2011年3月22日、第26回セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ(UCI2.1)が開幕した。初日は初日は午前中に第1aステージ、午後に第1bステージが行なわれるセミタッパ方式。レースには宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)の他、ダンジェロアンティヌッチィ・NIPPOの小森亮平と内間康平も出場した。

メイン集団をコントロールするアックア・エ・サポーネとファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリメイン集団をコントロールするアックア・エ・サポーネとファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ photo:Riccardo Scanferla正式名称セッティマーナ・インテルナツィオナーレ・コッピ・エ・バルタリは、イタリア中部のエミリア・ロマーニャ州を舞台にした5日間のステージレース。

レース名は同国の英雄ファウスト・コッピとジーノ・バルタリの名前に由来するが、比較的歴史は浅い。1984年に第1回大会が開催され、何度かの中断を経て、今年で開催26回目を迎える。

集団スプリントを制したマヌエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)集団スプリントを制したマヌエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス) photo:Riccardo Scanferla初日はアドリア海に面したリッチョーネを舞台にしたセミタッパ(ハーフステージ)。午前中の第1aステージは、例年同様、高低差71mのカテゴリー山岳(登坂距離600m・平均勾配9%・最大勾配12%)を含む8.9kmの周回コースを9周する。

レースは序盤からホアンエスタバン・シャベス(コロンビア、コロンビア・エス・パシオン)とルーカ・フィオレッティ(イタリア、オラホテルズ・カラーラ)が逃げ、タイム差は最大2分47秒まで開く。しかしゴールまで2周を切ると吸収。その後のアタックも吸収され、僅差のゴールスプリント勝負でマヌエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)が勝利した。

エーススプリンターのグアルディーニと一緒にゴールする宮澤崇史(日本、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)エーススプリンターのグアルディーニと一緒にゴールする宮澤崇史(日本、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ) photo:Riccardo Scanferlaベレッティは昨年ジロ・デ・イタリア第13ステージで優勝した25歳のスプリンター。1月のジロ・ディ・レッジョカラブリアでステージ優勝を飾っており、これがシーズン2勝目だ。

ベレッティはガゼッタ紙のインタビューで「混戦のスプリントだった。進路が塞がれたのでロングスプリントに持ち込んだんだ。そこから何とかトップスピードを維持した。自宅から30kmしか離れていないので地元の勝利と言った感じ。明日もスプリンター向きのステージが待っている」とコメント。「シーズン最大の目標」と語るジロ・デ・イタリアでは再びステージ優勝を狙う。

表彰台、左から2位アンドレア・グレンデネ(イタリア、チームタイプ1)、優勝マヌエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)、3位ヴォロディミール・ビレカ(ウクライナ、アモーレ・エ・ヴィータ)表彰台、左から2位アンドレア・グレンデネ(イタリア、チームタイプ1)、優勝マヌエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)、3位ヴォロディミール・ビレカ(ウクライナ、アモーレ・エ・ヴィータ) photo:Riccardo Scanferlaダンジェロアンティヌッチィ・NIPPOの小森亮平と内間康平は共に集団内でゴール。チームメイトのマキシミリアーノ・リチェーゼ(アルゼンチン)がステージ4位に食い込む走りを見せた。

一方、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリの宮澤崇史は、ツール・ド・ランカウイステージ5勝&ツアー・オブ・カタールステージ1勝のアンドレア・グアルディーニ(イタリア)をスプリントにエスコート。好位置でラスト1.5kmの最終コーナーに差し掛かったが、そこでグアルディーニが落車してしまう。

宮澤は自身のブログで「最終コーナーでグアルディーニにポジションをあずけ、自分は彼の後ろへ入った。8番手ほどでコーナーへ。インをついて2選手が突っ込んできた。そのままグアルディーニは外へ追いやられ、外の選手と挟みうちになり落車。自分はそのままポジションをキープして前でゴールする事もできたが、今日はグアルディーニの為に働いていたし、残ったとしても足を使っていたので5位、6位がいいところ。彼と一緒にゴールする事を選んだ」と振り返る。

「アシストは、もちろんチャンスがあればとりに行かなければならないが、エースとアシストをはっきりさせておく事も重要。彼に対して100%のアシストをする事によって、エースの自覚が生まれ、責任感、あきらめない力がつく。今日は転んだが、明日は勝つぞ!グアルディーニとそう誓い合って第1ステージをゴールした」。

結局宮澤はグアルディーニと一緒に2分17秒遅れでゴールしたが、ラスト3kmルールの適用でタイム差はつかず。ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリはイタリアチャンピオンのジョヴァンニ・ヴィスコンティで総合優勝を狙う。

レース展開はレース公式サイトより。

第1aステージ(リッチョーネ 81km)
1位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)         1h57'35"
2位 アンドレア・グレンデネ(イタリア、チームタイプ1)
3位 ヴォロディミール・ビレカ(ウクライナ、アモーレ・エ・ヴィータ)
4位 マキシミリアーノ・リチェーゼ(アルゼンチン、ダンジェロアンティヌッチィ・NIPPO)
5位 ミケーレ・メルロ(イタリア、デローザ・チェラミカフラミニア)
6位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ)
7位 ロベルト・フェルスター(ドイツ、ユナイテッドヘルスケア)
8位 アンドレア・パスクアロン(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
9位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)
10位 ダニエル・オス(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
126位 内間康平(日本、ダンジェロアンティヌッチィ・NIPPO)
145位 小森亮平(日本、ダンジェロアンティヌッチィ・NIPPO)
166位 宮澤崇史(日本、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)

個人総合成績
1位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)         1h57'29"
2位 アンドレア・グレンデネ(イタリア、チームタイプ1)                +02"
3位 ヴォロディミール・ビレカ(ウクライナ、アモーレ・エ・ヴィータ)         +04"
4位 マキシミリアーノ・リチェーゼ(アルゼンチン、ダンジェロアンティヌッチィ・NIPPO)+06"
5位 ミケーレ・メルロ(イタリア、デローザ・チェラミカフラミニア)
6位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ)
7位 ロベルト・フェルスター(ドイツ、ユナイテッドヘルスケア)
8位 アンドレア・パスクアロン(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
9位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)
10位 ダニエル・オス(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
126位 内間康平(日本、ダンジェロアンティヌッチィ・NIPPO)
145位 小森亮平(日本、ダンジェロアンティヌッチィ・NIPPO)
166位 宮澤崇史(日本、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)

text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla