府史之(日本、レディオシャック) photo:Kei Tsuji21位でゴールした別府史之(日本、レディオシャック)

最後の5kmでポポ、カルドソと自分が4番手で下りをくだって、良いポジションで坂を登って、最後の100mはペタッキの番手に付けてたけど、登りの頂上でガットとコンタが飛び出してたので、タイミングがずれてしまった。21位でフィニッシュした。


ゴール前の登りに呆れ気味のマーク・レンショー(オーストラリア、HTC・ハイロード)

今年のジロはスプリンターには優しくない。いつも登り坂か、バカみたいに常軌を逸したゴールだよ……ブラボーだね。

ゴール前に不満を持つピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)

平坦ステージはそれほど多くない。そして、今年のジロのゴールはかなり変わっている。よく目につくのが、これまでとは異なる選手の勝利。つまり、過去の平坦ステージで勝利した純粋なスプリンターじゃないタイプなんだ。そう思わないか?


ロバート・ハンター(南アフリカ、レディオシャック)ロバート・ハンター(南アフリカ、レディオシャック) (c)CorVosジロに欠けているものを説くロバート・ハンター(南アフリカ、レディオシャック)

(レース前日)
今年のジロに大きく欠けているのは、伝統ある古き良き平坦で真っ直ぐな高速集団スプリント……。

(レース後)
また純粋な集団スプリントじゃなかった……ともかく、おれは好調なんだけど、最後の登り前の位置取りがベストじゃなかったんで、結果が出なかった。最後の20kmはとても忙しかったよ!!

移動に不満を訴えるクレイグ・ルイス(アメリカ、HTC・ハイロード)

2級山岳のエトナ山(噴火中)付きのわずか180kmのレースを終えたら、バスに乗って、船に乗って、飛行機に乗って、またバスに乗って、ようやく最初の休養日が始まる!

宮島正典マッサー(ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)宮島正典マッサー(ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ) photo:kei TSUJI宮島正典マッサー(ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)

最高のアリーボを経験できました。オスカル・ガット選手がステージ優勝。
残り5キロ位まではマッサーの待機場でテレビを見てましたが、スプリントになるのは分かっていたので、ゴールから離れた場所に待機していました。
実況放送でガットの名前が連呼され、もしやと思ったら、我々のウエアである白と黄色のジャージが一人でアリーボに突入してくるのが見えました。最高の瞬間を目の前にしました。

ジロでのステージ勝利は、彼のキャリアの中でも大きな実績となります。マッサージ後にポディウムでシャンパンファイトしたボトルと記念撮影。マッサージ中も祝福の電話、メールが鳴りっぱなし…
それだけこのレースは大きいということ。我々チームとしても是非欲しかったステージ勝利を勝ち取れたのも素晴らしい事です。

明日はシチリア島でのレース。スケジュール的にも仕事のオーガナイズがないと大変な事になる。
朝からフェリーでシチリア島に渡りレース。選手は飛行機で次のホテルへ…スタッフ達は、チームカーの長距離運転となります。
彼のポディウムの姿を見たら、急に勝利を実感して泣けてきた…。


translation &text : Seiya Yamasaki
photo : Kei Tsuji, Riccardo Scanferla, Graham Watson, Cor Vos
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