カーボンフレームのパイオニア、トレック社が自社カーボン製品のリサイクルプログラムの開発に成功し、運用を開始した。今後日本での運用も期待される。現時点ではアメリカ国内での展開となっている。

以下、トレック・ジャパンからのリリースで案内する。

トレックが業界初となるカーボンリサイクルを開始

アメリカ、ウィスコンシン州に本社を構えるトレック・コーポレーション(以下トレック)は、業界初となるカーボンリサイクルプログラムをスタートさせた。まずはアメリカ本社工場にて、排出される廃材となったカーボンファイバーを再生していく。

トレックは1992年にカーボンバイクのパイオニアとしてカーボンフレーム製造をスタートして以来、常に世界最先端技術の開発を続けている。航空宇宙産業の技術を取り入れたOCLVカーボンは、強度と軽量さを高次元で両立していることで知られているが、これまでリサイクルに関しては不可能だと思われていた。
今回トレックは、世界最高レベルのカーボンリサイクル技術を持つMaterials Innovation Technologies (MIT LCC)とパートナーシップを結び、3ヶ月間におよぶリサイクル稼働プロセステストを経て、見事成功に至った。

MITの社長兼CEOのジム・ストライク氏は、次のようにコメントしている。
「3ヶ月におよぶテスト期間を通じ、我々はカーボンリサイクルがどれほどトレックのビジネスに有益かを証明することができた。トレックのようなカーボン技術における世界的リーダーである企業へ協力し、トレックが自転車業界において初となるカーボンリサイクルに成功したことは我々にとっても非常に大きな意味を持つ。」

そして、トレックのカーボン開発責任者であるジム・コールグローブ氏は次のように語っている。
「トレックが最も重要視している企業理念の一つは、我々が行う活動の全てがエコに繋がっているべきだということです。カーボンリサイクルは、トレックのみでなくすべての産業において非常に大きな可能性を秘めています。」

トレックは、カーボンバイクの製造過程で生まれた余剰カーボンやワランティーで返品されたフレームを集め、サウスカロライナ州にあるMITの再利用施設で再生している。これらの再生されたカーボンはサーモプラスチックを強化する素材となり、それらは将来的に自動車産業、航空産業、医療産業などで利用される予定だ。

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