UCIプロツアーチームのリクイガス・ドイモに所属して活動してきた日本人マッサー、中野喜文さん(40)が2011年度よりアスタナと契約し、活動することになった。来季から日本と欧州を半々に活動することになるという。

中野喜文マッサー(リクイガス・ドイモ)中野喜文マッサー(リクイガス・ドイモ) (c)Makoto.AYANOかつて日本鋪道(現TEAM NIPPO)など国内でマッサーとしての経験を積んだ中野喜文さんは、1998年にイタリアのプロチーム、カンティーナ・トッロに所属して欧州プロサイクリングチームのマッサーとしてのキャリアをスタート。初年度からツール・ド・フランスにも帯同した。その後リーゾスコッティやファッサボルトロを経て、2006年からはリクイガスに所属。ダニーロ・ディルーカの専任マッサーとしてジロ・デ・イタリア優勝の活躍を支えた。

近年はロマン・クロイツィゲル(チェコ)を主に担当している。来季はアスタナへと移籍し、ステージレースでのエースを務めるクロイツィゲルとともに中野さんも移籍する形となった。中野さんの東洋的な鍼灸マッサージとヨーロッパの手技療法をミックスした技能は、トップ選手やチームに高く評価されている。

中野さんはリクイガスを12月31日付けで退社することになり、アスタナとは来季よりの年間契約を結んだ。
今までのようにチームに深く関わるスタイルではなく、年に100日ほどの帯同契約になるという。

今までイタリアに住所をもち、年間の大半を欧州プロレースに帯同するという活動形態だったが、来季からは海外の年間滞在日数が4ヶ月ほどになり、レースの度に日本に帰る形になるという。
プロチーム専属のマッサーとして13年間の海外在住を続けてきたが、これからは主な生活拠点は日本に移し、日本での活動も同時に行なっていくことになった。


中野喜文さんのコメント選手たちに補給のサコッシュを手渡す中野喜文マッサー(ツール・ド・フランス2010)選手たちに補給のサコッシュを手渡す中野喜文マッサー(ツール・ド・フランス2010) (c)Makoto.AYANO

2011年シーズンから、アスタナ・サイクリングチームにて活動致します。
13年という長い間イタリアを拠点に活動してまいりましたが、心機一転新たな形で活動することになりました。

アスタナはカザフスタン共和国のチームで、首都のアスタナをチーム名とする政府支援のプロチームです。
カザフスタンはヨーロッパから地理的に離れた国であるため、チームの拠点はフランスのニースとなり、またオフィスはルクセンブルグに配置されています。
そしてイタリア人のスタッフや選手も多く所属している関係上、私のヨーロッパにおける所在地はイタリアになります。
2011年のアスタナは、地理的にも人員的にも非常に多国籍な構成のチームになります。

アスタナとの契約は、今までのようにチームの運営に関わる立場から、主にレースと合宿といった遠征のみ帯同となり、活動日数も少なくなるため、私自身の住所や活動拠点もイタリアから日本に変わる予定です。

基本的にはレースがある毎に日本からヨーロッパに向かう形ですが、おそらくは年間3~4クールに分けた形でヨーロッパに行き活動すことになると思います。
私自身も初めてのことでどのような形に落ち着くかは正直わかりませんが、日本人が欧州チームと関わる新しい形を構築できればと思います。

また今後は日本においても活動をする予定でおります。
自転車やスポーツのみに特化した形にはならないと思いますが、またそちらに関しては詳細が決まり次第ご報告させていただきます。

中野喜文





text&photo:Makoto.AYANO

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