2011年2月24日、平坦コースで行なわれたブエルタ・ア・アンダルシア(UCI2.1)最終ステージでオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)が勝利。ステージ2連勝で締めくくった。僅差の総合争いはマルケル・イリサール(スペイン、レディオシャック)に軍配が上がった。

アンダルシア地方の白い街並を望むアンダルシア地方の白い街並を望む photo:www.vueltaandalucia.com平坦基調の162.7kmで行なわれたブエルタ・ア・アンダルシア最終ステージ。コルドバからアンテケーラまで概ねフラットなコースが続き、小さな3級山岳がゴールの39km手前に登場する。ラスト2kmを切ってから標高差70mほどを登ってゴールに至る。

レース開始から続いたアタック合戦は30km地点でようやく収束。シリル・ベシー(フランス、ソール・ソジャサン)やビセンテダビド・ベルナベウ(スペイン、アンダルシア・カハグラナダ)ら4名が飛び出すとメイン集団はスピードを落とした。

レース序盤にアタックするイェンス・フォイクト(ドイツ、レオパード・トレック)レース序盤にアタックするイェンス・フォイクト(ドイツ、レオパード・トレック) photo:Cor Vos総合29位・31秒遅れのベルナベウが逃げに乗っていたため、リーダージャージ擁するレディオシャックは慎重にメイン集団をコントロールしてタイム差を3分に抑え込む。ラスト15km地点でタイム差は1分30秒。先頭4名は最後まで粘ったが、ラスト3kmで吸収された。

総合争いは僅か12秒以内にトップ10の選手がひしめく混戦状態。ゴール前の登りでタイム差がつけば総合成績に変動が起こる可能性も。総合2位のユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)や総合4位のジェローム・コッペル(フランス、ソール・ソジャサン)がスプリントに絡んだ。

メイン集団をコントロールするレディオシャックメイン集団をコントロールするレディオシャック photo:Cor Vosしかしそれらの選手を寄せ付けず、登りをこなしてスプリントしたフレイレが優勝。ステージ2連勝でアンダルシア一周を締めくくった。ミラノ〜サンレモに向けて上々の仕上がりだ。

総合2位のファンデンブロックはステージ7位。初日の個人タイムトライアルと第2ステージの頂上ゴールでリードを築き、最後までライバルたちの動きを抑え込んだレディオシャックのイリサールが総合優勝を果たした。チームメイトのリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ)が総合3位でレースを終えている。

スプリント勝利を飾ったオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)スプリント勝利を飾ったオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク) photo:Cor Vos「僕はラスト1km地点で落車を避けるためにかけたブレーキで、スピードとポディションを失った」と語る土井雪広(スキル・シマノ)は40位でゴール。最終的に総合60位、ポイント賞15位でレースを終えた。

今大会で平坦コースでの強さを証明した土井は「今回のステージレースでは、いろいろと新たな自分の可能性に向けチャレンジでき、とても有意義な日々を過ごすことができました」と満足している様子。

総合表彰台、左から2位ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)、優勝マルケル・イリサール(スペイン、レディオシャック)、3位リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック)総合表彰台、左から2位ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)、優勝マルケル・イリサール(スペイン、レディオシャック)、3位リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック) photo:Cor Vos「年明けからこの2ヶ月間は、落車やいろいろなことがめまぐるしく起きて、精神的にも肉体的にも疲れ切ってしまってました。さらに前回のチャレンジマヨルカでの落車でギブスをまかれ『俺どうなるんだ?』と、へこむ暇も無いぐらい焦りを感じた。でも結果的にそれが僕の肉体的要素の疲れを超回復させたのではないかと感じています。」

土井の次戦は2月27日にフランスで開催されるレ・ボクー・ドゥ・シュド・アルデッシュ(UCI1.1)。同レースには新城幸也(ユーロップカー)も出場する予定だ。土井は「次のステップに向けてしっかりトレーニングしていきたい。気持ちは次のピリオドに向いています」と語った。

レース展開はレース公式サイトより。


ブエルタ・ア・アンダルシア2011第5ステージ結果
1位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)            3h46'12"
2位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)
3位 ジョナタン・イヴェール(フランス、ソール・ソジャサン)
4位 ダヴィデ・アポローニオ(イタリア、チームスカイ)
5位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、チームスカイ)
6位 マルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)
7位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
8位 ルイス・パサモンテス(スペイン、モビスター)
9位 ジェローム・コッペル(フランス、ソール・ソジャサン)
10位 フアンホセ・ロバト(スペイン、アンダルシア・カハグラナダ)
40位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)                  +10"

個人総合成績
1位 マルケル・イリサール(スペイン、レディオシャック)      16h27'21"
2位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)  +01"
3位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック)      +02"
4位 ジェローム・コッペル(フランス、ソール・ソジャサン)        +03"
5位 ルイス・パサモンテス(スペイン、モビスター)            +08"
6位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)
7位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、チームスカイ)           +09"
8位 アイマル・スベルディア(スペイン、レディオシャック)        +12"
9位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)          +16"
10位 イワン・ロフニー(ロシア、レディオシャック)            +18"
60位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)                +20'36"

ポイント賞
オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)

スプリント賞
ヤン・バケランツ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)

山岳賞
ハビエル・ラミレス(スペイン、アンダルシア・カハグラナダ)

チーム総合成績
レディオシャック

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos,www.vueltaandalucia.com

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