コースの警備にあたる警官の経費が増大したとして、中止に追い込まれていたパリ〜ルーベ・エスポワール(U23レース)が、エリートレースを主催するASO(アモリー・スポルト・アルガニザシオン)の援助を受けて継続することが決まった。グレゴー・ブラウンがレポート。

乾燥したパヴェから砂埃が舞い上がる乾燥したパヴェから砂埃が舞い上がる photo:Cor Vos「北の地獄」や「クラシックの女王」と呼ばれ、来年109回目を迎えるパリ〜ルーベ。ツール・ド・フランスと同じASOが主催している名レースだ。

その約1ヶ月後に行なわれるのが、U23選手対象のエスポワールレース。こちらは地元クラブのヴェロクラブ・ルーベ(VCルーベ)が主催している。

雨の心配の無い好天に恵まれた2010年のパリ〜ルーベ雨の心配の無い好天に恵まれた2010年のパリ〜ルーベ photo:Cor Vos今回VCルーベはプレスリリースを出し、ASOの出資により、2011年大会も継続して開催することを発表した。「ASOとVCルーベの良好な信頼関係により、2011年のエスポワールレース開催にこぎつけた。共同主催者であるASOの追加支援が、アマチュア選手にとって非常に重要なイベントを支えてくれる」。

VCルーベ代表のダニエル・フェルブラッケル氏とASOのディレクターを務めるジャンフランソワ・ペシュー氏は、先週金曜日に面会。来年度のエスポワールレース開催に向けて、ASOが約10,000ユーロ(約110万円)を出資することで合意した。

コースの警備にあたる警官たちコースの警備にあたる警官たち photo:Cor Vos「警備コストがこれ以上増加しないことを望む」。フェルブラッケル氏はそう語る。

先週、VCルーベはエスポワールレースの中止を発表し、ロードレース界を騒がせた。理由はコース警備にあたる警官のコスト増大。2011年1月1日から、フランス警察が警官一人当たりの手当を1時間2.4ユーロ(約265円)から1時間12.43ユーロ(約1370円)に値上げするためだ。ちなみにイタリア警察は1時間13.85ユーロ(約1530円)。ベルギー警察は無料。

フランス警察は今後も値上げを行なう方針で、2012年に1時間16ユーロ(約1770円)、2013年に1時間18.45ユーロ(約2040円)、2014年に1時間20ユーロ(約2210円)まで値上げする。

今年VCルーベはレース開催費用22,000ユーロ(約243万円)のうち、12,000ユーロ(約132万円)を警備費用に充てた。その中には警官の手当の他、食事代や燃料代が含まれている。

若手の登竜門として知られるエスポワールレースは1967年に初開催。現在はUCI(国際自転車競技連合)のカテゴリー2レースとして開催されている。エリートレースが260kmなのに対して、エスポワールレースは180km。しかし登場するパヴェ区間はエリートレースと全く同じだ。

優勝者の多くはプロ選手として大成しており、1998年には現世界チャンピオンのトル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)が優勝。今年はタイラー・フィニー(アメリカ)が連覇を達成している。

text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji

最新ニュース(全ジャンル)